コーポレートガバナンス 社外取締役

平成の30年間でコーポレートガバナンスはどれほど進化したんでしょうか。確かに社外取締役は多くの企業で採用され、上場企業の93%が1人以上の社外取締役を置いていると言われています。ところが、2018年を振り返ってみると、それでどれだけ会社が良くなったの?社外取締役は機能しているの?という疑問は残ります。

社外取締役は機能するのか

はっきり言ってkuniは機能しないと思っています。例のスルガ銀行で不正が頻繁に行われていたころの社外取締役は、かの有名な元日本マイクロソフト社長ですよ。経営に関してはプロ中のプロが就任していたにもかかわらず・・・なんです。

なぜかというと、それはあまりにもその業界のことを知らないから。その会社のことを知らないからです。kuniも取締役会の根回しで何度も社外取締役を訪ねて行って、議案の事前説明をしてきましたが、とにかく骨が折れます。的を射た質問であればよいのですが、ほとんどが見当はずれ。本番の取締役会でも進行の足を引っ張るだけです。

会社とは異質な人材として、より広い視界で見地を提供できると言われますが、そうもいかないのが現実だと思います。スルガ銀行の件でも、「当行だけこんな高い利益率っておかしいだろ」という感覚が持てなければ、何の疑問も持たないわけです。全くその業界に関する知識のない社外取締役はそろそろ考え直した方が良いと思います。

社外取締役に求められる機能

会社執行部隊との異質性を求めて招聘された社外取締役。社内で何か経営陣に都合の悪い事実が出てきたとき、経営陣は何を考えるか。知られてしまうと面倒な奴が出てくる取締役会には議案としてあげることなく、内々に決済してしまおう。こう考えるのは当然のことです。

ではどんな社外取締役が必要なのか。経営陣にとって不都合な事実を隠し続けることが困難な、そんな事実に気付いてしまいそうな取締役ということになります。つまり、異質性と同時に、業界情報、社内情報への理解度が相応にある人材ということになるわけです。

大株主から社外取締役を

そこで考えられるのが、大株主や主要取引先からの社外取締役です。米国では社外取締役の要件として株主を排除する規定がありません。実態としても大株主から派遣されている社外取締役は多いそうです。これは日本においてもヒントになるのではないでしょうか。(ここではグループや系列、機関投資家といった大株主は意識していません)

当然、少数株主や他の取引先への悪影響が考えられますが、これらの問題は本質が明確であり、他の取締役による牽制は常に効かせることが可能だと思われます。どうでしょう。報酬稼ぎだけが目的のお飾り取締役ではなく、本当に機能する社外取締役。今年は本気で考えないといけない年になりそうです。

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