清水建設 「建物OS」の導入

12/8の日本経済新聞の記事。「ビルにOS入ってる 清水建設、既存物件もIoT化」が面白かったです。ビルを丸ごとバージョンアップする基本ソフト「建物OS」の導入を進めているんだそうです。スマートフォンが「アンドロイド」などのOSで様々なアプリを動かせるのと同じなんだと。

清水建設

清水建設はスーパーゼネコン5社(同社、大成建設、大林組、鹿島、竹中工務店)の一角。民間建築工事に強みをもち、スーパーゼネコンのなかでも建築工事の比率が高くなっています。設立は1937年という、もちろん東証1部上場企業です。

建物OS

スマートフォンが「アンドロイド」などのOSで様々なアプリを動かせるように、空調や案内ロボットといったビル内のネット接続機器を簡単に連動させられるんだそう。「建物OS」という発想が良いですよね。国内の都市に1万棟以上ある既存オフィスビルの価値向上を、新たな事業の柱にするそうです。

ビル内のOSをオリジナルのOSにすることで、搬送や掃除など、複数機種のロボを何台も一度に動かすことができるということです。ビルの様々なところにあるネットにつながるIoT機器をデータ連係させ、人が個別操作をしなくてもサービスが機能するといいます。

ゼネコンはビルを建てるのが仕事ですが、清水建設は既存物件の価値を引き上げることにも商機を見いだしたということですね。スマホが買った後にアプリを追加することで、利便性が絶えず向上するように、建物OSも建物をデジタル化し、アプリの追加でアップデートするわけです。

このOS(DXコアというらしい)の導入費用は、フルスペック版で約8000万円。既存の中小規模の建物での導入も狙い、1施設当たり200万円からで機能を選べる簡易版も用意しているようです。これ、面白そう。セキュリティ面でもメリットありそうです。

株式会社リニカル 不正アクセスによる個⼈情報流出

リニカルは12/6、「不正アクセスによる個⼈情報等流出の可能性に関するお知らせとお詫び」を公表しました。第三者からの不正アクセス攻撃を受けた結果、同社グループが保有する個⼈情報および⼀部の企業情報が流出した可能性があるとしています。

リニカル

リニカルは製薬会社の医薬品開発における治験の一部を受託する、医薬品開発業務受託事業(CRO事業)を中心に、医療機関向け医薬品販売支援事業(育薬事業)も展開。難易度の高い、がん、中枢神経系、免疫領域にフォーカスしています。東証1部上場企業です。

情報流出の概要

10/3に同社の⽇本本社およびグループ台湾拠点のサーバーに対し第三者からの不正アクセスの形跡を確認したといいます。確かに、10/5、「不正アクセスに伴う原因究明のためのサーバーの一時停止措置」が公表されています。

続いて10/22、同社グループの欧州拠点において不正アクセスを認識。さらに10/26、犯⾏グループから窃取したとするデータに対し⾝代⾦を要求する脅迫メッセージを認識したため、欧州ならびに⽇本の警察当局に本件について相談するとともに、調査会社を含めた対応チームで被害状況の把握に着⼿しています。

そして、11/3に外部の調査会社により、⽇本および台湾サーバーからの情報窃取の可能性を⽰唆する痕跡が発⾒されたそうです。

流出した情報(現時点における最⼤数で⾒積もり)は多岐にわたっており、株主・採⽤応募者等、社員および⼈事情報に関わる関係者、取引先の社員、臨床試験の責任医師・分担医師、臨床試験のコーディネーター・協⼒者等に関する個人情報や、取引先情報、同社企業情報などが流出した可能性があると。ざっと計算した感じだと20万件以上になっているようです。

なお、同社が製薬会社等のクライアントから受託している臨床試験の被験者データについては、今回の不正アクセスによる影響を受けていないということです。また、犯⾏グループとコンタクトをとること、および⾝代⾦の要求に応じる予定はないとしています。

ドコモ、「d払い」で一時障害?

NTTドコモは12/3、スマートフォン決済サービス「d払い」で一時決済がしにくい状態が発生したと発表しました。障害発生から約2時間後に復旧してるんですが、その原因がアプリから誤って通知を配信し、利用客からアプリへのアクセスが集中したため、だそうです。

意味不明

障害の原因はd払いのアプリ通知が誤配信されたことと、それに伴うアクセス集中とされています。誤配信されたのは、Android端末に「テストです」という通知が配信されたことを指しているようですが、なんでこれでアクセスが集中したん?意味不明なんだけど。

「テストです」という意味不明なSMSを見た人が、タップしたら”d払いアプリ”が立ち上って、その数がアプリの使用件数の想定を超える量だったということでしょうかね。だとしたらあまりに脆弱過ぎませんか。

ドコモのお知らせ

ドコモは同日、「【お詫び/回復】d払いアプリ通知の誤配信および一部サービスがご利用しづらい事象について」を公表しています。が、「d払いアプリ通知の誤配信および、誤配信の影響によるアクセス集中によりd払いなど一部サービスがご利用しづらい事象が発生」と説明されているだけです。

なんでテストメールを受信した人がアプリを立ち上げただけで障害が発生するのか。全く説明されてませんね。このテストメール、誤配信かもしれないけど、これにいちいち反応する顧客なんてそんなにたくさんいるんでしょうか。ホントにこれだけの理由で障害が起きるんだとすると、d払いアプリって相当ヤバいアプリってことになりませんかね。

kuniもドコモユーザーなんですが、SMSの誤配信通知に気付きませんでした。d払いアプリは使ってませんが、そもそもインフラが脆弱なのは勘弁してほしいところです。みずほもドコモもメインユーザーなのです。障害勘弁して。

デジタル庁 メールアドレスが流出 大丈夫かぁ?

2021年(令和3年)9月1日に設置されたデジタル庁。デジタル社会の形成に関する内閣の事務を内閣官房と共に助け、その行政事務の迅速かつ重点的な遂行を図ることを目的として内閣に設置されたということなんですが、なにやら雲行きが怪しくなってきています。

立て続けに

府省間の縦割りを打破し、各府省に対する司令塔として活躍することが期待されています。さらに、政府機関の情報システムだけでなく、地方公共団体など、広く公共サービスに関する情報システムを対象業務とすることが想定されていました。

そのデジタル庁でここのところ、立て続けにミスが起きています。11/26には、省庁統一の申請システムとしてリリースされたERFS(入国者フォローアップシステム)において、一部の受入責任者(企業等)の方々に、他の受入責任者(企業等)がアップロードしたパスポート画像等が閲覧できる不具合が発生。

一日遡って11/25、新型コロナウイルス感染者との接触を通知するスマートフォン用アプリ「COCOA(ココア)」で、再び不具合が発生。まぁこれはデジタル庁だけの問題ではありませんが。

そしてもう一日前の11/24、報道機関向けにメールを送信した際に操作ミスがあり、メールアドレスが流出する事故が発生。なんとこれ、資料をメールで送信する際に、誤ってメールアドレス395件を「CC」に指定して送信したため、受信者間でメールアドレスを確認できる状態となったというもの。

もうこのレベルになると、そこらの企業でも最近ではありえないような話です。今後期待される本業に夢をもって立ち向かっていただきたいと思ってますが、、、まずは所属メンバーに自覚と基本動作の徹底をお願いしたいものです。日本の行政のDXはあなたたちにかかっているのですよ。

GFA 株式会社 CLUB CAMELOT におけるメタバース事業開始

GFA 株式会社は11/26、「イベント日程の延期のお知らせ」を公表しました。10/6に公表していた「CLUB CAMELOT におけるメタバース事業開始のお知らせ」で、11月に開催としていたメタバース記念イベントの日程を延期し、来年1月に開催することになったということです。

『CLUB CAMELOT』メタバースオープニングコンテンツ正式決定のお知らせ

一方で同じ日、同社のホームページでは「『CLUB CAMELOT』メタバースオープニングコンテンツ正式決定のお知らせ」が公表されています。適時開示では1月としているのに、ホームページ上でのお知らせでは12/20から開催となっています。はぁ、こちらはオープニングイベントで、本開催は1月ということですかね。

同社が定義するメタバースは、「インターネットに繋がった3次元のバーチャル空間で、ユーザー同士が様々なコミュニケーションやコンテンツを楽しめる世界を指します。」としています。

そのメタバース空間において、著名DJのパフォーマンス、スポンサー企業の展示やグッズ販売、イベント限定NFTの販売キャンペーン等を企画しており、また、アプリを活用してゲスト同士のコミュニケーションが促進される仕掛けを準備中、なんだそうです。

株価の方も

「メタバース」、「NFT」と、今なにかと気になるワードが踊ってますねぇ。なんか面白くなっていきそうですが、kuniにはかなりハードルが高そうです。

これらの公表を受けてでしょうか、11/29の株式市場では全体が大きく売られる中、167円(前日比13円高)で寄り付きました。13円高といっても、8.4%高ですからね。投資家は反応していますよ。

今後もメタバースに関する話題は取り上げていきたいと思います。皆さんの何かのお役に立てれば良いのですが。