関西スーパー 最高裁は 総会決議認める

関西スーパーマーケットとエイチ・ツー・オーリテイリング傘下の食品スーパー2社との経営統合を巡り、最高裁は12/14、統合手続き差し止めを求めたオーケーの許可抗告を棄却する決定をしました。決定を受けてオーケーは同日、関西スーパーの買収を断念すると発表しています。

ここまでの振り返り

発端となったのは、10/29の関西スーパーの臨時株主総会に出席した1人の株主の行動。「棄権」を意味する白票を投じたものの、投票締め切り後に本人が申告し、関西スーパーは「棄権」とした票を「賛成」と修正。議案は、可決に必要な「3分の2」をわずかに上回る66.68%の賛成で承認されました。オーケーは「票の集計に疑義がある」と主張し、統合手続きの差し止めを求めていたという件。

神戸地裁では票の取り扱いが修正された議決を「法令違反または著しい不公正がある」とし、オーケーの主張を認め統合手続きの差し止めを認めました。

しかし、続く大阪高裁は白票は誤認によるもので、株主の意思を考慮すれば賛成票と扱えるとして、議決は有効と判断。

そして今回、最高裁は、統合手続き差し止めを求めたオーケーの許可抗告を棄却する決定を。つまり、関西スーパーの臨時株主総会における決議(エイチ・ツー・オーリテイリング傘下の食品スーパーであるイズミヤ、阪急オアシスとの経営統合)を有効としたわけです。

違和感あるなぁ

kuniの予想は見事に外れました。しかし、違和感あるなぁ。ていうか、総会決議の在り方云々の前に、衰退一途の百貨店系との経営統合、というところにそもそも違和感を持っているのかもしれませんが。そうそう、負けてしまったオーケーが出しているプレスリリース、メチャ格好いいすよ。是非ご一読を。

株式会社EduLab その後音沙汰なし?

12/16の日本経済新聞に、「不正会計に動けぬ東証 エデュラボ発覚から2カ月 手続き慎重、『空白』長引く」という記事が。上場前からの不正会計が発覚したEduLab(エデュラボ)ですが、すでに8月の調査委員会設置から4カ月、不正会計発覚から2カ月が経過しています。

記事の概要

日経が問題提起しているのはEduLabに対して、東証が何らアクションを起こせていないことに対するものです。問題提起は確かにその通りではありますが、新たな事実関係が何もつかめないでいるところだけに、東証の立場も理解できます。特別調査委員会の最終報告書は12月下旬の見込みとされていますが、、、そりゃぁ、動けんわなぁ。

EduLab その後の開示

特別調査委員会の中間報告書受領後、EduLabは11/26、「会計監査人の異動に関するお知らせ」を公表しています。架空取引の存在疑義まで指摘し、監査報告書の意見不表明や、結論不表明を示していた会計監査人のあずさ監査法人が、とうとうEduLabを見切った形ですね。

同開示では、「EduLabと会計監査人両者の信頼関係の低下」という表現が何回か出てきます。で、会計監査人を降りることになったということです。しかし、これはこれでどうなんだかなぁという感じはします。ここまで会計不正を見抜けなかった会計監査人、その責任の取り方という点は気になります(もめにもめた結果だろうということは理解しますが)。

いやぁ、ドロドロになってきましたね。一方、同社株価はというと、上場来安値を着実に更新中です。8月の調査委員会設置から約4カ月になりますが、株価は4分の1(1100円台)になっています。昨年高値からみると約10分の1です。さてさて、どうなりますやら。

最近よく聞く デジタルツインとは メタバースと違う?

最近メタバースやVRとともに、よく聞くようになったのがデジタルツインというワード。現実世界の情報を、センサーなどを使ったIoT技術を駆使してリアルタイムに取得して、バーチャルである「サイバー空間」に再現する技術のことだそうです。

デジタルツイン

言葉通りデジタルで作る双子ですね。しかし、双子は本来「twins」。複数形なんですがここでは「twin」で使われています。調べてみると、この場合「ふたごの一人」という意味になるようです。デジタルの世界で実現する双子の一人、っていうかもう一人の双子って感じの意味ですかね。

現実の世界では、「これやってみたい、画期的だと思う」なんて発想が出てきたとしても、そう簡単にそれを実装、実現できません。様々なものや人々にいろいろな影響を与えてしまいますよね。大きなリスクを伴います。

その点、デジタルツインの世界ではその発想を試してみることが可能です。現実の世界からデータを収集し、そのデータをサイバー空間と同期させ、そこでシミュレーションや解析を行い、その結果をもとに現実世界にフィードバックするというループを繰り返すことができるというわけです。

メタバースとの違い

一方、メタバースは必ずしも現実世界の再現である必要はないわけで、現実世界にはないものを表現することもあるでしょう。いや、むしろそういう方向性の方が大きいように思われます。見たこともないような素晴らしい空間。ですね。

VR、メタバース、デジタルツイン。新しいワードがバンバン出てきます。まだまだつかみどころのない世界ではありますが、何年かしたら今のインターネットのように、多くの人が普通に使っているツールになっているかもしれません。振り落とされることなく、しっかりとついていきましょう。

清水建設 ビルを巨大な電池に

昨日取り上げた清水建設ですが、今日は第2弾。2021年5月に竣工した金沢市内のオフィスビル。電力に換算すれば180世帯が1日に使うエネルギーを貯蔵できる水素タンク群をビルの中に備えているとのこと。なんかこの会社、新しいことにかなり積極的に取り組んでますね。

水素タンク

北陸地方初の「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」評価を受けたというこのビル。金沢市の市街地に建設した同社の北陸支店新社屋らしいです。太陽光による発電とリチウムイオン電池による蓄電、さらに水素を活用した電力の貯蔵で電力を自給自足するシステムだそうです。

建物に水素を貯蔵するとなるとどうしても安全性が気になりますが、同社が進める水素タンクの貯蔵には、水素を効率よく、かつ安全に、長期間にわたって貯蔵できる「水素吸蔵合金」が使われているとのこと。合金に火を近づけても燃焼しない配合を開発し、レアメタルを必要としない合金が開発されたそうです。

貯蔵した水素を利用する際には、最大出力100キロワットの燃料電池に水素を供給して電力に変換するそう。同北陸支店では停電時に72時間は最低限の電力を供給できる計算らしいです。

清水建設は今後、水素貯蔵装置や燃料電池などをコンテナに収めた、運搬可能なシステムの提供も検討するようです。ゼネコンの殻を破って新しい業態へ進化していきそうな感じですね。もちろん他のゼネコンも同様の技術を研究しているでしょう。まだまだ、清水だけが一人勝ちというわけにはいかないでしょうが、目の付け所は良い感じです。

今のところはビルをバッテリーにしてしまうという発想ですが、安全性に問題がないのであれば、いずれ一般家庭にもという流れが出てくるんでしょうね。

清水建設 「建物OS」の導入

12/8の日本経済新聞の記事。「ビルにOS入ってる 清水建設、既存物件もIoT化」が面白かったです。ビルを丸ごとバージョンアップする基本ソフト「建物OS」の導入を進めているんだそうです。スマートフォンが「アンドロイド」などのOSで様々なアプリを動かせるのと同じなんだと。

清水建設

清水建設はスーパーゼネコン5社(同社、大成建設、大林組、鹿島、竹中工務店)の一角。民間建築工事に強みをもち、スーパーゼネコンのなかでも建築工事の比率が高くなっています。設立は1937年という、もちろん東証1部上場企業です。

建物OS

スマートフォンが「アンドロイド」などのOSで様々なアプリを動かせるように、空調や案内ロボットといったビル内のネット接続機器を簡単に連動させられるんだそう。「建物OS」という発想が良いですよね。国内の都市に1万棟以上ある既存オフィスビルの価値向上を、新たな事業の柱にするそうです。

ビル内のOSをオリジナルのOSにすることで、搬送や掃除など、複数機種のロボを何台も一度に動かすことができるということです。ビルの様々なところにあるネットにつながるIoT機器をデータ連係させ、人が個別操作をしなくてもサービスが機能するといいます。

ゼネコンはビルを建てるのが仕事ですが、清水建設は既存物件の価値を引き上げることにも商機を見いだしたということですね。スマホが買った後にアプリを追加することで、利便性が絶えず向上するように、建物OSも建物をデジタル化し、アプリの追加でアップデートするわけです。

このOS(DXコアというらしい)の導入費用は、フルスペック版で約8000万円。既存の中小規模の建物での導入も狙い、1施設当たり200万円からで機能を選べる簡易版も用意しているようです。これ、面白そう。セキュリティ面でもメリットありそうです。