週刊ダイヤモンドで、「野村證券 危機の真相」という特集が組まれていました。当ブログでも4月上旬に野村が発表した店舗2割削減のニュースを取り上げましたが、その後野村に関する話題が多くなってきました。ただコスト削減、縮小していくだけにしか見えなかったこの発表については、首をかしげている関係者は多いようです。で、ダイヤモンドも特集組んで取り上げたということです。
記事が伝えるいくつもの事実
出世レースのトップを走っていたエース級の人材が、続々と退職している。とか、働き方改革で野村流の働き方が否定され、顧客本位の業務運営に舵を切ったせいで収益力は大幅に低下している。そんな事実が並んでいます。その結果、預かり資産が流出しており、ラップへの注力で、営業員が考えることがなくなり、マーケットを語る能力のある営業員が不要になってきている、そんなことも人材流出に大きな影響を与えていそうです。
人材が流出することで収益力が落ち、業績が低迷するから人材が流出する。既にそんな負のスパイラルに陥っているかのような印象を受けます。売り上げを大きく伸ばす青写真がないにもかかわらず、店舗の閉鎖などのコスト削減だけが目立つ今回の構造改革は、どうしても前向きな取り組みに見えないわけです。
中でも心配なのは社員の劣化
これまでに何度か取り上げましたが、ここ3年間だけでも4つの事件で5人の逮捕者を出してしまったという事実。3人は顧客のお金を横領し、2人は麻薬所持で逮捕。ちょっとこんな状況って他で聞いたことないですよね。ダイヤモンドの記事ではこれら以外にも、名誉棄損容疑で逮捕された社員や、傷害の疑いで逮捕された社員もいることを書いていました。すみません、kuniは見落としてました。
昔から野村という会社は決してお行儀の良い会社ではありませんでした。やるときはとてつもない悪をやる会社です。損失補填やらインサイダーやら、世の中が驚くような不祥事がありました。けど、最近の野村の不祥事は少し違います。詐欺や横領、暴行みたいな。まるで地場証券みたいな犯罪です。
一体社員に何が起きてるんでしょう。こればかりは外部からでは窺い知ることができません。記事では野村社員による覆面座談会なるモノも見開き2ページで書かれています。興味のある方は是非ご覧ください。証券界の盟主、野村。海外勢とやりあっていくためには不可欠な存在だった証券会社です。今後どうなっていくんでしょう、目が離せません。