ホーチキ(6745) 従業員の不正行為

火災報知機メーカーのホーチキは3/24、「お詫びとお知らせ 弊社元従業員による不正行為について」を公表しました。ただしこの公表は同社のホームページで掲載したのみで、TDnetでの開示は行っていません。

不正行為の概要

2015年から2019年にかけて、神奈川県でこの従業員が担当した消防用設備等の設置工事(5物件、8工事)において、消防当局に提出すべき設置届が提出されず、消防検査が未受験のままにされていたそうです(うち1物件1工事は着工届も未提出)。

また、これらのうち2物件2工事において、同従業員は検収を行うため、印影を複製するなどして消防当局受付済みとした設置届の控えを作成し、顧客に提出していたとのこと。ただし、5物件とも定期的に行われる法令点検で設備の正常動作が確認されているとのこと。

消防検査を受けるのを回避するために不正行為を?その後の法令点検で正常なんだったら、消防検査も怖くないだろうに、、、。と、思うのですが。消防検査を受けるには時間がかかるので設置工事完了を急ぐために不正を?

公表されている「お詫びとお知らせ」ではその辺りが全く分かりません。で、従業員は既に懲戒解雇されています。例によってトカゲの尻尾切りです。

業績予想の上方修正

消防検査がどれほど重要なもので、それをすっ飛ばした従業員の行為の目的、原因は何だったのか。全然伝わってこない。とにかく雑な開示です。読んでいて従業員の悪質さよりも、この不祥事発生に関するホーチキの対応のまずさばかりが目立ってしまいます。

ホームページで「お詫びとお知らせ」をこっそり掲載した翌日の3/25、TDnetで「連結業績予想の修正に関するお知らせ」を開示しているんですね。連結業績予想の上方修正という誇らしいメッセージを汚したくなかったのか、、、と考えてしまいます。

コメントを残す