日本製鋼所は11/14、「当社子会社における不適切行為に係る調査結果及び今後の取り組み等について」を公表しました。子会社である日本製鋼所 M&Eにおける不正について、5/20に設置した特別調査委員会の調査結果を公表。6か月間に及ぶ調査になりましたね。
調査結果 違和感その1
これまで火力発電向けの鉄鋼部材で検査不正があったとしていましたが、やはり他の製品にまで拡大し、不正行為は1998年以降で合計449件となったようです。さらに、新たに原子力発電所に関する製品で、データの改ざんなど20件の不適切行為があったということです。
原子力製品では2013年からデータの改ざんや捏造(ねつぞう)、虚偽記載が行われていたものの、この不正があった原子力発電所に関する製品については、海外向けのものであり、国内での使用実績はないとされています。これ、信用していいんだろうか。報告書を読んでいて感じた違和感その1です。
違和感その2
調査の対象とされたのは、室蘭製作所(日本製鋼所 M&E)、広島製作所、横浜製作所、名機製作所ということでしたが、不適切行為が確認されたのは室蘭製作所(日本製鋼所 M&E)において製造出荷された製品のみであり、広島製作所、横浜製作所、名機製作所において製造出荷された製品については、不適切行為は確認されていないとのこと。違和感その2。
室蘭製作所(日本製鋼所 M&E)がもつ特殊な生い立ち(機能分社による子会社化の歴史)が原因だとされているのですが、ここまでくると何をどう説明されてもしっかりと腹落ちしません。この感覚、kuniのような投資家のみならず、取引先においても同様ではないでしょうか。
最後に、国内では使用されていない(つまり海外では使用されている)。の方が今後の同社に対する損害賠償等のリスクは大きいという点は押さえておく必要がありそうです。