東京精密(7729) 連結子会社における前社長の不正行為(その2)

東京精密は2/8、特別調査委員会の設置と、発生した不正行為の概要について公表しました。当ブログでも一昨日に取り上げましたので、情報をアップデートしておきます。特別調査委員会は外部専門家(弁護士、会計士)と社外取締役監査等委員で構成しています。

東精エンジニアリング

不正行為の舞台となったのは、やはり東精エンジニアリングでした。東京精密100%出資子会社ですね。1969年設立で本社は茨城県土浦市、資本金988百万円、従業員は580人となっています。半導体製造装置関連製品と、計測機器製品の製造・販売が主要事業のようです。

社内調査で把握した概要

同社前社長のキックバックによる着服行為は、約10年にわたり外注先への発注を装ったもので、合計約120百万円が前社長に還流していた可能性があるとのこと。

また、海外取引先に対する長期滞留売掛金の回収については、同取引先在庫を同社の中国現地法人に販売するスキームで回収を図ったもので、約360百万円の売掛金を回収した可能性があるそうです。

こちらの売掛金の回収に関しても、金額を考えると前社長が絡んでいそうですね。10年にわたり着服行為を繰り返していたというこの方、平成16年から平成29年まで代表取締役社長を務められた U氏でしょうか。

【2/12 追記】

上記の記述につき、「前社長は先月末に交代していて、平取り再下位に降格しています。」というご指摘を読者の方からいただきました。2017年6月に社長に就任されたT氏が前社長だとのご指摘です。U氏でしょうか、とした上記認識は誤りだったようです。大変失礼いたしました。

オンコリスバイオファーマ(4588) インサイダー取引

証券取引等監視委員会は2/5、オンコリスバイオファーマの社員から伝達を受けた者によるインサイダー取引を認定し、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して課徴金納付命令を発出するよう勧告しました。

違反行為の概要

オンコリスバイオファーマの社員から、中外製薬との業務提携に関する情報の伝達を受けながら、その事実が公表される前にオンコリス株式を合計2万株買い付けたというもの。なんと買付代金は4,700万円だそうで。で、納付を命じられる課徴金の額は2,820万円です。

オンコリスバイオファーマの開示

この監視委員会の勧告について、オンコリスは2/5、2/8の二日にわたって情報開示を行っています。同社の社員が第三者に情報を提供したという指摘について、同社としてはそういう事実を確認していないというもの。また、監視委員会から「同社社員」に関する情報提供もないと。

重要事実を第三者に伝えたものの、その第三者を儲けさせる意図までは立証できなかったんでしょうね。それでこの社員はお咎め(課徴金納付命令)を受けていません。

また開示文では、監視委員会へ問い合わせた際の口頭回答として、「役員以外の関係者につき、まとめて『社員』という表現を使用するため、そのような表現となった」と聞かされたようです。

さて、ここで監視委員会が言ってる「まとめて社員」とはどういう意味でしょう。アルバイトやパート、派遣社員までも含んでいるという意味でしょうか。最近は受付嬢や秘書まで事務派遣っていうの珍しくないですしね。役員が密会等で秘書に漏らし、秘書がまた別のパトロンに伝えたとか、とか。妄想膨らむわ~。

話を戻して、このインサイダー取引、公表日の後場寄りまで買付けてるんですが、最初の買付けはその2週間も前からなんですよね。先日、モルフォの役員の課徴金命令が取り消されたように、実質的な決定時期の判断等が争われる可能性もあるかもしれません。

東京精密(7729) 連結子会社における前社長の不正行為

東京精密は2/5、同社の連結子会社において不正行為が発覚したことを公表しました。東京精密は、半導体製造装置と精密計測機器の製造販売を行うメーカーで、東京証券取引所第一部上場企業です。週末金曜日20:35に開示されました。

不正行為の概要

今回の開示では不正行為を2件併記しています。そのうちの一つが、「連結子会社前社長が国内設計会社との間で、数ヶ年に亘り行われた仕入取引の代金をキックバックにより着服したとみられる行為」だそうです。社長がキックバックとは、、、。こりぁヤバいわ。

そしてもう一つが、「連結子会社において長期滞留した売掛金の、回収の過程で行われた不適切な取引行為」だそうです。こちらには前社長の行為とは書かれていませんね。今のところ分かっているのはここまでです。

社内調査を進めてきたようですが、調査を徹底するため、利害関係のない外部専門家(弁護士・公認会計士)を含む特別調査委員会を設置して調査を実施するとしています。

連結子会社

今年1月下旬より開始された税務調査の過程で確認作業をしていたところ、連結子会社で不正行為が発覚したということですが、その連結子会社がどこなのかは公表していません。

有価証券報告書で確認してみると、連結子会社は国内6社、海外11社。先ほどの不正行為の概要に「国内設計会社との間で」とありますから、国内子会社の可能性が高そうです。

国内6社は、㈱東精エンジニアリング、㈱トーセーシステムズ、㈱アクレーテク・クリエイト、㈱東精ボックス、㈱アクレーテク・パワトロシステム、㈱アクレーテク・ファイナンスという面々。この6社の中では東精エンジニアリングが最も大きな企業ですね。

アイシン精機 子会社従業員のインサイダー取引

証券取引等監視委員会は1/29、アイシン精機子会社従業員のインサイダー取引について、課徴金納付命令を発出するよう、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して勧告しました。この子会社がアイシン精機に吸収合併されるという重要事実を知りながらの取引です。

法令違反の事実関係

課徴金納付命令対象者は、アイシン精機の子会社であるアイシンAWの社員であるが、その職務に関し、アイシンAWの役員甲がアイシン精機との合併にかかる基本合意契約の締結の交渉に関し知り、その後、同社の社員乙が職務上知った。

アイシン精機の業務執行を決定する機関がアイシンAWと合併を行うことについての決定をした旨の重要事実を、乙から伝達を受けて知りながら、上記重要事実が公表された令和元年10月31日午後1時頃より前の、同日午後0時30分頃、自己の計算において、アイシン精機株式合計200株を買付価額合計76万円で買い付けたものである。

なんでこんなバカなことを

上記法令違反の事実関係は、監視委員会の説明をほぼそのまま掲載してみました。合併という重要事実が公表されるわずか30分前に買い注文を出しています。こそっとトイレかどこかでスマホから発注したんですかね。インサイダー取引規制のことを知らなかったんでしょうか。

自社や関係会社の内部情報に基づくインサイダー取引、100%バレますからね。取引所は監視委員会から言われたままに証券会社の手口情報を提供しますし、証券会社はその手口(買い注文や売り注文)の顧客情報をすべて提供します。

76万円で買い付けて課徴金15万円。微々たるものですが、アイシン精機は「同従業員に対する社内調査を進めたうえで、厳正な処分を行いました。」と発表しています。おそらく懲戒解雇でしょう。皆さんも気を付けてくださいね。インサイダー取引は絶対割に合いませんよ。

東洋紡 度重なる不祥事 安全認証不正取得(その2)

12/29、PBT樹脂「プラナック」に関する安全認証不正取得を公表した東洋紡。2/3にはエンジニアリングプラスチック製品についても同様に、安全認証不正取得等があったことを公表しました。「バイロペット」、「グラマイド」、「ペルプレン」の3製品だそうです。

やはり他製品でも

やはり出てきましたね、さらなる不正。前回公表した「プラナック」は他社から事業譲渡された製品ということで、全責任を負うことを回避してましたが、今回は自社製品のようです。エンプラ製品を同社HPで確認してみると、

バイロペット:成型用熱可逆性ポリエステル樹脂
グラマイド:高機能ポリアミド樹脂
ペルプレン:ポリエステルエラストマー

と、説明されていました。これでもピンときませんね。例えばバイロペットは、自動車内外装部品や家電製品ハウジング・ケース、炊飯器等の家電製品、プリンターなどのOA機器などと用途が説明されています。今回不正の対象製品は、我々の家庭にある製品でもたくさん使われていそうです。

認証取り消し

プラナック同様、Underwriters Laboratoriesから、これら製品のUL認証は2月3日付で取り消されたようです。東洋紡の開示したお知らせでは、これら3製品の「一部の品番について」不正があったとしていますが、UL認証は全ての品番で取り消されています。

そういえば1/28には、同社が取得している ISO9001認証のうち、「プラナック」などを担当するエンプラ事業総括部に関わる認証範囲について、認証を取り消されたりしてました。今回の事案をもとに認証範囲の拡大とかもあるんでしょうか。

にわかに拡大する安全認証不正取得。東洋紡製品の中でどれだけ範囲が拡大していくのか。東洋紡、京セラ以外の他社にも拡大していくのか、気になりますね。