株式会社ジオコードは4/10、「調査委員会の設置及び 2023 年2月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。不適切な会計処理を調査するとともに、4/14に予定していた2023年2月期決算(本決算)の発表を延期することとしたということです。
株式会社ジオコード
ジオコードは、主に中堅・中小の企業ユーザーを対象に、Webマーケティング全般にわたる課題を解決するための各種サービスを手掛ける企業。SEO(検索エンジン最適化)対策やら、Web広告全般の運用代行サービスなんかをやってるみたい。ほかにクラウド型業務支援ツールの提供なども。従業員117名の東証スタンダード上場企業。上場からまだ3年も経ってない企業ですね。
事案の概要
決算作業の過程で、売上債権の延滞管理対象である一部の取引について、取引が未完了であるにもかかわらず、売上を不適切に前倒し計上している可能性を認識したということです。
売上の期間帰属の適正性に疑義が生じるものであり、事実関係の把握、取引状況の詳細及び財務諸表等に与える影響額の確認等を直ちに行いましたが、公正かつ透明性が担保された形で事実関係の実態を正確に調査・把握すべきであると判断し、調査委員会を設置したとのこと。
昨日取り上げたパスコは利益の先送りでしたが、こちらは売り上げの先行計上。こういう先行計上とか架空売上やらが常態化、みたいなことになってくると、同社の場合上場審査時はどうだったの?(そもそも上場して良かったの?)なんてことにもなりかねませんね。
今回設置された調査委員会は社外監査役を委員長とした社内調査委員会。大事に至らず、この面子で最後まで調査を完了できればいいけど。
kuniさんの最後の二行。
「社外監査役を委員長とした社内調査委員会」社外監査役って
経理が適切に行われているかどうかを監査する役目だと思いますが、
不正経理を行って監査役(及び監査法人)を騙そうとした相手を
再び調べる相手として、あるいは単純に監査役としてお金をもらって
いる相手に対して「社外監査役を委員長」って適当なんでしょうかねぇ。
今回、監査役による社内会計監査で不正が発覚したということでしょうか。
どっちかというと監査法人に指摘されて社内をかばいきれず
(=会社と監査法人の板挟み)・・・というイメージが。勝手な思い込みですね。。。
その監査法人、前期(2月期決算なので正確には前々期)は
EY新日本有限責任監査法人なのですが、有価証券報告書の監査意見として
「Webサイト制作に係る売上高の期間帰属」まさに今回のテーマでは?
ソフト業界あるあるなんでしょうね。
『当監査法人は、当該事項に対して個別に意見を表明するものではない』と
書かれており、ここからはkuniさんにお聞きしたいのですが、
付けられた監査意見が暗黙的に意味するものって、ただ「このことを調査しました」
程度なのか、「このことの調査でこの期に不正はありませんでした」なのでしょうか。
期間帰属問題の開始時期によっては監査法人が出てくるなり
退場していくなりの次段がありそうな気がするのですが。
いつもお読みいただきありがとうございます。
ご質問の部分。かなり監査法人に関する専門的なお話なので正直kuniにも判断できません。
有価証券報告書も見ましたが、一応「このことの調査でこの期に不正はありませんでした」という感じですね。
ただ、最後のところでこの話を持ち出すあたり、次の監査法人や同社に対して警鐘を鳴らしている感じなんでしょうかね。
監査法人が交代し、社外とはいえ同社が報酬を支払っている人たちで構成される社内調査委員会が結論を出そうとしているという構図は、あらかじめ方向性が見えてしまってる感じがします。