レオパレス21 債務超過回避 漏れるインサイダー情報

4~6月期の決算発表を9月末まで延期すると発表し、9/28には、2020年6月末時点で118億円の債務超過になる見通しと公表しました。そして、9/30、延期していた2020年4~6月期の連結決算を発表、最終損益は141億円の赤字となったことを公表します。が、しかし、、。

9月30日

日本経済新聞電子版は30日14時過ぎ、「経営再建中のレオパレスに対し、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループが支援する方針を固めた」と報じました。「出資や融資で合わせて約600億円を出すとみられ、債務超過を解消できる見通し」という報道。

結局、4~6月期、最終損益が141億円の赤字となり、6月末時点で118億円の債務超過になるという決算開示よりも先に、フォートレス・インベストメント・グループの支援のニュースの方が先に出ちゃってるんですね。このニュースに株価は反応し191円のストップ高まで買われています。

債務超過や最終損益については9/25に報道が先行。9/28にはレオパレス21が数字を訂正して開示。フォートレスの支援に関しても9/30の14時に報道が先行させておいて、同日引け後に公表。な~んか、情報の洩れ方というか、出し方が気に入りません。

インサイダー情報

どうやらレオパレス21が独自にやっていることではないんでしょうね。しっかりしたアドバイザーが付いてそう。それにしてもこのところの内部者情報の洩れ方は酷いですね。NTTがNTTドコモをTOBで完全子会社化するというニュースもそうでした。

ドコモもレオパレスもその日の取締役会で決議する予定の議案が漏れているわけです。ボードメンバー辺りからマスメディアへ流れるこうした情報。いったい情報管理はどうなっているんでしょう。現行法では違反とまでは言えないかもしれないですが、、、。メディア絡みでこっそり儲けてる輩がいるはずです。

Nuts 外部調査委員会の調査報告書

先日、破産手続開始の申立て及び破産手続開始決定を公表したNuts。9/28、やっと外部調査委員会の調査結果報告書が開示されました。今さら、、、ではありますが、事実は知っておきたいですよね。おおよそ予想されていたような結果なんだけど。

「偽計」又は「風説の流布」に当たる

委員会の出した結論は、問題となったIRの開示は、有価証券の取引等のため、又は相場の変動を図る目的をもって、他人に誤解を生じさせる不公正な策略や手段を弄したものと評価でき、金商法第158条の「偽計」又は「風説の流布」に当たる疑いがあるものと認めた、です。

破産手続きの申し立てを行った森田氏(元代表取締役)ですが、この人が主犯です。「当時公表した業績予想は客観的事実に反し、合理的な根拠に基づいていない」、とバッサリ。さらに別の大株主から借りた同社株式を、IR後に急騰した株価で売却して現金化していることなども示されています。

余談ですが、森田氏に相場の変動を図る目的があるとして、Nuts株式を売却している旨を書いてる部分(P18)、2ヶ所の記述(売却した数量)が間違っています。正式な調査報告書ですから、修正された方が、、、。他にも誤字脱字がいくつか。。。

会員制医療施設に関する売上

この会員権を78口販売したとして、売上げに計上していましたが、そのうち74口の販売は架空取引と認定。他社から調達した資金を会員権代金と称して外部から入金するなどして、売上げ入金の偽装を繰り返していたようです。で8億円が消えてしまったと。。。

会計監査法人まで

森田氏は、Nutsの会計監査法人である監査法人元和の統括代表社員公認会計士も抱き込んでいたと思われる、と推測する記述もちょっとだけありました。それ以上突っ込んだ記載にはなっていませんが。一部にラスベガスのカジノ旅行に接待されていたなんて話も聞いた記憶が。。。

サクサホールディングス 上場廃止カウントダウン

連結子会社のサクサシステムアメージングで不適切な会計処理(架空取引も)があったとして、特別調査委員会を設置して調査を実施しているサクサホールディングス。提出期限の延長承認を受けていたその期日までに有価証券報告書(四半期報告含む)を提出できそうにないと発表しました。

提出期限9月30日

20年3月期の有価証券報告書の本来の提出期限は6月30日。関東財務局に提出期限の延長を申請し、承認されたのが9月11日。それでも提出できそうもないということで、再延長の申請。再延長後の提出期限は9月30日となっていました。

で、9/28付でこの期限にも提出できない見込みとなったことを公表。これを受けて、東証は同社を監理銘柄(確認中)に指定、9/29の同社株は急落。204円安となっています。

この日の説明では、サクサシステムアメージングにおける不適切な会計処理の疑義、同社の連結財務諸表においても重要な虚偽の表示がなされる可能性のある疑義となっている。

とか、新たに発覚した事象に関する事実関係の調査、類似取引の有無の調査等による事実関係の解明に想定以上の時間を要している、、、などと説明されています。

監理銘柄(確認中)

監理銘柄(確認中)という指定があるんですね。東証では「有価証券報告書及び四半期報告書について、法定提出期限までに提出できる見込みのない旨の開示を、当該最終日までに行っているときに該当するため」、と説明されています。そしてさらに、、、

「延長承認を受けた法定提出期限(9/30)の経過後、休業日を除き8日目の日(2020年10月12日)までに提出しなかった場合、当取引所は同社株式の上場廃止を決定します。」とも。残り2週間ほどですね。何とか上場を維持できるのか。。。そんなに早く決定するんだ。

海帆(3133) 臨時株主総会の開催日延期に関するお知らせ

臨時株主総会招集のお知らせを7/23に開示し、9月中旬に開催予定としていましたが、9/17、開催日の延期を発表しています。この臨時株主総会に関わる付議議案の確定に時間を要するため、、、だそうです。かなり厳しい事情になっているようです。

なつかし処昭和食堂

海帆(かいはん)は、居酒屋(「なつかし処昭和食堂」など)を中心とした、飲食店舗の企画開発及び運営を事業とする東証マザーズ上場会社です。他の事業はなく純粋な外食産業ですね。今回のお知らせは臨時株主総会開催延期の件ですが、ほかにもいろいろ、、、このところの同社の足取りを見てみました。

2019年12月23日 ノロウイルスによる食中毒事故発生に関するお詫び
2020年03月31日 第三者割当による普通株式の発行
2020年05月11日 役員報酬の減額に関するお知らせ
2020年05月15日 継続企業の前提に関する事項の注記についてのお知らせ
2020年06月30日 第三者割当増資に係る資金使途変更に関するお知らせ
2020年07月09日 債務超過の猶予期間入りに関するお知らせ

昨年12月の食中毒事故発生からどうもおかしくなってきています。第三者割当による2億円の増資は、代表取締役個人に割り当てたものです。業態変更のための改装資金やM&A資金を使途とした資金調達のはずでした。

ところが新型コロナウイルスの感染拡大で資金繰りが苦しくなり、6月には資金使途の変更を公表します。この2億円、ほとんどが人件費と地代家賃に充当されてしまいました。そして20年3月期末をもって314百万円の債務超過に。東証からも上場廃止に係る猶予期間入り銘柄に指定されます。

よく見ると新型コロナ以前、少なくとも2018年3月期から赤字を拡大させてきており、同期間の売上高も大きく減少してきています。そこへ今期はコロナも、、、相当ヤバい状況ですね。

SPAC(Special Purpose Acquisition Company:特別買収目的会社)

9/18付け日本経済新聞で、SPACを使って資金を調達し、社会的な課題の解決に取り組もうとする動きを紹介していました。SPACは日本では特別買収目的会社と呼ばれます。ただし、日本ではまだ解禁されていませんので、もっぱら米国や英国の話題です。

とりあえず理解

SPACとは、それ自体は特定の事業を持たず、主に未公開会社を買収することのみを目的として取引所に上場する株式会社です。つまり、箱だけの会社に投資家たちは資金を投資し、集まったお金で有望な会社を買収するというスキームです。

投資家にとっては将来どんな会社を買収するのか分からないわけですから、SPACの買収の選別眼だけが頼りです。例えば、ソフトバンクの孫さんがSPACを上場させる、、、と聞いたら投資してみたくなりますよね。孫さんの先見性にすべてを賭けるわけです。

やや古い資料からですが、SPACは上場して買収企業のアナウンスまでに平均約12カ月、買収の完了までに20カ月ほどかかっているそうです。少しイメージ沸いてきたでしょうか。

そして、企業の買収後は多くの場合、SPACは社名を被買収企業の社名に変更して、取引所での上場を維持します。被買収企業からみると、多くの時間やコストのかかる伝統的なIPOよりも、SPACに買収してもらい、同時に上場というステータスも手に入れる方が効率が良いわけですね。

投資家にしても、投資から回収まで数年以上を必要とするプライベートエクイティよりも、短期間で資金回収できるところが受けているようです。

米国で上場ラッシュ

SPACのメリットを書いてきましたが、デメリットももちろんあります。冒頭に書いたようにすべてを任せてしまうわけですし、買収企業も1社ですから、分散投資にはなりません。箱だけ上場しておいて、後から買収した企業に化ける、、、なんてのもなんとなく腹落ちしないというか。。。

米国では今年7月末までで50社を超えるSPACが上場。2兆円の資金を集めているそうで。基本的にバブルの感触があるんですよね。何かに浮かれて、そのほかのリスクが目に入らないような、、、そんな仕組みじゃなかろうかと。