金融庁のホームページで、7/5、金融審議会「市場ワーキンググループ」第22回の議事録が公表されています。その中で、ファイナンシャルスタンダード社長が自社に関して説明されているんですが、これがなかなか良い話でした。
投機や投資との違い
同社長がこんなことを言っています。「投機は株価チャートやマーケット予想にフォーカスする手法で、投資は企業業績の予想にフォーカスします。一方で資産運用は、自分自身にフォーカスします。自身の収入や支出、保有資産を把握し、それをどう管理していくかです。」
「資産運用のアドバイスって、一生懸命頑張っても、お客様を悲しませてしまうことがある。」何かが違うということで自分たちの価値をゼロから見直し、上記の整理をしたということです。そしてさらに、「資産運用では、長期目標に対して理にかなった分散投資や積立投資が基本。アドバイザーの価値は、相場の予測に基づいた金融商品を提案することではなく、お客様とゴールを共有し、プランを立て、長期的に実行支援すること」。この価値観を明確にしたところから預かり資産が増え始めたとのこと。
「相場の予測に基づいた金融商品を提案することではない」としているところがミソですね。人生を見渡した資産運用であれば、短い周期で変化するマーケット要因はとにかく排除することです。代わって、結婚や自宅の購入、子供の入学・卒業、自身の退職といったライフステージにだけ注目することで、長期にわたる資産形成とそのゴール設定も可能になります。
資産運用のアドバイスに関する考え方、ここまでしっかり持って運営できている会社もあるんですね。感心しました。金融庁がワーキングメンバーに呼んだのも理解できます。
担当者任せにしない態勢
実際の顧客対応についても工夫がされていて、提案の際には担当者以外の他のアドバイザーや専門家も加わった会議により、提案内容を議論する場が設けられているようです。また、投資商品の選定にあたっては、別途専任のポートフォリオマネジャーが設けられています。
担当者(IFA)任せにしない態勢が作られており、その機能もさることながら、顧客保護(投資家保護)の観点からも納得感、安心感のある態勢となっていますね。
ファイナンシャルスタンダード株式会社は現在、預かり資産437億円、役職員18名とのこと。おそらくコミッション型ではなく、フィー型(預かり資産に応じた報酬体系)でしょう。200億円の預かり資産がないとやっていけないと言われる業界だそうですから、経営の方もそろそろ軌道に乗った感じですかね。