金融財政事情の最新号で「大穴候補が巻き返し、三つの座を巡るIR椅子取り合戦」という記事がありました。勉強不足ですねぇ、IRの意味がすぐには分かりませんでした。証券の世界でIRと言うときは investor relations であり、「企業が株主や投資家に対して、財務状況など投資の判断に必要な情報を提供する活動全般」を指すんですが。
IR(統合型リゾート)
ここでいうIRは統合型リゾートのことでして、法律上は「特定複合観光施設」というのが正確な名称のようです。法律の名称も「特定複合観光施設区域整備法」となっています。昨年末に、全国9か所で行われた同法に関する説明会で使用した資料が、分かりやすく書かれています。
当該資料によると、IR(統合型リゾート)とは、
① 「観光振興に寄与する諸施設」と「カジノ施設」が一体となっている施設群
② カジノの収益により、大規模な投資を伴う施設の採算性を担保
③ 民間事業者の投資による、集客及び収益を通じた観光地域振興
④ 民間事業者の投資による、新たな財政への貢献
と、冒頭でこんなふうに説明されています。
施設群の内訳としては、カジノ、ホテル、レストラン(ショッピングモール)、エンターテイメント施設(劇場、水族館等)、MICE(国際会議場、国際展示場)が紹介されており、これらを一体的に整備・運用するとしています。
そして、「我が国におけるIR導入に関する根本原則」を「我が国におけるIRの導入は、単なるカジノ解禁ではなく、また、IR事業を認めるだけのものではなく、世界の人々を惹きつけるような我が国の魅力を高め、大人も子供も楽しめる新たな観光資源を創造するものでなければならない」と謳っています。何だかずいぶんと美しくなりましたね。
認定区域整備計画は上限3
特定複合観光施設の区域整備は3か所までと法律で定められています。三つの座というのがこのことですね。現状では、大阪市と苫小牧市が候補地としてリードしているようですが、他にも北海道留寿都村、和歌山、名古屋、静岡県牧之原、といった自治体が名乗りを上げているそうです。で、なんといっても東京が本命とか。
今のところ具体的な話は出てないようですが、そもそも石原都知事の「お台場カジノ構想」で始まったようなもの。今は様子を見ていますが、東京がド本命というのが、この記事の見立てでした。
おまけ
この特定複合観光施設区域整備法には妙に3がたくさん出てきます。指定する地域が3か所、事業者免許の有効期間3年、日本人の入場規制は7日間で3日、入場料は3,000円など。また、カジノ事業者の儲けは、国庫と自治体それぞれに15%の納付を義務付けてますから、合計30%ですね。