今年5月、子会社である日本製鋼所M&E 株式会社において検査不正が発覚したことを公表していた日本製鋼所。8/31には、新たに火力発電所のボイラーなどで使われる鍛造鋼管でも不正があったことを公表しました。(5月に判明したのは、タービン・発電機用ローターシャフト、発電機用リテーニングリング)
特別調査委員会
前回の不正公表後、特別調査委員会を設置して調査を続けていましたが、8月上旬に同委員会による調査により新たな不正が把握され、その後同社及びM&E社にて製造記録等の社内調査を実施して事実であることを確認したということです。
対象商品は火力発電所向けボイラー用鍛造鋼管(2014年8月~2019年3月までに製造されたもの)。顧客と合意した仕様に基づき実施すべき試験を、顧客へ説明・承認を得ることなく省略していました。なお、この不正に起因する、製品の品質・性能に影響する具体的な問題は確認されていないということです。
日野自動車と違って
調査開始後2カ月が経過したところで新たな不正が見付かったわけで、経営陣等はがっかりしたでしょうね。しかし、先日の日野自動車のように、社内調査で見落とし、特別調査委員会でも見逃して、当局の検査で見付かる展開を思うと、調査期間中に判明したことは喜ばしいことです。
不正の一部が内部通報で発覚。その後社内調査で不正の概要を一定程度まで掘り下げ、特別調査委員会を設置。その調査委員会が調査の過程で新たな不正を発見。こう整理してみると、ここまでの展開は一応理想的な流れですね(あくまで不正発見から始まる事後対応の話ね)。日野の件があったし、委員会も気が抜けません。