モダリスは10/20、「当社主要株主の株式売却について」を公表しました。今年の春先、当ブログでも取り上げた、「大株主がロックアップ違反で株式を売却」という件があったため、念のため開示の内容を読んでみたら、やはり今回の件もただの売却ではなかったようです。
元取締役
株式を売却したのは、同社の元取締役で主要株主であるN⽒。共同創業者で社外取締役兼サイエンティフィックアドバイザーを務めていた東京大学の教授なんですね。今年3月の定時株主総会をもって退任されています。構造生物学の権威である科学者で、同社株式の14.79%を保有していた主要株主です。
違反行為
会社関係者でなくなった後1年以内の者も、会社関係者と同様にインサイダー取引規制の対象とされています。が、このN氏の株式売却、売却時にインサイダー情報を保有していない旨を証券会社へ伝えているようで、制度的には違反ではありません(もちろん保有していないことが事実だとして)。
問題は、モダリス社が退任後1年以内の役職員に求めている、売却可能期間と事前の確認という手続きが踏まれていなかったということです。当初は手続きを遵守して売却していたものの、途中から手続きをせず、結果的に9/27以降の売却が社内規定違反となったということです。
ロックアップ違反で懲りた?
同開示では、「取締役会で確認した⾃社株式売却に関する取り決めを反故にされたことは⼤変遺憾であり、極めて重要な問題であると考えたため本件を開⽰することとした」としています。ロックアップ違反で懲りたんでしょうかね。
万が一、監視委員会から目を付けられた場合、モダリス社の自社の立ち位置(当社として法令遵守が適切に実施されていたという)を明確にしておくという意味合いもありそうですね。