内部通報制度 国の認証制度 消費者庁

5/16 日本経済新聞の夕刊で、「適切な内部通報制度、国が認証 不正発見実効性高める まず伊藤忠・MS&AD」という記事が出ていました。第一号がこの両社ということで、5/10までに認証されたのは他に計8社。さらに十数社が手続き中ということです。

内部通報制度とは

社内にある不正や不祥事などを従業員が発見した場合、その不正や不祥事を会社の経営陣に直接告発する制度のことですね。経営陣に直接というのは実務上無理があるので、経営陣に権限を委譲された従業員や外部の弁護士などが、実務上の通報窓口になります。

内部通報制度はヘルプラインとも呼ばれます。不正等を発見した社員は本来、レポートラインに沿って、つまり直属の上司に報告し、その上司からまた直属の上司に報告され、、、これを繰り返して、その不正や不祥事を解決する機能を持つレベルの上席者が解決に動くべきです。この本来のレポートラインが目詰まりし、機能しなかったときのためにと設けられるのがヘルプライン、つまり内部通報制度ということです。

レポートラインの目詰まり

最近多くの企業の不正・不祥事が伝えられるところですが、必ずレポートラインが目詰まりし、もしくは検査等の一部の組織が経営から乖離した状態になっています。平成の30年間で日本の多くの企業で同様に進行してきた病状と言っていいかもしれません。

停滞する景気に後退する企業の競争力、さらには金融危機による資金不足など。厳しい環境の中で何とか利益を出すために、無理な業務拡大や経費削減に取り組んできました。前者はスルガ銀行のような不正を生みましたし、後者は自動車メーカー等にみる検査不正を生んできたわけですね。

内部通報制度認証の仕組み

少々脱線気味ですが、今回取り上げた認証制度の話に戻りましょう。消費者庁が指定する指定登録機関(現在は商事法務研究会だけのようです)に、事業者が自ら認証基準に適合している旨申請します。指定登録機関がその申請に基づき審査を行い、認証し、WCMSマークの使用を許諾する。という流れのようです。

適合すべき認証基準はと言うと、「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」に基づく内部通報制度認証基準、だそうです。ながっ。 また、この記事の左上に付けた画像が、WCMSマークらしいです。御上のお墨付きってことで、このマークを名刺や会社案内とかに印刷して使うんでしょうね。

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