シャープは3/12、調査を進めてきた調査委員会から調査報告書を受領し、これを公表しました。連結子会社カンタツにおける不適切な会計処理に関する調査結果ですね。当のカンタツに関してはもちろん、親会社のシャープまでも滅多切りですわ。
不正な会計処理
携帯電話カメラ用のマイクロレンズユニットの設計・製造を主要事業とするカンタツ。中国に二つの製造子会社を持っていて、ここが経営不振へ。不正な会計処理が始まります。
最も多いのが商社向けに商品を出荷した段階で売上を立てるという行為。しかしこの取引は、商社がエンドユーザーに販売できなければ、返品に応じるという契約のため、商品出荷時点で売上を認識することはできません(不正な売上計上)。
他にもあれやこれや。簿価を有しない製品の循環取引や、エンドユーザーへの販売ができなくなった製品を最終的に中国子会社で買い戻す循環取引等。棚卸資産についての評価損の計上回避なんてのも。
取締役が主導
今回の会計不正の特徴の一つが、取締役が主導して行為を行っているところです。代表取締役も主導とは言わないまでも、取締役が主導していることを十分認識しつつそれを行わせているわけで、主犯格であることは間違いなさそうです。
そしてもう一つの特徴が、シャープ出身の代表取締役が就任し、カンタツにおける業績の低迷をテコ入れしようとする場面で、会計不正が行われているところです。彼らの収益偏重、売上偏重の業務執行が不正を引き起こしています。まさにシャープが引き起こしたようなもんです。
親会社から社長や役員が送り込まれ、何が何でも収益を。プロパー社員たちとの溝は大きくなっていくばかり。次第にプロパー社員たちは腐っていく。こんな会社って実はたくさんあるんですよね。読者の皆さんの会社はこんなふうになってませんか?
まだ書きたいこともあるので、近日中に(その2)を。