9/6付け日本経済新聞トップ記事です。高年齢者雇用安定法の改正も視野に入れつつ、70歳まで働けるようにしようという政策ですね。労働人口が減少していく中、当然の流れでしょう。現在、法が定める本人が希望した場合の継続雇用年齢は65歳。これを70歳まで引き上げようというものです。
高年齢者雇用安定法に対する企業の対応の実体
「高年齢者雇用安定法は企業に対し、継続雇用年齢まで「定年延長」「再雇用」「定年廃止」のいずれかの対応を求める。17年の厚生労働省の調査では、実際に定年を延長し、65歳以上としている企業は17%、定年制廃止は2.6%にとどまり、8割が再雇用だ。」(記事から引用)
私が勤めていた会社もこの8割とされている「再雇用」を採用してました。再雇用の会社側のメリットは、本人がそれまで積み上げてきた実績やら功績を全部一旦リセットできること。これまでとは違うんだよっという宣言を受けてしまうんです。だから、ここで大幅な賃下げが行いやすい。かなり能力の高かった人も、これでモチベーション失って、一気に衰えていく先輩たちを何度も見てきました。会社にとっても非常に大きな損失ではないかと思います。
実はそれ以前にも、60歳の前に、55歳で役職定年なるイベントがあり、課長や部長をしていた有能な人材は役職定年、つまり課長、部長の席を追われ、スタッフに戻されるというイベントもありました。ここでもモチベーションダダ下がり。こういう制度を持っている企業も多いと思います。55歳、60歳、2段階でやる気を失わせる人事制度です。経営も人事もバカですよね。
生産年齢人口の減少
どんどん若い人を採用できた時代はこれで良かったんです。しかしこれからというか、既にかもしれませんが、生産年齢人口はがんがん減少しています。そのうえ金融業界などは就職先としての人気もがた落ちです。高年齢者の中にやる気も能力もある人材を選抜して、まだまだしっかり働いてもらわないでどうするの。って思うんですよ。
一方で、コスト削減、人員削減が必要なのもよく分かります。だけど、それを年齢で考える(高年齢者を一律に切る)っていうのは、経営の思考停止、人事の業務放棄に他ならない。とkuniは考えるのですが、みなさんはどう考えますか?