先端技術研究 電池、電力の考察

明けましておめでとうございます。

昨年8月からブログを始めまして、分からないことばかりでしたが、何とか毎日更新を続けてくることができました。読んでいただいてる皆さんに何らかのお手伝いができていればと思います。どうぞ本年もよろしくお願いいたします。

昨年最後 12/31 日本経済新聞一面は「先端技術研究 中国が先行 30テーマ8割で首位」という記事でした。まぁ、中国の躍進といったら、、、凄いことになってるんですね。掲載された一覧表を見てあらためて驚かされた方は多かったんじゃないかと思います。

加えてすべてのテーマにおける論文数で日本が1位になっているものがない。最高でも3位なんだそうで、これにはがっかりというか、危機感を覚えました。皆さんはどう感じましたか。もちろん論文の数だけではないんでしょうが、これはこれで一つのアプローチの仕方ですよね。

最も注目されるテーマ 電池

世界の研究者たちが最も注目している先端技術のテーマで、最も多かったのが「電池」に関するものだったようです。ベスト10だけみても全部で5テーマがランクイン。「ペロブスカイト」、「ナトリウムイオン電池」、「リチウム硫黄電池」、「有機薄膜太陽電池」、「電気二重層コンデンサー」という順でした。

やはり、次世代の電気自動車やロボットなど、新しい産業の要となる新技術ということですね。これに加えて脱炭素を目指す世界の方向性というのもあると思われます。電池というカテゴリーになっていますが、ペロブスカイトは新しい太陽電池の材料ですし、有機薄膜太陽電池もあり、再生可能エネルギー関連技術も2テーマ含まれています。

日本が抱える喫緊の課題

以前、洋上風力発電の記事でも書きましたが、いま日本は原子力発電で躓き、石炭火力等に頼っている状態です。震災による不幸な出来事ではありましたが、時計の針を戻すことができないのも事実です。であれば、その不幸を味わった日本でしかできない技術革新をしていきたいものです。

ただ、いくらカッコイイこと言っても、kuniにはそんな技術も知識もありませんので、ブログを通じて少しでも何らかのお手伝いができないものかと考えております。日本が抱えている喫緊の課題は、原子力発電に代わる再生可能エネルギーを如何に速やかに手に入れるか。今年もこのテーマについて深掘りしながら、皆さんにご紹介していきたいと思います。

TATERU 特別調査委員会 調査結果報告書

今年9月に設置されたTATERUの特別調査委員会が、12/27に調査結果報告書を公表しました。建設資金の借り入れを希望する顧客の預金通帳残高を水増しし、実際よりも多く見せることで、銀行の融資審査を通りやすくしていたという事件です。

本調査の留意事項(調査の前提)

冒頭の留意事項にはいくつか気になることが書かれています。
・入手した資料等から確認できた内容の全てを網羅的に記載したものではないこと
・入手した資料はTATERUから提供を受けたものであり、メールサーバや個々人のメールを独自に全て収集し精査したものではなく、限定的なものであること
こんな感じです。

ほかにも、検討対象となった資料の署名・押印は真正であることを前提としているとか、TATERU側が提出した資料が基本的に正しいことを前提としているとか。社員に対するヒアリングも営業系社員に限定されていたりと、読んでいて全体的に適切性や十分性において疑問を感じさせる内容でした。

第三者委員会日弁連方式

当ブログでも何度か取り上げてきたスルガ銀行などの場合は、日弁連方式で実施した旨が冒頭で書かれています。日本弁護士連合会が公表している「企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン」に即した第三者委員会の運営のことで、企業からの独立性を強く意識した運営方式です。

調査報告書の事前開示は一切せず、企業の現在の経営陣に不利な内容も報告書に記載します。もちろん、真に正しい報告書が出来上がるのであれば、この日弁連方式以外の方法でも全然かまいません。しかし、「会社のことを本気できれいにして再生したい」と思うなら、今のところ日弁連方式を選択すべきです。

TATERUの特別調査委員会の委員も濱法律事務所とTMI総合法律事務所の弁護士となっていますので、委員会設置に際して日弁連方式の選択についての提案はあったものと思われます。しかしながら、その選択はされなかったということのようです。

調査結果

と、こんなふうに、前提がかなり怪しいなぁ、って感じではあるんですが。調査の結果、「営業部長以下31名の従業員が不正に関与し、2,269件の成約物件のうち350件で改ざんがあった」となっています。同時に営業担当常務の辞任、他の取締役の役員報酬減額も発表しています。新聞等ではここの部分くらいしか報道されてません。

調査結果や改善策を見ても、納得感のない点がいくつか。まず、部長より上の経営層には何の責任も認められなかったこと(つまり部長以下の判断で行われたこととして、トカゲのしっぽ切りになっていないか)。そして、「上場前から不正が行われていて、それを発見した際にも、経営が適切な対応を取っていなかったこと」に関する評価の部分。

今年は上場直前に上場申請が取り消される事件が何度かありました。TATERUも上場審査が適切に行われていたら、上場延期、もしくは申請の取り消しとなっていたかもしれません。上場により莫大な創業者利益を得たCEOや役員にとって、今回の減給なんてゴミみたいなもんですね。

SMBC日興証券 インサイダー取引事件(その2)

前回書いたように、SMBC日興証券では近年2回のインサイダー事件が起こっています。2012年には組織の頂点に位置する執行役員。そして今回の事件は組織の底辺に位置する新入社員です。また、執行役員は銀行からの天下りでしたから、いずれも証券会社に入って間もない二人という見方もできますね。

証券会社の実務を知らない人達

二人とも証券会社の実務を知らない人達ですね。ここでいう実務というのは、株や債券を顧客に買ってもらう苦労を指しています。特に株式の場合は、よほど顧客に気に入ってもらい、信頼されないと買ってもらえません。やっと買ってもらったにしても、信頼してくれた顧客を裏切るような結果になることもしばしば。

そういう経験を積み重ねて、インサイダー取引や相場操縦といった、いわゆるマーケットにおける禁じ手を憎む下地ができてくるんだと思います。インサイダー取引に関する研修は受けていたはずですが、しっかり腹落ちしていない。みんなが一生懸命努力して相場に参加しているのに、そんな卑怯なことは絶対だめだという感覚になっていないんだと思うんですよね。

投資銀行業務の特殊性

今回の事件は、いわゆる投資銀行業務に従事している者による犯行です。投資銀行業務は証券会社の中でも最も人気のある職種で、採用段階から一般コースとは別扱いしている業者が多いと思います。一般的にはまず最初に営業店で証券営業を経験させるんですが、高学歴で野心家の投資銀行業務志望者は途中で辞めてしまうんですね。

だから入り口から支店営業をさせずにいきなり投資銀行業務に就きます。これが正直問題ではないかと思います。先ほど書いたように証券の実務を経験しないので、法令等に関する実感がないんです。会社からちやほやされ、2、3年で大きなビジネスをし始めるので、すぐに天狗になり、そんな奴が多いような気がします。おまけにそこを踏み台にして外資系に転職するシナリオまで描いている人が多いんです。

あとは証券アナリストですかね。この人たちも証券実務を知らず、特殊なキャリア形成をしていくので、ルールに関して鈍感で、違反も多いですし、何様?って感じの人が多いですね。実務を経験していない証券マンは要注意です。

職業倫理 プロ意識 企業文化

SMBC日興証券に話を戻しましょう。悪意を持った犯罪を二度と発生させないために、改善策がてんこ盛りです。プリンターに印刷した紙を取り残さないようにする仕掛けや、個室(会議室)の増設、モニターカメラによる監視、誓約書を年に2回提出させる、など。

極めつけがこれです。「職業倫理とプロフェッショナル意識を企業文化にまで定着させる」。問題はどんなふうに実現するか、ですね。素直にそこを教えてもらいたいです。文字にすると格好いいし、美しいですが、、、、その実態は泥臭い研修等の繰り返しですかね。SMBC日興さん、大変だと思います。

SMBC日興証券 インサイダー取引事件

11/29 SMBC日興証券の元社員とその知人が金融商品取引法違反で逮捕され、12/19 同法違反の事実で起訴されました。25日に調査報告書と同社の対応が公表されています。この事件、いろいろと考えさせられる事件です。

入社後1年3か月あまりの新入社員の犯行

SMBC日興証券では2012年に当時の執行役員がインサイダー取引で逮捕されるというショッキングな事件が起きています。この執行役員は銀行からの出向者ということになっていますが、まぁ天下りですね。

そして今回、6年前の悪夢再びということになったわけですが、なんと今度は新入社員による犯行。ニュースでは確か30歳と伝えていましたので、28歳の時の犯行ということになりますか。大学院卒とのことですがちょっと年齢が合わないな。まぁ、いいや。

今回のインサイダー取引、オフィス家具のイトーキが連結子会社のダルトンに対してTOBを行った際、投資銀行部門に所属していた犯人が友人にインサイダー情報を伝えて儲けさせたという事件です。10年前くらいでしたか、金融商品取引法等が改正され、他人に利益を得させたり、損失を回避させることを目的に、インサイダー情報を伝達したり、当該銘柄の取引を勧めることも禁止されました。

相当な悪意

もう一つ驚きなのが、犯人自身が業務上知り得た情報ではないことです。同じ部署が取り扱っていた情報ではあるものの、プロジェクトメンバーではない犯人には伝わらないよう、相応に情報隔離、管理がされていたようです。にもかかわらず、断片的な情報を基に積極的に調べ、非公開の案件情報を取得し、知人に伝達しています。相当な悪意を持った犯行と言わざるを得ません。

日興証券における上記法人関係情報の管理の態勢は、kuniが報告書を読む限り、それなりの態勢になっていると思います。しかし、悪意を持った社員を前提とした管理態勢にまでは仕上がっていなかったということですね。こういう悪意に満ちた事件に対する改善策は非常に厳しいものにならざるを得ません。

悪意を持った社員への対抗策

会社の業務でこんなこと考えたくないですよね。性悪説でルールや態勢を考えるという作業は、ホントに身体によくないです。こういう悪意を持った社員を事前に上手く見つけることが出来ればいいのですが。ちなみに、報告書では犯人の予兆的な事実として以下のことをあげています。
① 業務上必要とはいえないフォルダへのアクセスやインターネット検索の履歴が数多く発見された
② 内部管理責任者によるデスクチェックでは、抽斗の施錠漏れや机上の未整理という問題点が指摘されていた

たったこれだけです。その他さまざまな場面で総じて高評価を得ており、上記2点以外に予兆を感じさせる事象はなかったようです。この2点、日常生活における社員の情報管理に関する意識の高低で、予兆を、、、。これはかなり難しいですね。直属の上司に期待することがまた増えそうです。課長の業務はどこまで行っても減りそうにありません。

南都銀行の店外ATM セブン銀行が広域受託

コストダウンに迫られる地銀とそれを囲い込もうと企むローソン銀行の記事を以前書きましたが、地方銀行第一号は南都銀行。それも相手はローソンではなくセブン銀行となったようです。

2019年より店外ATM入れ替えへ

2019年中に駅や大学を中心に店外に設置された南都銀行のATMを、セブン銀行のATMに置き換え、共同でATMを運営、その後の利用、運用状況を確認しながら順次拡大していくとのこと。ローソン銀行が目指していた店舗の共同運営については視界に入っていないようです。

セブン銀行のプレスリリースによると、現在も26社で449台を受託、運営しているそうですが、地方銀行では初めてのようです。また、日本経済新聞では、「全体の4割に当たる239台の支店外ATMを一括委託する」という書きぶりになっていますので、これまでのセブン銀行の実績との比較でもかなり大きな案件ですね。

地方銀行にとってのコスト削減モデルに

同じく日経によると、南都銀行はATMの運営費が今の半分に圧縮できるとしており、1億円以上のコスト削減を目指しているとしています。地銀に限った話ではありませんが、ATMのメインユーザーは高齢者、地方になればその傾向はさらに強まります。ATMを削減するとなると、顧客やその地域からの反発が予想されます。

どこだったか忘れてしまいましたが、地銀がある地域の営業所だか、ATMだかから撤退を決めたら、その自治体の取り扱い金融機関から外されたとか、外されそうになったといった話もありました。

だったら、ATMだけ全部コンビニに任せようという発想にならない方が不思議ですよね。もちろん、コンビニ銀行使ってみたらとっても便利。ってことで、「コンビニ銀行に顧客を奪われるんじゃないか」、という心配も分かります。けど、まだその分野で戦うの?って感じです。もっと自分たちの強みを出せて、収益性改善できそうな戦場で戦わないと。

ふくおかFG傘下の収支管理アプリ導入

「南都銀行がふくおかFGの傘下のフィンテックベンチャーが運営する収支管理アプリの提供を受ける」なんていうニュースも見つけました。iBankマーケティングという会社らしいですが、広島銀行、沖縄銀行に続いて3行目らしいです。こういう新しいサービスにも対応しつつ(単独でできなかったらどこかと組むのもありでしょう)、レガシーコストには大鉈を振るう。地銀の中では参考になる動向かもしれませんね。

なお、iBankマーケティングのHPで確認したところ、収支管理アプリ「Wallet+」を今現在使えるのは、福岡銀行のほか、沖縄銀行、熊本銀行、親和銀行となっています。南都銀行はまだ準備中ということでしょうか。