鰻(ウナギ)は今年安くなる シラスウナギ豊漁

食卓からシシャモが姿を消すかと思えば、一方でウナギはこの夏大きく値を下げ、食卓に戻ってきそうだという日本経済新聞の記事が。養殖ウナギの稚魚であるシラスウナギが豊漁で、国内の養殖場がシラスウナギで満杯となったため、今期の漁を打ち切ったほどだそうです。

シラスウナギ

シラスウナギの漁がおこなわれる静岡県、高知県が紹介されていましたが、今年の漁獲量は前年に比べてそれぞれ3.5倍と5倍だそうです。このところシラスウナギが不漁だったため、ウナギのかば焼きもエラク高かったんですね。この稚魚の取引価格が、平均で1㎏:100万円程度まで下がっているとのこと。

去年の同じ時期は1㎏:200万円を超えていたんですと。なんと半分以下に下がっています。養殖場(池)に入れられたシラスウナギは、このあと半年ほど養殖されてウナギとして市場へ。養殖にかかる費用を上乗せしたとしても、今夏のウナギの小売価格は間違いなく大きく下がると伝えています。

スーパーとかに並ぶウナギは中国産ですが、中国でもシラスウナギは豊漁だそうです。スーパーでもお手頃で買えるようになりそうです。しかし、実際のところ小売価格ってどれくらい下がるんでしょうね。楽しみにしましょう。

うなぎ味のナマズ

本家のウナギが値下がりするとなると、例の近畿大学の「うなぎ味のナマズ」には逆風ですね。近大マグロは今では世の中に広く認められていますが、このうなぎ味のナマズもかなり美味しくて、言われなければ分からないほどといいます。

今年はシラスウナギが豊漁で値下がりという傾向になりそうですが、来年以降はまた獲れなくなるかもしれません。ニホンウナギは数年前に絶滅危惧種に指定されているのも事実。うなぎ味のナマズにも頑張ってもらいましょう。

新型コロナウィルス 「もっと検査を」 の落とし穴

新型コロナウィルスの猛威、止まるところを知りませんね。もうコロナの件はあまりニュースとかチェックしてもしょうがないので、このところほぼスルーしてました。と、そこへこの記事のタイトルと同じ記事を週刊ダイヤモンドで見付けたのです。非常に分かりやすく書かれています。

医療現場の崩壊を回避

これまで、日本が他国のように検査を増やさないことについて、批判的な意見がSNSなどでも多く見られました。検査で陽性となったら、ハイ入院、、、みたいなことやってたら、病院のベッドはすぐに一杯になってしまい、本当に治療が必要な重病者への対応ができなくなってしまうから。

kuniもこれくらいのレベルでしか考えていなかったんですね。もちろん、この考え方も間違いではないんでしょうが、そもそも検査の限界の問題があって、有病率がそれほど高くない集団に対しては、むしろ検査は危険な結果を招くことがあるようです。

野放図な検査増加で開く「地獄の釜」

これまた刺激の強いタイトルですが、これも同記事のサブタイトルです。有病率が高くない集団に対する検査は、的中率が下がってしまうこと。そうすると見逃しや濡れ衣を増加させる。本当は感染しているのに、検査で陰性となった人は、安心して感染源として街中に繰り出し、感染を拡大してしまう。

検査を意味なく渋っているのではなく、自宅での経過観察や医師による診察などにより、検査対象をフィルタリングする。こうすることで有病率の高い集団ができ、検査の陽性的中率を高めているんだそうです。う~ん、言葉だけでうまく説明できないな。

専門的な用語がたくさん出てきますし、図表もあった方が良さげ。なので、ここではこれ以上の説明は避けますが、「ほー、なるほど」と納得させてくれる良い記事だと思いました。まだ本屋さんに並んだところだと思います。週刊ダイヤモンド2020/04/04号でご覧ください。

シシャモが食卓から姿を消す?

シシャモが食卓から姿を消すことになりそうだとか。国内消費の9割を占めているのは北欧産なんだそうで、これが2年連続の禁漁。国内の漁獲量も過去最低だそうです。このままいくと夏には在庫が尽きそうな情勢だと日本経済新聞が伝えていました。まず、4月には実質2倍の値上げが行われるようです。

最近結構いただいてるので

酒の肴に、一人でシシャモ焼いたりってのは面倒くさい。そんな感覚でいたんですが、セブンイレブンで「子持ち焼ししゃも」見付けちゃったんですね。レンジでチンするだけで、いい肴ができるわけです。当然酒のお供の定番になってしまいました。チルド総菜っていうんですかね。価格の方も5尾入ってて税込み213円とお手頃です。

セブンのこの商品も北欧産でしょうか。やはり樺太シシャモです。2018年の樺太シシャモの輸入量は2万トン。このうち6割がアイスランド、3割がノルウェーからの輸入だったんですが、彼らの海でも獲れなくなってきているようで、両国とも禁漁。今年は日本への入荷なしだそうです。

本シシャモ

国内では北海道で「本シシャモ」が獲れます。が、こちらも昨年の漁獲量は500トンほどで、前年の半分、1985年の統計開始以来、最も少ない漁獲量だそうです。本シシャモこそが本家で美味しいんですが、なんせお高いのでなかなか食べる機会がありません。これからもっと高くなるんでしょうね。

この「本シシャモ」と「樺太シシャモ」、、、実は全く違う魚だそうです。本シシャモの代替品として輸入されはじめたのが樺太シシャモ。で、今日ではシシャモと言えば樺太シシャモを指すようになっているようです。ちなみにシシャモは「柳葉魚」と書くそうです。

調べていたら、同じく代替品としてキュウリウオなんてのも出てきました。日本海北部やオホーツク海などで取れるそうです。これもやっぱりお高くなっちゃうんでしょうね。セブンの「子持ち焼ししゃも」、お早めに。

5月に電気料金値上げ 原油価格は下落しているのに

3/28付の日本経済新聞の小さな記事です。東京電力など大手電力の全10社は27日、5月の料金を引き上げると発表しました。液化天然ガス(LNG)や石炭、原油の輸入価格は下がりましたが、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が増額されるため電気料金は上がるとのこと。

再生可能エネルギー発電促進賦課金

電力会社等が再生可能エネルギーにより発電された電気の買い取りに要した費用を、「全員参加型」という考えのもと、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(電気料金の一部)として、電気を使用するすべての顧客に、電気のご使用量に応じて負担してもらうものです。再エネ賦課金とも呼ばれます。

全国一律にkWhあたりの単価が毎年国によって設定され、その単価を家庭の電気使用量(使用電力量)に掛けた額が、毎月の電気代の請求額に含まれます。で、その見直しが毎年5月に行われるため、このタイミングでの報道となったということですね。

燃料費調整制度

一方で、燃料費調整制度というルールもあります。原油などの燃料価格が大幅に下がった今回は、こちらの制度により電気料金の見直しが行われます。火力燃料(原油・LNG〔液化天然ガス〕・石炭)の価格変動を電気料金に迅速に反映させるため、その変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整する制度です。

この制度では、原油・LNG・石炭それぞれの3か月間の貿易統計価格にもとづき、毎月平均燃料価格を算定します。算定された平均燃料価格(実績)と、基準燃料価格との比較による差分にもとづき、燃料費調整単価を算定し、電気料金に反映します。

実際には1~3月の平均価格を算定し、これを6月分から反映する仕組みになっているため、3月からの燃料価格の暴落が影響し、おそらく6月は電気料金が引き下げられるでしょう。2~4月の平均価格が7月の電気料金に反映されますので、7月はもう一段下がるかもですね。

デジタルシフトの好機に 大阪大学准教授 安田洋祐氏

3/25の日本経済新聞の記事、「経済収縮どう臨む(4)」で登場された阪大の準教授、安田洋祐さんのご意見がなかなか良かったんです。専門は戦略的な状況を分析するゲーム理論。主な研究テーマは、現実の市場や制度を設計するマーケットデザインだそうです。

トイレットペーパーやマスクの品不足に対して

1980年生まれといいますから、まだ40歳くらいですか。写真も若くて格好良いです。いろいろなご意見を披露されていましたが、その中でも一番気に入ったものを以下に引用します。トイレットペーパーやマスクの品不足への対策です。

「個人の道徳に訴えるのではなく、仕組みを変えることで解決できる。例えば在庫が回復するまで小売価格を定価の2倍にしてはどうか。それだけでは小売店が不当に稼いでいるとして消費者の評判が悪くなる。これを防ぐため、値上げ分を新型コロナウィルスで困っている人に寄付する工夫をすればよい。配給制にすると不必要な人に配られるなど非効率な部分もある。市場機能を生かす方策が望ましい。」

どうでしょう。なかなか斬新ですよね。一度試してみたくなります。こういうのをマーケットデザインと言うんでしょうね。世の中には頭の良い人がいるもんです。上記の回答も含め、日経記者からの5つの質問に答えていますが、ほかの回答もkuniはなかなか気に入りましたよ。

オイルショックとコロナウィルス

もう一つだけ引用しましょう。「オイルショックで日本の省エネが一気に進んだように、新型コロナをきっかけに日本企業の古い部分が一気に変わると期待したい」。これまたおっしゃる通りだと思います。まだ他にも紹介したいのですが、日経さんに訴えられちゃうのでこの辺りで。

続きは是非日経を買って読んでください。電子版であれば過去記事もビシバシ検索できますので(たまには日経の宣伝もしておきます)。安田准教授、2002年に東大経済学部を卒業。最優秀卒論賞を受賞し、卒業生総代を務める。その後5年間プリンストン大学へ・・・って、すごい人みたいです、この先生。