東証市場再編 3市場に集約 が、しかし、、、

金融庁は東京証券取引所の市場改革に関する金融審議会の報告書案を公表しました。現在ある5市場を、新一部(仮称:プライム市場)、スタンダード市場、グロース市場の3市場へ集約するというものです。この報告書を受けて、東証が本格的な検討に入るとのこと。

プライム市場の上場基準

上場基準の中に「流通時価総額基準」というものが。「流通株式数×株価」で計算される数値です。高株価だが流通する株式数が少ない。とか、流通株式数は多いが低株価。といった企業はこの基準に抵触することになります。この流通時価総額基準については、100億円を目途に検討することが考えられる、としています。

他にも流動性基準やガバナンス基準、収益基準といった基準について提言していますが、基本的に上場時の基準と退出(降格)時の基準を同一とするよう求めています。

で、問題は経過措置なるもの

利害関係者すべてに配慮した議論を行うとこういう結果になる、という典型的な結論がこの経過措置でしょう。現一部上場企業は、基準を満たしていなくても、「制度変更後も一定の条件の下、当分の間、プライム市場への上場・上場維持を基本的に認めることが適当と考えられる。」としている部分です。

流通時価総額を満たしていなくとも、より高いガバナンスについてのコミットメントを行う限りにおいて、、、上場維持を認める。とか、流動性の基準を満たしていなくとも、流通株式比率向上に向けた取組等を策定・開示することにより、今後の流通株式比率の向上に向けたコミットメントを行う限りにおいて、、、上場維持を認める。 みたいな。

大鉈を振るわなければならないときであれば、これまで野放図な一部上場を許して場口銭を得てきた取引所と、一部上場により利益を享受してきた「値しない」上場企業が、不利益を覚悟で取り組むんじゃないかな?既得権のオンパレード。ゆるゆるの改革案ですね。

日本フォームサービス 有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令(その2)

昨日は監査法人の話で終わってしまいました。日本フォームサービスも酷いですね。6月に公表された第三者委員会の報告書を読みましたが、正直言って上場するレベルの会社じゃなかったようです。すでに9月、前社長含む取締役3名、監査役3名いずれも退任してしています。

第三者委員会の報告書

報告書からいくつかご紹介。取締役会は事業報告には毎年度12回開催しているとし、議事録も存在するが、実際は毎年度3回ずつしか開催されていない。監査役会は毎年度4回開催されたことになっているが、実際は監査役会は開催されたことはなかった。凄いでしょ。

ワンマン社長が、社長ミーティングなる会議ですべてを指示してお終い。そのため議論するための会議は必要なし。こんな会社だったようです。社長ミーティングや経営会議の録音データの一部が残っていたようで、第三者委員会はこのデータに基づき、粉飾の手口を解明していきます。

しかし、、、なんで録音データなんか残ってたんでしょうね。一部には社長のやり方に反発する向きもあって、その証跡にと・・・。といった妄想してしまいます。

粉飾の手口としては、「仕入れの未計上」、「在庫の水増し」、「預かり在庫売り上げ計上のための偽装」、「収益の前倒し計上」、「費用の未計上」、「賞与引当金の過少計上」、「減損認識の操作」、「連結会社間の利益の付け替え」などなど。社長指示に基づき、経営陣も認識する意図的な会計操作の嵐です。

反面教師として

社長のトップダウンですべてが決まる危うい会社。このサイズの企業では決して珍しくないですよね。メリットもあるでしょうが、トップの暴走を止めるはずの取締役や監査役が全く機能していません。社外取締役についても、この会社は否定してきたようです。そりゃそうでしょうね。

コーポレートガバナンス・コードが求める様々な対応、、、何故そうした対応が必要なのかを考えるにあたり、とても良い例題になりそうな企業です。

日本フォームサービス 有価証券報告書等の虚偽記載に係る課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は12/6、日本フォームサービス株式会社に課徴金納付命令を発出するよう勧告を行いました。金商法に規定された重要な事項につき虚偽の記載がある有価証券報告書及び四半期報告書を提出したためですね。課徴金の額は2400万円です。

今年は多いなぁ

以前、すてきナイスグループや明豊エンタープライズについて取り上げたことがありましたが、今年は不適切な会計絡みの事件が多いなぁと思っていました。東京商工リサーチではこのことも調査していて、やはり過去最多になっているそうです。上場企業における不適切会計のこれまでの最多は2016年の57社でしたが、今年は11月末時点ですでにそれを上回り64社だそうです。

コンプライアンス意識が高まり、監査法人による厳格な監査が実施されるようになったことも、不適切な会計処理や役員・従業員による着服等が発見されるきっかけになってるのかもしれません。しかし、今回の日本フォームサービスについてはかなり事情が違っているようです。

監査法人大手門会計事務所

同じ12/6、公認会計士・監査審査会は、監査法人大手門会計事務所に対して行政処分その他の措置を講ずるよう金融庁長官に勧告しています。この会計事務所、今年の夏あたりまで日本フォームサービスの監査法人だったんですね。

勧告の内容も酷いもので、「監査報告書の提出期限内に、無限定適正意見を表明することを最優先と考え、職業的専門家としての正当な注意を払っておらず・・・」なんてくだりもあります。

この会計事務所、上場企業のクライアントを12社持っているみたいです。あえて企業名は書きませんが、クライアントは勧告の内容にあるような、なんでも無限定適正意見を出してくれるところを買ってるんですかね。

話が脱線しまくり、、、肝心の日本フォームサービスの話が書けなくなってきました。この続きは明日書かせていただきます。

金融、シニア専門人材の活用を 大原啓一氏

先日書いた記事、「独立系金融アドバイザー 業界団体設立 事務局は日本資産運用基盤グループ」をご覧になった大原社長から、コメントをいただきました。ありがとうございます。金融事業支援プラットフォームとして、日本の金融機関の構造改革を支援するという大きな使命に燃えてらっしゃいました。

実は結構読んでた

同記事でも書いたように、この会社のことは知らなかったんですが、大原社長の書き物は意外にkuniも読んでたみたいです。今日のテーマの「金融、シニア専門人材の活用を」というのも、大原社長が日経の私見卓見で書かれていた記事のタイトルです。10/18に掲載されたものです。

その中で書かれていたのが、年齢を理由に管理職ポストを外れた、コンプラなどの高度な専門人材を活用できていない。そうした人材を集め、地銀や中小金融機関でシェアする仕組みを提唱されています。素晴らしいですね。金融事業支援プラットフォームは同社でもそのサービスを開始しているようです。

あと、みずほ信託と提携して「投信運用業の参入支援 認可取得や後方事務一括で」とか、「投信事務丸ごと定額受託」というニュースも、同社のことだったようで、この記事も読んでました。しかし、企業名が記憶に残っていなかったんですね。失礼しました。

野村-合銀スキーム

また、大原社長は野村證券と山陰合同銀行の提携スキームも評価されているようです。以前、kuniもこの話題は2回にわたって当ブログでも取り上げました。このケースでは金融事業支援や商品提供のプラットフォームは野村が提供するわけですね。

IFAが次第に力を付けてきましたし、金融事業支援のプラットフォームも整備されつつあります。日本にもやっと資産運用を普及させるためのピースが揃ってきた感じです。kuniも応援していきたいと思います。

野村ホールディングス 新社長に奥田氏

12/3の日本経済新聞、この日の日経はよほどニュースがなかったらしく、1面トップは「データの世紀」。なんと連載記事がトップを飾ってました。そして、社説よりも小さめの記事でしたが、野村の新CEOについても1面で伝えています。

毎月型投信 見直し進む

いきなり脱線なんですが、この日の日経は何かおかしい。同じく1面に「毎月型投信 見直し進む」という記事もあるんですが、これがまた何を言いたいのかよく分からない記事なんですね。毎月分配型投信の変化を伝えたいのか、バランス型投信の人気を伝えたいのか。そもそもタイトルまで変。誰かに筆を入れられて訳わかんない記事になってしまいました、、、って感じです。

で野村ホールディングス

話を戻しましょう。野村ホールディングスの新CEO、奥田氏は投資銀行部門や海外部門での経験が長い人だそうです。このCEOの席を争ってきたのが、国内部門を担当する森田氏なんだそうで、この構図、気になった方は多いのではないでしょうか。

店舗閉鎖などの構造改革を進めてきた野村。現在6割ぐらいは進んだということのようですが、これが10割進んだとしても、追い付かないのではないかと思われるほど、手数料ゼロ化の荒波がどんどん迫ってきているようです。そんな最中にこの新CEOの発表。支店で働くリテール担当の従業員たちはどう感じたでしょう。

奥田氏は悪役?

支店リテール担当の人たちは、これから始まるであろうさらなる構造改革、つまりリストラや配置換えといった、かなり暗い未来を一気に見せつけられたという感じでしょうか。これは辛いものがあります。支店営業員の離反がさらに加速するかもしれませんね。

というか、リテール部門を相応に、かつロジカルに縮小していくには、これまでのしがらみのある森田氏ではなく、奥田氏を選んだということでしょうし、この決断自体が社内外に対するメッセージそのものなのかもしれません。そしてまた、例によって下位の証券会社にもこうした流れが伝わっていくんでしょう。厳しいっすね。