東レ子会社 水道機工 第三者委員会はその後

東レの子会社である水道機工と水機テクノスで、実務経験を偽って国家資格である土木施工管理技士を不正に取得していた件。3/27に第三者委員会設置のお知らせがあってから既に4カ月以上が経過しました。その後どうなったんでしょうね。

委員の追加選任

第三者委員会はちゃんと機能しているんでしょうか。まぁ、新型コロナウイルスの感染拡大という影響はあるんでしょうが、5/14になって委員を2名追加するお知らせが出てます。二人とも弁護士先生ですね。

しかし、このタイミングで追加とは???会社は「より機動的な調査体制の強化を図るため」としていますが、、、。本来なら調査結果が出ていてもおかしくないタイミングです。

この5月のお知らせの中で、「第三者委員会による本件調査は、本日(5/14)から約2か月半を目途に延長します。」としていました。ということで、既に8月に入りましたから、2か月半が経過したことになります。そろそろ調査結果出てきますかね。

経営の関与

同社の実務経験虚偽については、何といってもどこまで会社が、というか経営が関与していたのかというところが注目されます。「経験がない方でもやり方次第」などと書かれた社内の試験マニュアルの存在も報道されていますし、経営のどの辺りまで巻き込むのか、、、その落としどころでもめているのかな。

などと、ついつい考えてしまいます。5/27に取締役(監査等委員)がお一人辞任されてます。一身上の都合により、ということになってますが、場合によってはこの方も責任問われる立場ですしね。この辞任もちょっと気になります。

それにしても、朝日にスクープされて初めて開示。第三者委員会を設置したものの、委員の追加や調査期間の延長など、、、何もかも後手後手って感じです。おそらく今週中には何かしら開示しないとね。コロナのせいにしてまた延長とか?

サンテック 従業員の不正行為 1億3400万円

株式会社サンテックは7/30、「当社従業員による業務上横領の疑いについて」という開示を行いました。同社は東証2部上場の「総合設備工事のリーディングカンパニー」(同社ホームページ)だそうです。1948年創立という歴史のある企業です。

山陽電気工事株式会社

最近のカタカナ企業や英語表記企業ってほとんど知らない企業なんですが、社名を改める前の企業名でやっと思い出せたりします。サンテックもピンときませんでしたが、1992年に現社名になる前は「山陽電気工事」なんですね。この社名なら分かります。元は広島の会社です。

業務上横領の疑い

開示情報によると、事件が起きたのは、竣工引き渡し済みの電気工事現場。「当該現場の最終清算が遅延していることから当該従業員に連絡し、事業所に出社するよう指示しましたが、当該従業員は出社することなく連絡が途絶えました。」、、、いやぁ~な展開ですね。

同社は直ちに当該現場の調査を実施し、書類の改ざんによる横領の疑いが発覚したとのこと。引き渡し済みの工事現場で書類の改ざんが行われて横領が発覚、、、という流れがいまいち理解できません。すみません、業界に土地勘がないもので。

現場に残されていた書類等から、これまでの顧客との取引内容が虚偽であることが分かった、、、みたいな感じでしょうかね。現時点で判明している損害額は1億3400万円で、全額回収は厳しいとのこと。

総合設備工事の業界

当ブログでも取り上げましたが、今年5月には、日比谷総合設備で従業員の不正が発覚しています。こちらは取引先従業員と共謀した架空発注によるものでした。5億8000万円の不正でしたね。この事件との関係はあるんでしょうか。

こうした事件が起きた際、ほとんどの企業が「当社元従業員の・・・」と、表現するんですが、サンテックは「当社従業員の・・・」としています。潔いですね。当該従業員が行方不明になっているため解雇できず、、、そのため現在も社員なので、元従業員と記すことができなかったっていうことでしょうか。

無駄な書面 金融審 「重要情報シート」

7/30 金融庁ホームページで、金融審議会「市場ワーキング・グループ」議事次第が公表されました。投信の比較が容易になるとかいう新たな書面のプロトタイプも掲載されています。予想通り、契約締結前交付書面と内容がカブリまくりです。

市場ワーキング・グループ

メンバーは法務の神田先生を座長に、各界から有名人が委員として参加しています。凄く賢くて、偉い方々ばかりなんでしょうが、おそらく自分で投信や仕組債を販売した経験のある方はいないでしょうね。机上の空論とはまさにこのことです。

顧客本位の業務運営をさらに進展させるための方策と、超高齢社会における金融業務の在り方。大きくはこの2本がテーマとなっています。前者のテーマの中で、「顧客にとって分かりやすい情報提供のあり方」という段落で、「重要情報シート」なる新たな書面が検討されています。

重要情報シート

投資リスクのある金融商品・サービスの提案・選別の場面において、例えば、顧客にとって分かりやすく、各行法の枠を超えて多様な商品を比較することが容易になるように配慮した書面。これが「重要情報シート」だそうです。

この重要情報シート、別添で例として提示されています。契約締結前交付書面や目論見書と内容がカブリまくり。と思ったら、委員の中にも「他の資料との役割分担を重視するべき」との意見はあったようです。

しかしまぁ、机上の空論です。資料を交付して営業員が説明すれば、顧客はそれを時間を掛けて聞いてくれて、時間を掛けて理解してくれるということが、議論の前提になってるんですよね。現場は全然そんなことないです。

あともう一つ、交付すべき書面や説明するべき項目が増えること自体が、顧客の理解を妨げるということ。完全に理解、比較してもらうためにあまりに多くの情報を提供しても、顧客はそれを受け止め、消化しきれません。委員の皆さんのように能力の高い顧客ばかりではないんです。

気候変動 北極圏で溶ける海氷 山火事多発

ちょっと古くなりましたが、7/27付け日本経済新聞の記事です。世界気象機関(WMO)発の情報として、ロシアのシベリアで続く高温の影響で、北極圏の海氷や永久凍土が溶け、山火事も多発していることを伝えています。6月には北極圏で38℃を記録したニュースもありましたね。

海氷と氷山

いきなり脱線するんですが、海氷と氷山の違いって分かりますか?海氷(流氷)は海の水が凍結してできたものです。で、氷山というのはもともと陸地に降った雪が時間を掛けて氷になったもの。氷河となって海に分離し、流れ出たものが氷山なんだそうです。

シベリア ベルホヤンスク

話を戻しましょう。今年6月、北極圏に位置するシベリアのベルホヤンスクで、気温が過去最高の38℃を記録しました。地球温暖化の象徴的な出来事として話題になりました。

暑さが増してくると、地上の真っ白な雪は当然溶けてしまい、地面がむき出しになります。海でも海氷が溶け出します。雪も海氷も太陽光を反射し寒冷な気候を保ってきたんですが、これが色の黒い地表や海になることで太陽光を吸収してしまい、さらに気温が上昇します。

加えて7/22には188ヵ所で山火事まで発生していると日経では伝えています。こうやってシベリアで温暖化の悪循環が起きているというわけです。

温暖化の悪影響

とまぁ、ここまでは地球温暖化を煽るような記事になっているんですが。。。調べてみると、このベルホヤンスクでは過去にも37℃くらいの記録はあるようで、先ほど書いた悪循環についても以前から知られていることのようですし、過去にも経験してきた話なんですね。

物事はあまり偏った見方をするべきではありません。記事は都合の良いことだけを引き合いに出して煽っていきますので、気を付けながら読んだ方が良いです。気候変動の話題になると学者でさえそういうスタンス取ってる人多いですから。

あっ、今日のお話、、、温暖化の影響ではないといっているわけではありませんよ。

理研ビタミン 特別調査委員会を設置

理研ビタミン株式会社は7/27、2020年3月期連結決算発表の延期と特別調査委員会の設置に関するお知らせを公表しました。新型コロナウイルスの影響とはいえ、この日の延期で計5回の延期のお知らせとは、、、。さすがに今回は多少踏み込んで説明がされてますが。

5回の延期

最初の延期は4/20。決算発表を5/14に延期すると公表しています。
2回目の延期は5/13。決算発表を5/26に延期すると公表しています。
3回目の延期は5/26。延期後の決算発表日は現時点で未定と公表しています。
4回目の延期は6/25。ここでもやはり決算発表日は現時点で未定と公表しています。
5回目が今回の7/27ということに。。。やれやれです。

これまで、中国の連結子会社である青島福生食品有限公司への監査手続きに時間を要していることが、決算を締められない理由としていました。そして7/20になって、監査法人から「同子会社のエビの加工販売の取引について、監査意見を表明するに足りる監査証拠を得られていない」と通知されたとのこと。

特別調査委員会の設置

特別調査委員会の調査目的は、「青島福生食品のエビ加工品の取引に係る事実関係の調査」となっています。今後の見通しとして、決算手続きは特別調査委員会の調査結果の報告を受けて進めるとしています。

ということで、特別調査委員会の調査結果を受けてからの決算発表になると。こりゃいったいいつになることやら。通常このての調査委員会は1か月~2か月の調査期間を要するもの。これにコロナの影響を考えると決算発表は下期になっちゃうかもですね。

それと、ここまっで引っ張っておいて、委員会の設置というバタバタ感。青島福生食品でどぎつい不正取引等が出てきそうな予感も。。。