日本M&Aセンターホールディングス 子会社で不適切会計 社内調査を開始

日本M&Aセンターホールディングスは12/20、「当社連結子会社の売上の期間帰属等に関する調査のお知らせ」を公表しました。同社の連結子会社である株式会社日本M&Aセンターの売上の期間帰属等に関して疑義のある事象が判明したということです。

日本M&Aセンターホールディングス

日本M&Aセンターホールディングスは、国内の中堅・中小企業のM&A(合併・買収)というニッチマーケットに特化し、M&A仲介や企業再編支援などを手掛ける企業。主力業務のM&A仲介では、地域の主要会計事務所を地域M&Aセンターとしてネットワーク化しています。東証1部上場企業で、2021年、持株会社体制へ移行しています。

不適切会計の概要

日本M&Aセンターでは四半期ごとに、同社が仲介者として担当する業務のM&A成約等に伴い売上認識をしていますが、社内での確認の結果、同社の社内報告において一部不適切な報告が発見されました。

現時点の同社での認識では、各四半期の売上計上の期間帰属等の、いわゆる期ずれを中心とする影響があるのではないかということです。この事案の事実関係解明のために、同日から外部専門家の協力のもとに、過去5年間の社内調査を実施することになりました。

同調査については、同社2022年3月期第3四半期決算短信の発表前(2022年1月28日予定)までに調査を終える考えだといいます。

株価の方は

この開示を受けて翌日の同社株価は327円安の2,698円と急落しています。翌22日も一時200円安まで売られており、「いわゆる期ずれ」程度のお話のわりに下げが大きくなっています。「誤った会計処理」にとどまらない問題も出てくるのかもしれませんね。

株式会社EduLab その後音沙汰なし?

12/16の日本経済新聞に、「不正会計に動けぬ東証 エデュラボ発覚から2カ月 手続き慎重、『空白』長引く」という記事が。上場前からの不正会計が発覚したEduLab(エデュラボ)ですが、すでに8月の調査委員会設置から4カ月、不正会計発覚から2カ月が経過しています。

記事の概要

日経が問題提起しているのはEduLabに対して、東証が何らアクションを起こせていないことに対するものです。問題提起は確かにその通りではありますが、新たな事実関係が何もつかめないでいるところだけに、東証の立場も理解できます。特別調査委員会の最終報告書は12月下旬の見込みとされていますが、、、そりゃぁ、動けんわなぁ。

EduLab その後の開示

特別調査委員会の中間報告書受領後、EduLabは11/26、「会計監査人の異動に関するお知らせ」を公表しています。架空取引の存在疑義まで指摘し、監査報告書の意見不表明や、結論不表明を示していた会計監査人のあずさ監査法人が、とうとうEduLabを見切った形ですね。

同開示では、「EduLabと会計監査人両者の信頼関係の低下」という表現が何回か出てきます。で、会計監査人を降りることになったということです。しかし、これはこれでどうなんだかなぁという感じはします。ここまで会計不正を見抜けなかった会計監査人、その責任の取り方という点は気になります(もめにもめた結果だろうということは理解しますが)。

いやぁ、ドロドロになってきましたね。一方、同社株価はというと、上場来安値を着実に更新中です。8月の調査委員会設置から約4カ月になりますが、株価は4分の1(1100円台)になっています。昨年高値からみると約10分の1です。さてさて、どうなりますやら。

清水建設 ビルを巨大な電池に

昨日取り上げた清水建設ですが、今日は第2弾。2021年5月に竣工した金沢市内のオフィスビル。電力に換算すれば180世帯が1日に使うエネルギーを貯蔵できる水素タンク群をビルの中に備えているとのこと。なんかこの会社、新しいことにかなり積極的に取り組んでますね。

水素タンク

北陸地方初の「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」評価を受けたというこのビル。金沢市の市街地に建設した同社の北陸支店新社屋らしいです。太陽光による発電とリチウムイオン電池による蓄電、さらに水素を活用した電力の貯蔵で電力を自給自足するシステムだそうです。

建物に水素を貯蔵するとなるとどうしても安全性が気になりますが、同社が進める水素タンクの貯蔵には、水素を効率よく、かつ安全に、長期間にわたって貯蔵できる「水素吸蔵合金」が使われているとのこと。合金に火を近づけても燃焼しない配合を開発し、レアメタルを必要としない合金が開発されたそうです。

貯蔵した水素を利用する際には、最大出力100キロワットの燃料電池に水素を供給して電力に変換するそう。同北陸支店では停電時に72時間は最低限の電力を供給できる計算らしいです。

清水建設は今後、水素貯蔵装置や燃料電池などをコンテナに収めた、運搬可能なシステムの提供も検討するようです。ゼネコンの殻を破って新しい業態へ進化していきそうな感じですね。もちろん他のゼネコンも同様の技術を研究しているでしょう。まだまだ、清水だけが一人勝ちというわけにはいかないでしょうが、目の付け所は良い感じです。

今のところはビルをバッテリーにしてしまうという発想ですが、安全性に問題がないのであれば、いずれ一般家庭にもという流れが出てくるんでしょうね。

大和証券 元従業員が顧客リストの窃盗容疑で逮捕

大和証券グループ本社は12/1、「当社元社員の逮捕について」を公表しました。適時開示をしていないため、気が付きませんでした。大和証券元社員(2019年7月退職)がお客様情報を社外へ不正に持ち出したとして、窃盗の容疑で福岡県警察に逮捕されています。

逮捕の容疑

2020年4月に同社姫路支店に、顧客リストを持っているとの連絡があり、情報流出が発覚したもの。同社では事態を公表するとともに警察へ被害届を提出、捜査に協力してきたといいます。12/1に1年半かかって窃盗の疑いで元従業員が逮捕されました。

大和証券福岡支店の顧客約170人分のリストを盗んだとして逮捕されたわけですが、他にも255人分の情報があるとのことで、合計426人分の顧客情報を持ち出していました。顧客リストには、氏名、性別、年齢、住所、電話番号、職業、口座番号、お預かり資産額、金融資産等が記載されているそうです。

同社によると、現在のところ、具体的な被害が発生しているという顧客からの申し出はないとのこと。しかし、金融機関でこれだけの情報が揃っているとねぇ。顧客にとってはたまったもんじゃありません。

再発防止策に、「印刷の制御、書類管理状況の点検強化、印刷履歴に関するシステムの高度化及び点検体制の強化」といったことが書かれているんですが、顧客管理システムにおける「印刷の制御」、すらできてなかったの?いまどき。って感じです。

ちなみにこの容疑者、逮捕された時の現住所は東京都港区六本木2丁目となっています。また、ずいぶんとド派手な場所に住んでますねぇ。容疑者は黙秘しているということですが、426人の顧客名簿でこんな派手な生活ができるとは思えませんし、、、他にも余罪があったりします?

GFA 株式会社 CLUB CAMELOT におけるメタバース事業開始

GFA 株式会社は11/26、「イベント日程の延期のお知らせ」を公表しました。10/6に公表していた「CLUB CAMELOT におけるメタバース事業開始のお知らせ」で、11月に開催としていたメタバース記念イベントの日程を延期し、来年1月に開催することになったということです。

『CLUB CAMELOT』メタバースオープニングコンテンツ正式決定のお知らせ

一方で同じ日、同社のホームページでは「『CLUB CAMELOT』メタバースオープニングコンテンツ正式決定のお知らせ」が公表されています。適時開示では1月としているのに、ホームページ上でのお知らせでは12/20から開催となっています。はぁ、こちらはオープニングイベントで、本開催は1月ということですかね。

同社が定義するメタバースは、「インターネットに繋がった3次元のバーチャル空間で、ユーザー同士が様々なコミュニケーションやコンテンツを楽しめる世界を指します。」としています。

そのメタバース空間において、著名DJのパフォーマンス、スポンサー企業の展示やグッズ販売、イベント限定NFTの販売キャンペーン等を企画しており、また、アプリを活用してゲスト同士のコミュニケーションが促進される仕掛けを準備中、なんだそうです。

株価の方も

「メタバース」、「NFT」と、今なにかと気になるワードが踊ってますねぇ。なんか面白くなっていきそうですが、kuniにはかなりハードルが高そうです。

これらの公表を受けてでしょうか、11/29の株式市場では全体が大きく売られる中、167円(前日比13円高)で寄り付きました。13円高といっても、8.4%高ですからね。投資家は反応していますよ。

今後もメタバースに関する話題は取り上げていきたいと思います。皆さんの何かのお役に立てれば良いのですが。