東京メトロ 2024年度中にも上場へ

政府と東京都は東京地下鉄(東京メトロ)の株式の売却を2024年度中にも始めるとのこと。早ければ夏にも株式の上場を目指しており、両者で100%を保有する株式を最終的に50%売却するといいます。政府側の売却益は東日本大震災の復興財源とするそうな。

東京メトロ

東京の地下鉄は東京メトロと都営地下鉄の二つ。両事業者で東京都23区内の大半を縦横無尽に結んでいます。地方の方にはピンとこないかもしれませんが、この両社の路線なしに東京では生活できないほどのインフラ。東京メトロが9路線180駅と都営地下鉄が4路線106駅の総計13路線286駅となっています。

株式公開

上場を目指す東京メトロは、国が53.4%、東京都が残りの46.6%を保有しているんだそう。東京メトロの純資産約6400億円を企業価値とし、上場時の時価総額が6,000億円程度となれば、かなりの大型案件。足元の時価総額で比べると、西武ホールディングス(6,600億円)に匹敵する規模です。

株式市場は今絶好調(指数だけとの批判はありますが)で、新NISAで新たな資金が流れ込んでくるまさに絶好の機会ということでしょうね。おそらく株主優待でフリーパスとかも出てくるだろうし、今年のメインイベントになりそうです。

トヨタ 持分法適用関連会社 豊田自動織機によるさらなる不正を公表

トヨタは1/29、「当社持分法適用関連会社による不正行為に関するお知らせ」を公表しました。豊田自動織機で行われていたフォークリフト、建設機械用エンジンの国内排出ガス認証不正に関する特別調査委員会による調査で、トヨタが認証申請手続き用に豊田自動織機に委託した自動車用ディーゼルエンジン3機種の出力試験において、新たに違反行為があったことが判明したということです。

不正の概要

出力試験時に、量産用とは異なるソフトを使った ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)を用いてエンジンの出力性能を測定し、測定する数値が安定するようにバラつきを抑えて報告する行為が行われていたといいます。該当するエンジンが搭載された車両は、グローバルで10車種(うち日本6車種)。

具体的には、ランドクルーザープラド、ハイエース、ハイラックス、ランドクルーザー300といった車種が含まれています。今回の調査結果を踏まえ、豊田自動織機にて対象のエンジンの出荷を一旦停止し、、トヨタとしても該当エンジンが搭載された車両について出荷を一旦停止することを決定しています。

該当するエンジン/車両については、工場で生産した量産品を改めて検証し、エンジン出力の規準を満たしていることは確認できているといいますが・・・日野自動車、ダイハツ、豊田自動織機と次から次へと出てくる認証不正、やはり真ん中のトヨタのガバナンスはおかしなことになっていそうです。

ブロッコリー消費拡大 国の「指定野菜」へ 50年ぶり新顔

農林水産省はブロッコリーを「指定野菜」に追加する方針を決めたそうです。生産量や消費量が増えており、安定供給の重要性が増していると判断し、2026年度の実施を予定。指定野菜への追加は1974年のばれいしょ以来、ほぼ半世紀ぶりとのこと。

指定野菜

指定野菜は全国に流通し、特に消費が多い品目を国が定めています。産地は国が示した需給見通しや作付け指針をもとに生産するんだそう。産地にとっては価格が下がった際の補助金が手厚くなる利点があります。現在指定されているのは、キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ばれいしょ、ピーマン、ほうれんそう、レタスの14品目。

特定野菜

調べてたら指定野菜に準じる「特定野菜」ってのもあるんですね。指定されているのは35品目で、ブロッコリーもこの中に含まれています。つまり、ブロッコリーは特定野菜から指定野菜への昇格を果たすことになるということですね。

特定野菜にも補助金はあるようで、指定野菜はそれがより手厚くなるということみたい。値崩れを起こした際には補助金が出るという安心感が、生産を拡大させる(多い消費を下支える)効果があるということです。理にかなった政策だとは思うんだけど、どうも農業政策には?なものも多くてねぇ。ブロッコリーの指定にケチは付けてませんよ。

雇用調整助成金等の不正受給 水戸京成百貨店元社長を詐取容疑で逮捕

茨城県警は1/18、新型コロナウイルス対策の国の雇用調整助成金計約1億3,300万円を不正受給したとして、詐欺容疑で、水戸京成百貨店の元社長を逮捕しました。同社は昨年1月、当時の総務部長の指示で雇調金など計3億円余を不正受給していたと発表しています。

水戸京成百貨店

水戸京成百貨店は茨城県水戸市にある資本金5,000万円の百貨店です。名前の通り京成電鉄の子会社(発行済み株式の95%を保有)です。鉄道会社が運営する百貨店ということで、それなりのステイタスもあるはず。京成電鉄との関係を見ても、役員の兼務もあれば、資金援助もあります。

逮捕容疑

逮捕容疑は、社長として在職中、同社社員と共謀し、百貨店従業員約400人について2020年4〜5月の休業日数を水増しした虚偽の申請書を、同8月に茨城労働局に提出。同9月と10月に雇調金を同社名義の口座に振り込ませてだまし取った疑いだそうです。

水戸京成百貨店のホームページでは不正の発覚時、元社長の逮捕時、最低限の事実の公表がなされているんですが、京成電鉄はそうした開示を行ってない様子。もの凄い数の子会社持ってるのでいちいち対応できません、、ってことかもしれないけど。しかし、この事案、社長自身も京成電鉄出身者だし、顧客の信頼を失いかねないかなりマズい事件だと思うよ。

(追記)その後の報道によると、約1億3,300万円のうち、水増し分は約3,800万円だったみたい。

スリー・ディー・マトリックス 送金詐欺による資金流出

スリー・ディー・マトリックスは1/25、「送金詐欺による資金流出被害のお知らせ」を公表しました。昨年12 月下旬から今年1月上旬にかけて、取引先を装った複数のメールによる虚偽の支払い指示に応じ、当該取引先の真実の銀行口座と異なる銀行口座に対して誤って代金を支払ってしまったとのこと。

スリー・ディー・マトリックス

スリー・ディー・マトリックスは、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)からライセンスを受けている自己組織化(ゲル化)ペプチド技術を核として、外科、再生医療、ドラック・デリバリー・システム(DDS)領域の医療製品を開発・販売するバイオベンチャーだそう(理解できません)。

被害の状況

昨年末に原料代金約86万US ドル、1月には別の代金支払として50万US ドルを、取引先の本来の銀行口座とは別の虚偽の銀行口座に送金してしまったとのこと。この手の詐欺に特有の巧妙な手口で虚偽口座への送金を誘導されてるんですが、なんかいろいろと言い訳してますね。

言い訳を読むと、決して担当者一人の判断で行ったものではなく、ある程度の上席者も巻き込んでの行動のようにも見えます。銀行口座が変更になったことを取引先に直接電話確認さえすれば巻き込まれずに済んだのにね。約2億円の特別損失発生です。

同社株価は130円台、業績は確認できる範囲でも5期連続赤字という会社。超専門性がウリの会社だけに、こういう当たり前のことができないのか。