鴻池運輸株式会社 従業員の不正行為(架空取引&キックバック)

鴻池運輸株式会社は2/9、「当社従業員による不正行為の発覚および2024 年 3 月期第 3 四半期決算発表の延期と当該四半期報告書の提出期限の延長申請検討について」を公表しました。2/14には提出期限の延長申請が承認されています。

鴻池運輸株式会社

鴻池運輸は顧客企業の事業活動における各種工程の業務を請け負う複合ソリューション事業が主力。請け負う業務は、資材受入などの生産工程領域、入出庫などの流通工程領域に加え、医療機器の滅菌消毒といった専門的スキルを有する特殊工程なども。1945年設立の歴史ある東証プライム上場企業です。

不正の概要

大阪国税局による税務調査の過程で、同社従業員が取引業者と共謀して架空の外注費用等の計上が行われた可能性を認識したとのこと。その後の社内調査で、当該従業員による架空請求・横領の事実を確認したということです。

当該従業員は自らの利益のために、複数回にわたって取引業者と共謀して、総額約 430 百万円の架空の外注費用等を計上し、そのうち約 50 百万円を自らに還流・着服していたことが判明しているそうです。

なお、現時点において、不正手口として供述のあった原価架空計上・横領以外の不正の類型(部門間の原価付替え、貯蔵品不正処理、根拠のない社内取引等)が発見されているとのこと。こちらはこれから調査ということのようです。