吉野家ホールディングス 常務取締役を解任(その2)

吉野家ホールディングスは常務取締役解任の公表後、代表取締役社長の役員報酬減額を公表しました。固定報酬 30%を3カ月間減額するという内容です。その後も吉野家に関しては様々な方がいろいろな意見を発信されてますね。まだまだ炎上は続きそうな気配です。

生娘をシャブ漬け戦略

男に高い飯を奢って貰えるようになれば、牛丼なんて絶対に食べないから、田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする。という意味のようですが、自社の看板商品をそんなふうに見ていたんですかね。

高級フレンチにも牛丼にも同様に魅力はあると思うのですが。自社の商品をそんなふうに見てきたからこそ、吉野家は過去に一度倒産しています。安さがウリと言わんばかりに商品の質を下げてしまったから。今回も同じカルチャーが起こした事件ですよね。

男性でも一緒

今回は女性蔑視という意味で炎上した面もあるようですが、彼らのカルチャーは女性にとどまらないみたい。当の吉野家の元常務は、男に対しても「家に居場所のない奴が来る」とか言ってたそうな。男性、女性に関係なく、自社の商品を貧乏人や世間知らずの人間に食わせる商品のように考えてきたようです。

このカルチャーが変わらない限り、この会社の再生は難しそうです。こんな状況でお店で働いている人たちはどう感じてることでしょう。吉野家で働けている人たちは、すぐにでもすき家や松屋で働けそうだし、従業員やバイトの人達の離散も増えそうです。

これ、マジで2回目の倒産とかあるかもしれない。などと感じている次第ですが、同社株価の方は意外に落ち着いています。

決算短信と四半期報告書の一本化(その2)

財務・金融相は4/15、金融商品取引法で企業に開示を義務付けている四半期報告書について、四半期ごとにまとめる決算短信に一本化する意向を示しました。今後、金融庁の金融審議会で詳細を検討し、5月にもとりまとめるということです。

決算短信が存続

結論としては、金融商品取引法が上場企業に義務付けてきた四半期報告書を廃止し、証券取引所の規則が義務付けている決算短信の方を存続させるということになったようです。法律を改定して取引所規則の方を存続させるわけですね。

つまらない小手先の改正等を行って両方が存続するという最悪の結果にはならなかったということで、、、まぁ良しとしましょう。行政がしゃしゃり出るのではなく、上場企業への管理や指導は取引所に任せる、という考え方でしょうかね。これはこれでありだと思います。

今後の予定

このあと、金融庁の金融審議会で議論をとりまとめ、早ければ2023年の通常国会に金融商品取引法の改正案提出を目指すそうです。実際に四半期報告書の開示義務がなくなるのは24年度以降になる見通しとのこと。

四半期報告書は無くして一本化すれば、企業の負担が大幅に減るとみているということですが、金商法で開示を義務付けている有価証券報告書(年1回)については継続する意向だそうです。

金商法が求める四半期報告書は廃止ということですが、四半期開示という考え方(制度)そのものは維持する方向だそうです。まぁ、とりあえず上場企業の経理部等の実務者たちには朗報ですね。

日野自動車以外は不正なし?

日本経済新聞は4/9、「日野自以外『不正なし』  トラック・バス6社、調査結果を報告」と報じました。国土交通省は国内で型式指定を取得しているトラックとバスの生産や販売、輸入を手がける7社に対し、日野自と同様の不正がなかったか調査と報告を求めていたということです。

6社は不正なし

報告を求められていた7社のうち、いすゞと三菱ふそうのほか、UDトラックス、トヨタ自動車、日産自動車、ヒョンデモビリティジャパンの6社については、自社の排ガス評価試験などで不正は見つからなかったとのこと。

ただ、1社だけ、スカニアジャパンは報告を提出したうえで、「国交省の公表前の回答は控える。調査には全面的に協力している」と述べ、詳細を明らかにしなかったそうです。なにやら気になる対応を見せてますね。スカニアは北欧スウェーデンを本部とする世界的なトラック、バス、産業用エンジンメーカーです。

国交省による報告命令の内容が分からないので何とも言えませんが、「日野自動車と同様の不正がなかったか」という質問だとかなり調査報告の対象範囲が限られますよね。日野と似てはいるが同じではない不正については、報告が上がってこない可能性もありそうです。

とりあえず不正なしは朗報

とまぁ、詮索してしまうわけですが、業界にとってはとりあえず朗報。いすゞ自動車株式は4日ぶりに反発して、この記事を書いている時点で1500円台を回復しています。しかし、この業界で「次」が出てこないのって、かなりレアなことですよね。個人的にはまだまだ信用していません。

豪裁判所 トヨタ車に欠陥があったと認める判決

日本経済新聞は4/7、豪裁判所がトヨタ自動車のピックアップトラック「ハイラックス」などのディーゼル車向けの粒子状物質低減装置(DPF)に欠陥があったと認める判決を出した、と報じました。

対象車種など

対象となった車種は、2015年10月から20年4月にかけて販売されたハイラックス、多目的スポーツ車(SUV)「フォーチュナー」、「プラド」とされており、DPFに欠陥があり、排ガスから悪臭が生じ燃費も低下したといいます。

判決で連邦裁は、約26万台について欠陥があると認定。消費者が支払った平均価格の17.5%の価値が毀損されたとしたそうです。対象車種を購入したすべての消費者がトヨタに支払いを求めた場合、トヨタの支払額は20億豪ドル(約1800億円)を超える可能性があるとのこと。

このニュースを受けてトヨタ自動車は一時4%近く下げる場面もありました。2兆円を超える最終利益を出す企業ですから、このままずるずる下げることはないでしょうが、やはり気になるニュースです。

日野自動車との関係は

このニュースを聞いて気になったのが連結対象子会社の日野自動車の不正との関係。直接的な関係はないんだろうけど、同じディーゼルエンジン絡みだけにねぇ。

日野の件を受けてトヨタの関係者がメディアに語っていたこと。「トヨタ自動車と比べて10年は遅れているという印象だ」。「トヨタでは起こり得ない」。「トヨタではエンジンの開発プロセスにおいて不正ができない仕組みを構築している」、、、など。

トヨタの件は認証不正ではなさそうですが、開発、製造の工程で何かしらの問題はあったのかもしれません。当のトヨタはこの件について、ホームページも含め一切の開示を行っていません。

株式会社ネクステージ 社長の自社株買い

株式会社ネクステージは4/4、「当社代表取締役社長執行役員 浜脇浩次による当社株式の取得について」を公表しました。同日、2022年11月期 第1四半期の決算も発表しており、かなりの好決算となっています。

株式会社ネクステージ

ネクステージは東海北陸地方を中心に、全国で中古車・新車の販売、整備、保険代理店、買取、出張買取などの自動車販売事業と、カーコーティング事業を展開する東証プライム市場上場企業です。本社所在地は名古屋ですね。

自社株買い

代表取締役社長執行役員の浜脇浩次氏が、10億円規模の同社発行済株式を市場から買い付けることになったということです。この自社株買い、同氏の資産管理会社を通じて実行されるようです。買付けは公表翌日の4月5日より順次開始されるとのこと。

自社株買いの目的については、「2022年2月に代表取締役社長執行役員として就任し、当社株式を保有することで、成長を望む強い気持ちをステークホルダーの皆様と共有したいと思って・・・」と説明されています。ん~、なかなかいい感じですね。

この社長さん、創業家の方でもなさそうなんだけど、10億円の買付けってすごいですね。ビッグモーターで役員に上り詰め、ハナテン(大阪では有名な中古車屋さん)でも取締役に。で、ネクステージで社長就任。ずいぶんと稼いだもんです。

株価の方は

好業績の発表に合わせて社長による自社株買いのニュース。公表翌日の同社株価は2,663円の250円高でスタートしました。経営者の考え方が素直に株価に結びついた良い事例ですね。