ワイエスフーズ 代表取締役がヨシムラ・フード・ホールディングス株式でインサイダー取引

株式会社ワイエスフーズ(上場しているワイエスフードとは別の会社)の代表取締役が、2023年に行ったヨシムラ・フード・ホールディングス株式の買い付けに対して、証券取引等監視委員会はインサイダー取引であるとして、札幌地方検察庁に告発しました。

インサイダー取引の概要

ワイエスフーズは北海道でホタテの加工を行う非上場企業でした。2023年にこの会社を上場企業のヨシムラ・フード・ホールディングスが買収(株式を譲り受ける)するという事実を知りながら、当該事実が公表される前にヨシムラ・フード・ホールディングス株式を買い付けたというもの。

つまり、自身が経営する会社を買収しようとする上場企業の株で儲けたって話ですね。普通は買収される側の株式でインサイダーが起きるものですが、このケースは反対です。ヨシムラ・フード・ホールディングス株式は800円くらいの株価が事実公表後に1500円近くまで上昇しています。

いわゆるホタテ長者が、中国が日本からの輸入の全面停止に踏み切る直前に身売りし、ついでにインサイダー取引でも儲けていたという事案。そしてさらに、この代表取締役、知人3名にもこの情報を伝えて儲けさせています。

地検への告発

通常のインサイダー取引では、金融庁長官等に対して課徴金納付命令を発出するよう勧告しますが、当事案は金融商品取引等の公正を害する悪質な行為であるとして、地検への告発となっています。

三井住友信託銀行の元行員インサイダー取引 3千万円超の利益?

昨年11月に行員のインサイダー取引の疑いを公表した三井住友信託銀行。1/17の報道によるとこの行員は3,000万円超の利益を得ていたということです。

おさらい

行ったインサイダー取引は複数回で、行員が10月30日に会社に申し出たことで発覚したということでしたね。翌日の11月1日付で懲戒解雇になっています。この時点では行員の立場や取引の内容、どのくらいの利益を得ていたかなどの情報は公表されていませんでした。

取引等の概要

その後の報道ではそれらの情報が伝えられています。まずこの行員は信託銀行の中枢であり、資本市場の管理人でもある証券代行部門の営業部隊に所属していた部長職。そして、取引は企業のTOB(株式公開買い付け)情報に基づいて株式を売買していたということ。複数回の株取引をした結果、3千万円超の利益を得たとみられるとのこと。

昨年末に相次いだインサイダー取引。金融庁出向中の裁判官、東証の職員、そしてこの三井住友信託銀行の行員、いずれもTOBに関する情報をその職務を通じて知って行為に及んでいます。

金融庁の件も東証の件もインサイダー取引で得た利益は数百万円でした。に、比べると3,000万円超の利益ってデカいですね。いったいどのくらいの元手で取引してたんでしょ。相当金融資産持ってたのか、どこかから融資受けてやってたのか、信用取引でレバレッジ効かせてたのか・・・。

LINEヤフーの韓国従業員にインサイダー取引で1,464万円の課徴金納付命令

証券取引等監視委員会は1/17、「株式会社出前館との契約締結交渉者の従業員から伝達を受けた海外居住者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。

事案の概要

出前館 との資本業務提携交渉に関わっていたLINE従業員から事前に情報(LINEを引受先の一つとする第三者割当増資を行い、同社と資本業務提携する)を得て、出前館株の取引を行ったというもの。課徴金の額は1,464万円です。

納付命令を受けることになるのはラインヤフーの韓国子会社の従業員で、家族名義で約1,108万円で買い付けを行っていたとのこと。

非居住者であっても

韓国からの買い付けということで、韓国の証券会社を通じた取引だと思われますが、こうしてちゃんと調べられ、インサイダー取引が見つかってしまうわけです。

監視委員会の公表文の最後のところに、「本件については、香港、大韓民国、シンガポール、タイ、アメリカの各金融規制当局から支援を受けている。」、「 また、日本取引所自主規制法人から提供された情報等も参考として、実態解明を行ったものである。」と書かれています。非居住者(海外からの買い付け)であっても、、、見つかっちゃうんです。

金融庁職員、東証職員とその親族 東京地検特捜部が在宅起訴

東京地検特捜部は昨年12/25、インサイダー取引をしたとして金融商品取引法違反の罪で金融庁職員(裁判官で出向中)を在宅起訴、さらに別件で東証職員とその父親を在宅起訴しました。

金融庁職員

金融庁に出向していた裁判官の被告(32歳)は職務を通じて知ったTOBの未公開の情報をもとに、去年4月から9月にかけて自分名義で10の銘柄を、合わせて952万円分買い付けていたとのこと。数百万円の利益を得ていたといいます。

東証職員とその親族

東京証券取引所の「上場部」に所属していた社員(26歳)は、TOBに関する未公開の情報を父親(58歳)に不正に伝えていたとのこと。父親は、この情報をもとに3銘柄の株、合わせて1707万円分を買い付け、やはり数百万円の利益を得ていたということです。

インサイダー取引は必ずばれるよ

未公表の重要事実が公表され、株価が急騰(または急落)したケース。監視委員会は必ず当該銘柄の急騰直前の買い付け者(または急落直前の売り付け者)をリストアップします。もちろん証券会社の全面的な協力のもと。さらに、証券会社が把握している当該顧客の属性についても監視委員会に提出されるのです。

金融商品取引法に定められる法定刑は、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又はこれを併科です。インサイダー取引の番人であるはずのこいつら3名はもっと重い刑に処すべきですね(そうは出来ないけど)。

株式会社 Iーne インサイダー取引の疑いで社外取締役が辞任

株式会社 Iーneは11/29、「社外取締役による社内規程違反に関するお知らせ」と、「社外取締役の辞任に関するお知らせ」を公表しました。社内規程に基づく事前承認手続きを経ずに2024年11月6日に同社株式を売却していたということです。

株式会社Iーne

Iーneはヘアケア製品や美容家電などを開発し、通販サイトやドラッグストア、家電量販店などを通じて販売する東証プライム上場企業です。自社で製造拠点は有さず、製造は外部に委託するファブレスメーカーで、主力ブランドはシャンプー等のヘアケア製品を中心とする「BOTANIST(ボタニスト)」。

辞任の理由

社内規程に基づく事前承認手続きを経ずに2024年11月6日に同社株式を売却。この売却が社内規程で定める売買禁止期間中の売却取引だったということです。決算発表が近くなると、インサイダー取引を疑われかねないため、多くの会社が社内規程で売買禁止期間を設けています。

売却した11/6の同社株は終値で2,057円、その後11/8に決算発表しており、その翌日の株価は終値で1,880円となっています。明らかにこの後発表する決算内容が良くないことを知りながら売り抜けようとした。という見事なインサイダー取引ですね。ただ、同社的には、この事実を把握し、開示を行うとともに監視委員会へも報告しているようで、対応は見事です。

この社外取締役、結構有名な経営コンサルタントのようで、ファミリーマートやスマートニュースなどでも要職につかれています。過去にはマクドナルドでも。まぁ、全部辞任するしかないでしょうね。