野村證券元社員 顧客の現金詐取事件

金融、証券

1/16 日本経済新聞記事 「顧客の口座から現金約620万円を引き出したとして、神奈川県警保土ヶ谷署は15日、野村證券横浜支店の元社員、嶋直美容疑者(46)を窃盗と詐欺の疑いで逮捕した。」

野村證券によると、嶋容疑者は2012年9月~2017年9月までの間に、顧客6人の口座から計約5,300万円を引き出し着服したとなっていて、2018年2月に懲戒解雇されています。

最近、野村證券がおかしい

最近、業界トップの「野村証券がおかしい」という話をよく聞くようになりました。先日の決算発表でも、似たようなことを言われていたような気がします。多少不調な部門があったがそれを国内リテール部門がカバーできなくなっているといった感じでしたか。要するに最強だったリテール営業の収益力が落ちているとか、優秀な営業員がどんどん流出しているみたいな話ですね。

ただ、これは営業スタイルを変えていこうとしているわけだから、当然そうなるんじゃないかと思います。「投資信託は3年以上保有していないと売却禁止」。という投信の長期保有を本気で徹底したり、預かり資産をラップに大量にシフトさせたりという、顧客本位の業務運営に本気で取り組んでいる影響でしょう。当然回転は効かず、預かり資産収益率は低下します。まぁ、kuniとしてはそんな程度に思ってました。

3年連続で顧客資金詐取事件が発生

しかし、顧客のお金に手を付けるという、この手の事件はいけません。本当に何かおかしくなってきているのかもしれません。2017年から今回の件まで、3年間で3人が詐欺および窃盗の容疑で逮捕されています。

2017年5月 豊橋支店 7顧客 2億7000万円 野村カードを詐取・ATMから
2018年10月 北九州支店 7顧客 4,700万円 買付代金を入金せず着服
2019年1月 横浜支店 6顧客 5,300万円 野村カードを詐取・ATMから

北九州支店の事件は顧客から預かったお金を口座に入金することなく、着服しているためでしょうか、「詐欺および窃盗」ではなく、「業務上横領」の容疑となっています。

証券会社ではこうした顧客のお金に手を付ける事件が何年かに一度、くらいの頻度で発生しています。その頻度でさえ酷い話であり、会社の信用は地に落ちるわけですが、毎年発生しているというのは、野村證券にどれほど多くの営業員がいたとしても、言い訳できません。会社の中でガバナンス上の問題のような、、、何かが始まっているのかもしれません。

ちなみに、「当社元社員の逮捕について」という野村のプレスリリースで見る限り、豊橋支店の事件と今回の横浜支店の事件、手口は全く一緒です。行為が行われた期間も、3件とも5,6年間とほぼ一致しています。

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