HIS(エイチ・アイ・エス) 子会社でGoTo補助金の不正受給

HISは12/9、「当社連結子会社における取引に関する調査委員会設置のお知らせ」を公表しました。子会社2社において、会計処理の前提となる取引事実の精査が必要となることが判明したといいます。事実関係解明のために調査委員会を設置することになりました。

HIS

今さら説明は要らないかもしれませんが、HISは格安海外航空券の販売からスタートし、業容を拡大した大手旅行会社。国内外の旅行を取り扱っています。旅行のほか、テーマパークやホテルの運営など幅広く事業を手掛ける東証1部上場企業です。

不正受給の概要

古くは生活保護の不正受給などがありましたが、コロナ禍では持続化給付金の不正受給が話題になってきました。中小企業庁によると798者、不正受給総額 8億157万3000円なんていう情報も公表されています。そして今回はGoToトラベル事業の補助金に関する不正受給です。

同社によると、不正受給が発覚したのは、連結子会社ジャパンホリデートラベルと、ミキ・ツーリストの2社。GoToトラベル事業に係る取引の中に宿泊の実態がない取引、つまり同事業の受給対象とならない取引が存在した疑いが浮上しているということです。とうとう上場企業グループでもこんな事件が起きてしまいました。

一部の報道によれば、GoToトラベル事務局が取引を精査するアンケート調査を実施したことで発覚したようです。「GoToトラベル」事業はコロナ禍で落ち込んだ観光業界を支援するため、1人1泊2万円を上限に旅行代金の最大半額を補助する仕組みでしたね。

一般的な旅館で摘発された事業者でも、数百万円を不正受給していたという事件もありましたし、HISグループともなるとそれなりの金額になっているのかもしれません。不正受給の額などは現時点では公表されておらず、調査委員会の調査結果を待つしかありません。