新型熱電発電素子 三桜工業

以前、「再生エネルギー 地熱発電 増感型熱利用発電 」という記事を書きました。その中で紹介したのが、三桜工業が開発に成功した「新型熱電発電素子」。熱源に埋め込むだけで素子を通じて電流が取り出せるというもので、排熱発電や地熱発電等に革命をもたらしそうな技術です。

三桜工業

以前の記事では、三桜工業の株価は開発成功のプレスリリースを出した7/18から3日間で、450円から598円まで、30%以上上昇したものの、元の株価水準に戻ってしまいました。と紹介していたんですが、再度上昇をはじめ、昨日時点で993円まで付けています。年初来高値を更新し、株価はほぼ2倍になったことになりますね。

最近では、予想に反して足元の決算が良かったことも材料視しているようですが、前述の新技術の実用化を材料にしていることも確かです。あるんですねぇ、今でもこんなふうに一本釣りされる銘柄が。信用買残が1.43倍。サイズは小さいですが、ちょっとした仕手株テイストです。

いまどきこういう人気が付くのも、やはり環境関連の課題を解決するという、時代に合った材料だからこそでしょう。まだまだ実用化に向けてそれなりの時間が必要でしょうし、そもそも実用化できるかどうかも分からないという段階です。だからこそカラ売りも飲み込み、相場になるという面もありますが。

AGC 三菱ケミカルなども

暴騰している三桜工業の時価総額は2カ月で倍になったといっても350億円ほどです。AGCや三菱ケミカルといったESGの観点から画期的な開発をしている企業はあるんですが、これらの時価総額はそれぞれ8千億円、1兆2千億円なんですね。少しくらいの材料では動きません。

というのがこれまでの常識。しかし、今後は分かりませんよ。ESGや特に気候変動関連の材料で、いわゆる大型株が大きく値を切り上げていく相場が来るかもしれません。売られる場面ではコツコツ拾っておく価値はありそうです。

大きな揺り戻しが来る のか?

10/22付け日本経済新聞、大機小機に「非常識な時代」という記事がありました。従来の常識が通用しないあれやこれやを提示し、非常識な時代としてまとめています。読んでいて、なるほどごもっとも、、、なお話ばかりなんですが、少し変化の兆しというか、そろそろ揺り戻しが来るのでは、という感じがしました。

非常識の数々

「お金を借りたら利子を払う」、「物価は経済の状態を映す体温計」、「資本市場は企業が資金を調達する場」、という常識がそれぞれ、「マイナス金利」、「完全雇用でも物価は上がらず体温計は動かない」、「資本市場は企業が自社株買いを通じ、投資家に資金を返す場に変質した」、と変わってしまったと指摘しています。

まさにおっしゃる通りなんですが、問題はこれが恒久的に続く現象なのかという点です。ここでは、そうではないという観点で書きましょう。ここまで米国を除き主要国経済においては、中国の一人勝ちが続いてきました。彼らの理屈で動く経済に対して、従来の常識が壊れてきたと考えられないでしょうか。

中国が必要とするものについては価格は上昇したが、中国が生産し輸出するものについては価格破壊が続いた。民主主義が必要とするあらゆるコストを要しない中国に対抗するため、先進国の金利は低下を続けた。中国との競争に勝てる自信のない企業は、投資に踏み切れず、自社株買いに甘んじた。こんな整理もできるかもしれませんね。

揺り戻し 巻き返し

そんな中国の力にも陰りが見えてきました。トランプ氏の功績と言ってよさそうです。これまで中国の快進撃に端を発して起きてきた経済の非常識に揺り戻しや巻き返しが始まるのでは。そんな気がしています。日本株の復調が最も分かりやすい現象ではないかと。

また、スタートアップバブルが弾けたのも。株式市場が正常化する一因になりそうです。海のものとも山のものとも分からない企業に大金を投資して、上場を機に設けるという仕組み。上場手前でのバブルが弾ければ、投資家は再び市場に戻ってくるのではないかと。

経営者と株式投資

先週末でしたでしょうか、「『投資家CEO』は悪者か」という記事が日本経済新聞に掲載されていました。Deep Insight というコラムです。日経本社コメンテーターの方が、上場企業の経営者が株式投資を悪と考えていることについて、問題提起していました。

経営者の「投資リテラシー」

記事では、信越化学の金川会長を例にあげ、株式投資を経験することで投資リテラシーを高める必要があるのではないかと書いています。経営者の投資リテラシーとは、自らが率いる会社を投資家の視点で客観視する力だ、とも言ってますね。ごもっともなご意見だと思います。投資リテラシーが低いがために、1億円以上の金品をもらっていても、平気な顔してられるわけです。

M&Aにしても同じ

また、日本電産の永守CEOも例にあげ、有望分野や有望企業を見付け、買収等の資金を投じる決断はまさに株式投資そのものだ、とも。不採算事業分野等を売却する行動にしても、株式投資の売りそのものだとも書いています。なかなか良いこと書いてくれてますね。

例にあがった金川氏、永守氏、いずれも若いころから株式投資に慣れ親しんでいたということです。そうした経験から経営を株主の視点で捉え、事業や企業の買収や撤退の判断力を磨いてきたということですね。

上場企業の経営者に株式投資は必須

この記事の筆者が言ってるように、kuniも経営者は投資をするべきだと思います。株式を上場した経営者は、上場時に一定の自社株式を手放して、売り出しという形で一般投資家に買ってもらいます。それで大金を得るわけですね。証券会社もその巨額の資産に対して様々な資産運用を持ち掛けるわけですが、意外に他社株式への投資を嫌う経営者が多いんです。

保有する自社株式を公開時に売り出し、巨額の資産を手に入れておいて、株式投資は悪だ、、、はシャレにならんでしょ。とよく思ったものです。創業者に限らずサラリーマン経営者も含めて、経営者はもっと株式投資、、、するべきだと思いますね。

株式委託手数料 無料化

先週末の日本経済新聞に「米証券、売買手数料ゼロへ ネット大手、新興の攻勢に対抗 体力勝負、再編観測も」という記事がありました。先行していた米国の最大手チャールズ・シュワブに追随し、ネット証券2社が株式の売買手数料をゼロにするというニュースです。

ロビンフッド

手数料無料を先導したのが、新興勢力のロビンフッドという会社。この新興勢力に対抗する形で、その他のネット証券が競って手数料をゼロにし始めたということのようです。これらに加えて、記事ではJPモルガン・チェース(こちらはネット系ではない)がリテール銀行の顧客向けに、売買手数料を一定回数まで無料とするサービスを始めたとも伝えています。

日本でも無料化へ

日本も将来的には売買手数料ゼロに進んでいくんでしょうね。ここで、この記事を理解するためにいくつか足もとの実態を見ておきましょう。記事で売買手数料と言っているのは、株式委託手数料のことです。株式(ETF含む)を取引所で買う注文、売る注文を出すときに、証券会社に支払う手数料ですね。

1,000万円のA株式を買うケースを考えてみましょう。野村證券では支店に電話して買う場合、81,928円の手数料が掛かります。同じ野村證券でもインターネット取引の契約をしている人がネットから発注する場合は、同じ注文でも10,476円しか掛かりません。

次にネット証券のSBI証券を見てみます。同じ注文をネットで発注する際の手数料はスタンダードコースで、1,013円です。PTSへの発注ですとさらに安く、963円です。PTSというのは取引所に出すのではなく、SBIジャパンネクスト証券の中で値付けするもので、同社の私設取引システムのことです(機会があればいずれまた詳しく書きます)。

どうでしょう。最大手証券の営業マンとの取引からネット証券での取引まで、株式委託手数料もこれだけ違いがあるんですね。ちなみに野村証券の19年3月期の株式委託手数料収入は915億円。総収益が5,750億円ですから、今でも全体収益の16%を占めています。これがゼロに、、、。

さぁて、1999年10月に始まった株式委託手数料の完全自由化。あれから20年、株式委託手数料の無料化バトルがl始まりそうな気配です。

野村證券 山陰合同銀行(その2) 証券仲介プラットフォーマー

山陰両県に広く強固な顧客基盤を有する山陰合同銀行グループと、金融商品取引業務に関する豊富なノウハウや商品ラインナップを有する野村證券とが相互の強みを活かし、地域経済の活性化や高齢化の進展とともに、人生100年時代への備えや次世代への資産承継など、多様化するお客様のニーズに応えるべく、全く新しい証券ビジネスモデルを構築するため本提携に至りました。(両社プレスリリースより引用)

証券仲介プラットフォーマー

以前この提携を取り上げましたが、今日はもう少し深掘りしてみたいと思います。このビジネスモデルの強みは、以下のような感じです。
① 山陰合銀、ごうぎん証券は証券システムが不要となる
② 山陰合銀、ごうぎん証券は野村のノウハウを得てコンサル機能が強化される
③ 野村は顧客対応を合銀グループに任せ、店舗を廃止し要員配置を最小化できる

冒頭で引用したように、プレスリリースではこの新しいビジネスモデルについて「全く新しい証券ビジネスモデル」とかなり強気でアピールしていますが、会見ではややトーンダウンした感じに聞こえました。今のところ最強の証券仲介プラットフォームだと思われますが、一方で少し気になることも。

①の強み、つまり合銀やごうぎん証券がこの提携で捨てることになる証券システムのことなんです。地銀や地銀の証券子会社は通常独自に証券システムを構築することはありません。証券業務用に作られ、多くの証券会社等が利用しているシステムに便乗する形でシステム導入するんです。

中堅証券や地銀等で最も多く利用されているのがSTARⅣという証券システム。その数は50社以上と言われています。で、、、このSTARⅣというシステムを提供して稼いでいるのがNRIという会社。そう、野村総合研究所なんですね。今でも野村ホールディングスが筆頭株主です。

野村證券 vs NRI

合銀グループがSTARⅣを使っているかどうかは確認できていませんが、野村證券が今後もこのビジネスモデルを拡大していくと、NRIをはじめとした証券システム会社の事業領域が一社ずつ消えていくことになるわけです。これって悩ましいですよね。野村の会見でいまいち強気の発言がなかったのはこのせい?、、、とkuniは勝手に推測しています。