SMBC日興証券 相場操縦の銘柄さらに拡大

日本経済新聞は3/19、「別の5銘柄も相場操縦か 東京地検、SMBC日興幹部を追及へ」と報じました。元エクイティ部長ら4人が金融商品取引法違反容疑で逮捕された相場操縦事件で、逮捕容疑の5銘柄とは別の5社の株式についても捜査が及んでいるようです。

ブロックオファー

前回取り上げた際にも書きましたが、たった5銘柄だけの話ではありませんでした。まぁ、当然でしょうけどね。逮捕容疑の5銘柄として、小糸製作所やモスフードサービスなどの名前が挙がっていましたが、これら銘柄の売りについて、SMBC日興証券を選んだ株主(株を売却する顧客)も同じ穴の狢ってところです。

他の証券会社より即決で、かつ価格決定日の株価が大きく売られることも少ない業者(業者が市場で株価を買い支えるため)。という良い条件を提示するSMBC日興証券を選択したわけですよね。

売り方としては心強い業者ですが、引け際に出される売りが増加し、株価は下げないけど出来高は増加。不自然さは感じていたと思います。もちろん、ブロックオファーの噂を聞きつけて、引け際にカラ売りを出してくる投資家も問題ですけどね(こういう情報がどこから漏れているのかも闇だなぁ)。

東京地検

東京地検特捜部は18日、金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で刑事責任を追及する方針を固めたそうです。過去にもいろいろとやらかしてきた会社だけに、監視委員会も目を付けてきた企業。地検特捜部も本気っぽいですね。

株式会社ジャストプランニング 証券取引等監視委員会がインサイダー取引で

証券取引等監視委員会は3/18、「株式会社ジャストプランニング役員から伝達を受けた者による内部者取引に対する課徴金納付命令の勧告について」を公表しました。インサイダー取引で課徴金納付命令を受けたのは、同社役員の知人のようです。

株式会社ジャストプランニング

ジャストプランニングは外食企業向けに、店舗業務管理システムおよび物流ソリューションの提供を軸としたアウトソーシング業務を展開する企業。売上・勤怠・発注を管理するシステムの提供から、流通機能全般の一括受託までを手掛けるジャスダック上場企業です。

インサイダー取引の概要

ジャストプランニングの役員から、①株式会社オージス総研がジャストプランニング株式を公開買付けに準ずる行為を実施するという事実、及び②オージス総研と業務上の提携を行うことについての決定をした旨の重要事実の伝達を受けながら、役員の知人男性がジャストプランニング株式を買い付けたというもの。

事実の公表がされた令和2年6月30日より前の5月21日から6月29日までの間、自己及び第三者名義の証券口座で、ジャストプランニング株式合計11万4,700株を、買付価額合計5,051万950円で買い付けていました。

この知人男性は同社株を売却し、約1千万円の利益を得ていたということです。役員に、男性に利益を得させる目的は認められないと見ているようで、御用となったのは知人男性のみですね。この違反行為に対し、金融商品取引法に基づき納付を命じられる課徴金の額は、1,922万円です。

ジャストプランニングも同日このことを開示していますが、同社の元役員が・・・と表現しています。当時の現役員であることをちゃんと開示すべきですね。この会社2018年にも社長の不正行為が起きているようで、かなり問題のありそうな会社のようです。

北弘電社 大丈夫かこの会社

四半期報告書が提出できず、取引所から監理銘柄にも指定されていた北弘電社。その後提出を完了し、監理銘柄指定も解除されました。当ブログで以前取り上げたのは第1四半期報告書をめぐっての騒動でしたが、2月に第3四半期の決算を公表してました。

第3四半期決算

2/14に第3四半期決算短信が出ています。昨年10月に公表していた通期の予想では、経常利益18億円の赤字を見込んでいたんですが、この2月時点では経常利益27億円の赤字予想と、やはり大きく悪化しています。純利益では28億円超の赤字予想。

さらに、前期末に31億円あった同社純資産が、第3四半期末時点で47百万円となっています。純資産のほぼほぼすべてを吹き飛ばしてしまったわけです。昨年10月時点でさらに酷いことになるのではと予想はしていましたが、やはりそういうことに。

想定外のトラブルや災害などの影響で工期が伸びてしまうと、このての事業はあっという間に赤字が拡大してしまいます。通期の決算発表は5月だと思いますが、さらなる悪化があってもおかしくありません。

株価 1,900円台

kuniはサクッと株価をチェックする場合「株探」さんを使うことが多いんですが、札幌市場に上場しているこの北弘電社の株価はカバーされていません。「札証の株価は提供しておりません」だそうです。なので株価はチェックしていなかったんですが、今でも1,900円台もしてます。

まぁ、3,000円台から落ちてきた株ですから、半値くらいにはなってるんですけどね。今期大幅な赤字を計上しそうで、期末に債務超過になる恐れも十分あって、それで1,900円台は驚きですね。まぁ地元の名門などの安定株主ががっちり保有していて、売りものなんか出てこないんだろうけど。しかし、不思議です。

ナカバヤシ 減免された課徴金で自己株式の取得?

ナカバヤシは3/14、「自己株式の取得及び自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)による自己株式の買付けに関するお知らせ」を公表しました。翌日には自己株式の取得完了のお知らせを出しています。

自己株式の取得

公表された取得の内容は、3/14の終値500 円で、280,000 株(上限)を買い付けるというもの。買付金額は総額 1億4,000万円(上限)となっています。翌日公表された結果では取得株数は274,400 株で、1億3,720万円の買い付けとなったようです。

ねんきん定期便談合

先日、3/3に公表された、ねんきん定期便談合について取り上げました。違反事業者は全部で26社。課徴金総額は 17億4,161万円という事件でしたね。課徴金納付命令対象事業者数は24社。ナカバヤシは3億1,071万円の課徴金を喰らってました。

実はこの3億1,071万円、課徴金減免制度が適用されていて、30%減額された金額なんですね。減額されていなければ4億4,387万円でした(本来の課徴金額ではナカバヤシがトップ)。1億3,316万円減額されていたということです。

株主へのお詫び?

あの事案から10日ほど経って公表されたのが、今回の自己株式の取得というニュースだったわけです。自己株式の取得にかかる金額が1億3,720万円。減免された課徴金の額が1億3,316万円。妙に金額が近いんですよね。

そもそも課徴金として国庫に納めるはずだったこの資金。談合という失態で株主に大きな迷惑をかけてしまったこともあり、この資金で自社株式を取得して株主価値を向上させ、お詫びしよう。そう考えたのかもしれませんね。いやいや、kuniの勝手な想像ですよ。

日野自動車の次は いすゞ自動車は大丈夫か

先日、当ブログでも取り上げたように、日野自動車がエンジン性能を偽る認証不正を公表しました。公表後、同社株価は2日間で241円の下げ。公表直前の株価から26.9%の下げとなりました。エンジン性能にも問題があるということですから、しょうがない下げですかね。

下落率を検証

2日間の下げには日経平均株価の急落も影響しています。ウクライナ問題や原油高などの影響を受け、2日間の日経平均の下げは1,194円安で4.6%の下落でしたから、やはり日野自動車の下げは強烈でした。

一方で、もう一つ気になる動きをしたのがいすゞ自動車株式です。同じ2日間で234円安しており、下落率は15.4%でした。日野自動車ほどではないにせよ、日経平均の下げ率の3倍以上です。

業界の常識?

皆さんのご記憶にもあると思いますが、自動車業界って不正が出てくると芋づる式に同業他社でも出てくるんですよね。少なくとも過去はそういうことを繰り返してきました。国内の普通トラックではシャアを争うトップ2の両社ですから、「いすゞでも同じことが・・・?」という連想が働いたとしても不思議ではありません。

公表から3日目以降は、日野自動車が続落する一方で、いすゞ自動車は自律反発しています。が、横並び意識の強いこの業界、この後いすゞ自動車が「弊社でも実は・・・」という発表があってもおかしくありません。当面同社(その他の自動車会社もか)からは目を離せませんね。