東京ガス子会社 不正アクセスで個人情報416万人分流出

東京ガスと子会社東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)は7/17、「不正アクセスによるお客さま等に関する情報流出の可能性についてお詫びとお知らせ」を公表しました。子会社TGESのネットワークに不正アクセスがあり、一般消費者の個人情報約416万人分が流出した恐れがあるということです。

東京ガス 東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES)

今さら説明は不要かと思いますが、東京ガスは国内首位、世界でも有数の規模を誇る大手都市ガス会社です。もちろん、東証プライム上場企業です。そして子会社のTGESは資本金140億円、従業員数2,000人ほどの東京ガス100%子会社です。

情報流出の概要

流出したとされているのは、①東京ガスまたはTGESの取引先である個人の情報等(90人分)。②TGESの従業員等の個人情報(約3,000人分)。そして最も深刻なのが、③業務委託元から提供を受けている一般消費者の方の個人情報で、約416万人分となっています。

「業務委託元から提供を受けている」とあるように、東京ガスとの「家庭用の都市ガス、電気等の契約情報」は含まれてないようです。つまり、東京ガスと取引のある個人ではなく、全く別の企業(TGESに業務委託した)に登録された情報ってことなんでしょうね。

ってことはこの416万人分はこのあと、「弊社のお客様情報が委託先のTGESから流出しました」みたいな開示が相次ぐってことですかね。京都の「イセトー」の事案と同じですね。

株式会社竹内製作所 本社工場における火災発生 昨年9月にも

株式会社竹内製作所は7/16、「当社本社工場における火災発生に関するお知らせ」を公表しました。7月16日(火)午前7時52分頃、同社本社工場(第二工場)において、火災が発生したとのこと。

株式会社竹内製作所

竹内製作所は、ミニショベル、油圧ショベル、クローラーローダー(不整地用の積込・運搬・掘削機)などの建設機械を製造・販売する企業。世界で初めてミニショベルおよびクローラーローダーを開発。ミニショベルはEU、北米で高いシェアを占めています。東証プライム上場企業です。

火災の概要

7/16、午前7時52分頃、長野県埴科郡坂城町の同社本社工場(第二工場)において、火災が発生。工場内塗装エリアにある乾燥設備のうち送風機の内部が異常な高温となり出火したとのこと。その後、午前9時33分頃、消防により鎮火が確認されたということです。

人的被害については、同工場内にいた従業員は全員退避したものの、初期消火活動にあたった4名が煙を吸い込んだため、病院で処置を受けましたがいずれも軽症でした。物的被害については現在調査中としています。

大事に至らなくてよかったんですが、同工場では昨年9月にも工場内部に煙が充満していると119番通報があったようです。二度あることは三度あるとも言いますし、、、気を付けないとね。

ジェイフロンティア株式会社 決算短信発表の延期

ジェイフロンティアは7/12、「2024 年5月期決算短信発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。同社における一部の広告売上取引について、取引内容の精査が必要になることが判明したためということです。

ジェイフロンティア

ジェイフロンティアは、EC(電子商取引)を通じた健康食品や医薬品の販売のほか、オンライン診療やオンライン服薬指導を提供する医療プラットフォームの運営などを手掛ける企業。2008年設立で東証グロース市場上場の若い会社ですね。

延期の理由

決算発表の延期に関する理由は冒頭に書いた通り、「一部の広告売上取引について、取引内容の精査が必要になることが判明したため」とだけ説明されています。取引内容の精査・確認作業及び監査法人による検証作業に時間を要するため、決算発表日を延期するとしています。

「一部の広告売上取引」ってのはなんとも微妙な表現ですね。売上の計上タイミングの問題なのか、売上げ先の独立性の問題なのか、、、何とも分かりません。ただ、過去に見てきたこの手の話題では会社としての認識と監査法人としての認識のズレが問題となるケースが多いような気がします。

認識の「ズレ」だけの問題なのか、何らかの不正が絡んでいるのか。今のところ調査委員会等の設置については明らかにしていません。今後の開示を見ていくしかありませんね。

成友興業株式会社 セメント工場の岸壁に接岸中の船舶で爆発事故

成友興業は7/12、「当社城南島第二工場のセメント原料(汚染土壌処理後物)を積載した船舶の事故に関するお知らせ」を公表しました。爆発により船員やセメント工場側の協力会社従業員、合計9名が怪我をする事故が発生しました。

成友興業

成友興業は東京都を地盤に、建設現場で発生した産業廃棄物などを自社処理施設で再資源化する「環境事業」が主力。道路舗装や一般土木工事などを行う「建設事業」なども手掛ける名古屋証券取引所メイン市場上場企業です。

事故の概要

テレビでの報道では、セメント工場側(UBE三菱セメント)が映し出されていたので、同社の事故かと思ってたんですが、船主側である成友興業が今回開示を行っています。非上場のUBE三菱セメントはホームページ上でもこの事故については触れていません。

7月11日(木)10時00分頃、福岡県京都郡苅田町所在のセメント工場の岸壁に接岸中の船舶に、爆発を伴う事故が発生し、9名(船員3名(1名は重傷)、セメント工場側の協力会社6名)の方が怪我をされたとのこと。

UBE三菱セメントの工場に着岸中、荷降ろしのためにハッチを開けたところ、セメント原料となる汚染土壌処理後物(土壌溶出量基準又は土壌含有量基準に適合していない土壌を中間処理したもの)が爆発。爆発時の熱風を浴びてやけどを負ったということのようで、火災は発生していません。爆発の原因等については、現在調査中としています。

国土交通省 物流パレットの規格を統一

7/10付け日本経済新聞に、「物流パレット規格統一 国交省、積み替え省略狙う 作業時間3割削減」という記事がありました。パレットの共通化で作業時間が3割減になるとの試算があるそうで、物流の効率化は産業全体に好影響を与えるとしていました。

パレット

パレットとは保管や運搬の際に荷物を載せる荷役台のことで、数える時の単位は「枚」。パレットを使用することで複数の荷物をまとめて保管・管理でき、作業効率を向上させてきました。しかし、業界ごとに規格が乱立しており、積み替えなどに無駄な時間がかかっていました。

調べてみると、日本国内で使用されているパレットのサイズは10種類近くありますね。2021年に国交省や関係省庁、物流の業界団体・企業、学識経験者などが参加して統一に向けた調整を進めてきました。

統一規格

で、結果的に統一規格は、JIS規格でもある、「1.1メートル四方で厚さが14.4~15センチメートル、最大積載量を1トン」となったそうです。現在この規格以外を使用しているのは、酒類業界、冷凍食品業界、化学業界などだそう。

いわゆる2024年問題で物流業は深刻な人手不足が懸念されていますが、このパレット統一による効率化でかなり解消するはず。しかし、2024年問題は何年も前から懸念されてきたのに、なんで規格統一決定までに3年もかけてしまったんでしょう。