アジャイルメディア・ネットワーク 新たな会計不正が

アジャイルメディア・ネットワークは2/1、「第三者委員会の設置及び2021年12月期決算発表の延期に関するお知らせ」を公表しました。今度は、同社の台湾子会社における過去の取引等について、不適切な会計処理が行われていたことが判明したとのこと。

取締役の不正行為

当ブログでも取り上げてきましたが、この会社、CFOである取締役が同社の資金約3億5000万円を流用していたという事件を起こしています。その詳細を調査するために第三者委員会を設置して調査していましたね。調査を終え、過去の決算等の修正を終えたのが昨年6月のことです。

新たな会計不正

そしてまたしても第三者委員会を設置することに。今度は同社台湾子会社における過去の取引等について、外部からの指摘により、2022年1月から社内で再調査を進めた結果、不適切な会計処理が行われていたことを今年1/21に認識したということです。なんと、不正行為を行ってきた元取締役が董事長を務めていた子会社だそうです。

現時点で判明している内容は、2018年12月期から2019年12月期に至るまでの期間において、台湾の取引先から台湾子会社を経由して同社に入金され、売上として計上されていた約4,500 万円について、実際には同社または台湾子会社から役務の提供を行っていた事実が確認できなかったにも関わらず、売上として計上されていたという疑義。

さらに、同期間において、国内の取引先への売上約500万円と広告宣伝費等の費用約300万円が、本来計上すべき期から異なる期に計上されているという不適切な会計処理がなされたという疑義が生じているとのこと。

以上が開示の内容。詳細はまだまだ不明ですが、明らかに前回の調査で発見できていたはず、という残念な結果になりました。

東レ UL に対する 認証不正

東レは1/31、「当社樹脂製品における第三者認証登録に関する不適切行為および有識者調査委員会の設置について」を公表しました。 Underwriters Laboratories の認証登録に関して、不正を行っていたというものです。

UL認証不正

当ブログでもこれまでにUL認証不正を取り上げてきました。東洋紡や京セラ、三菱電機など、我が国の超優良企業が認証不正を働いてきました。そして今回は東レです。

東レ

合成繊維の国内最大手で、炭素繊維は世界トップシェア。衣料用・産業用の各種繊維のほか、炭素繊維、合成樹脂、IT関連材料、医薬品まで幅広く展開する東証1部上場企業です。今さらやねぇ。知らん人いないと思いますが。

認証不正の概要

ULが定めている、樹脂の難燃性能を示すUL94の規格に関し、一部の品種でULが実施する認証試験で指定されたグレードと異なる、試験合格用のサンプルを作成し、提出していたことが発覚しました。

また、認証登録された品種の一部で、登録時の組成と異なるものを製造・販売していました。家電製品や自動車などに使われている樹脂製品らしいです。

昨年、上記のような企業数社がUL認証不正を公表してきたにもかかわらず、東レが自社における認証不正を認識したのは、昨年12月下旬のことだといいます。この時行った社内アンケートで明らかになったと。後手に回りましたね。

同日付で有識者調査委員会の設置を決定し、さらなる徹底的な調査と原因究明を実施。併せて、東レグループ全体にわたるUL認証に関する調査も行うとしています。ほぉ、この事件を受けて、株価は10%以上下落しましたね。

神東塗料 認証不正(その3)

神東塗料が水道管用の合成樹脂塗料の認証を不正に取得していた件。同社からの新たな開示はありませんが、経団連や日本水道協会からは反応や情報アップデートが継続しています。ここまでに出てきたお話を整理しておきます。

経団連

経団連の会長は1/24、定例記者会見で、「神東塗料が合成樹脂塗料の認証を不正取得していた問題に関して、非常に遺憾に思う」とコメントしました。経団連の会長が個別企業の不正に関して言及するとは。と思ったんですが、現会長は住友化学の会長だったんですね。住友化学は神東塗料の筆頭株主なもんで、、、なるほどそういうことね。

日本水道協会

日本水道協会はかなり頻繁に情報発信しています。1/16以降、認証品の出荷停止等が徐々に解除されてきています。直近の情報は1/28時点で既に「第8報」まで発信されています。事の重要性に配慮した迅速な対応が取られているようですね。

日本経済新聞によると、1/30、同協会が調査の対象を拡大することを明らかにしたと伝えています。これまで不正の疑いがある12製品の品質や水道水への影響について調査してきましたが、これとは別の12製品についても調査を拡大するということです。

不正の手口についても触れられていて、認証を取得するために協会に提出する塗料の試験片を、規格に沿わない方法で製造していました。

規格ではセ氏55~65度で24時間乾かすと定められているのに対し、80度で10日間乾燥させていたとのこと。さらに水で洗浄も。認証試験で合格するため、水に溶け出す成分がより少なくなるように不正な手順をとっていたということです。