2/13に公表された、「特別調査委員会の中間報告書受領及び公表に関するお知らせ」では、調査期間を1カ月延長し、3/12を目途に最終報告書を受領する旨の説明がありました。その中では、調査の過程で、「原価付替取引」が存在することが発覚したため、、、という話もありました。
原価付替取引(ゲンカツケカエトリヒキ)
今では全部で9社が関与したといわれ、注目を集めていますので、ついつい架空循環取引の方に目が向いてしまいますが、新たに原価付替取引も発覚したようです。公表文の中では次のような表現になってました。
「特別調査委員会による調査の過程で、本不正行為に類似する不正(原価付替取引)が存在することが発覚し、当該不正の疑いに係る会社との平成20年以降の直接取引を対象として追加調査を実施することが必要になったことから・・・」
原価 付け替え
原価とは、商品を提供するために必要とした費用といっていいでしょうか。かなり雑な説明ですが。材料費に加え、労務費や光熱費などすべての費用を足し込んだものです。例えば、売上げ1000万円のシステム開発に800万円の原価が計上されていれば、200万円の利益ということになります。
逆に800万円の売上しかないのに、原価が1000万円かかってしまうと、200万円の赤字ということになります。この時、会計上原価として認識していた1000万円のうち、300万円分を他のプロジェクトに掛かった費用として不正に計上すると、100万円の利益が出せるわけです。この行為を原価の付け替えと言います。
昨年6月に電気興業(6706)という会社が、この原価付替取引の発生に関する調査結果を公表していました。コンプライアンス意識の欠如や原価計上ルールの不徹底など、発生原因が分析されていましたが、最も大きな原因は「赤字案件を発生させないというプレッシャー」でした。
赤字案件を戒める過度な手続き(経営への赤字上申書など)がプレッシャーとなり、原価の付け替えという不正の動機になっています。おそらくネットワンでも同じ状況があるんでしょう。ここでも見積書の案件名の書き換えなど、協力している業者が出てきそうですね。