アイシン精機 子会社従業員のインサイダー取引

証券取引等監視委員会は1/29、アイシン精機子会社従業員のインサイダー取引について、課徴金納付命令を発出するよう、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して勧告しました。この子会社がアイシン精機に吸収合併されるという重要事実を知りながらの取引です。

法令違反の事実関係

課徴金納付命令対象者は、アイシン精機の子会社であるアイシンAWの社員であるが、その職務に関し、アイシンAWの役員甲がアイシン精機との合併にかかる基本合意契約の締結の交渉に関し知り、その後、同社の社員乙が職務上知った。

アイシン精機の業務執行を決定する機関がアイシンAWと合併を行うことについての決定をした旨の重要事実を、乙から伝達を受けて知りながら、上記重要事実が公表された令和元年10月31日午後1時頃より前の、同日午後0時30分頃、自己の計算において、アイシン精機株式合計200株を買付価額合計76万円で買い付けたものである。

なんでこんなバカなことを

上記法令違反の事実関係は、監視委員会の説明をほぼそのまま掲載してみました。合併という重要事実が公表されるわずか30分前に買い注文を出しています。こそっとトイレかどこかでスマホから発注したんですかね。インサイダー取引規制のことを知らなかったんでしょうか。

自社や関係会社の内部情報に基づくインサイダー取引、100%バレますからね。取引所は監視委員会から言われたままに証券会社の手口情報を提供しますし、証券会社はその手口(買い注文や売り注文)の顧客情報をすべて提供します。

76万円で買い付けて課徴金15万円。微々たるものですが、アイシン精機は「同従業員に対する社内調査を進めたうえで、厳正な処分を行いました。」と発表しています。おそらく懲戒解雇でしょう。皆さんも気を付けてくださいね。インサイダー取引は絶対割に合いませんよ。