前田建設工業 役員によるインサイダー取引に課徴金(現インフロニア・ホールディングス)

証券取引等監視委員会は11/19、前田建設工業株式会社役員による内部者取引について検査し、法令違反の事実が認められたため、課徴金納付命令を発出するよう勧告を行いました。インフロニア・ホールディングス株式会社もこの事実を同日公表しています。

インフロニア・ホールディングス株式会社

インフロニア・ホールディングス株式会社は、準大手ゼネコンである前田建設や、前田道路、前田製作所の3社が共同株式移転の方法により、3社の完全親会社として設立(21年10月1日付)した持株会社です。同社が上場することで、前田建設、前田道路、前田製作所は上場廃止になっています。

前田建設の役員

前田道路を子会社化する際にはいろいろ揉めましたよね。インフロニア・ホールディングスが設立されるまでのプロセスは、前田建設が主導してきました。その前田建設の役員が今回のインサイダー取引の主役です。

監視委員会の公表によると、同社役員のインサイダー取引は計3回。まずは前田建設の増配と自己株取得の事実を公表前に知り、同社株を買い付けた行為。2019年2月の行為です。

二つ目は、前田建設工業が前田道路の株式を公開買付けすることについての決定を知りながら、公表直前に前田道路株式を買い付けた行為。2020年末から2021年1月にかけての行為です。

そして三つめが、前田建設工業、前田道路および前田製作所の共同持株会社設立(共同株式移転)による経営統合に関する事実を知りながら、その公表直前に前田道路株式を買い付けた行為。2021年2月の行為です。

要するに、インフロニア・ホールディングスが設立されるにあたり、内部者情報を知りえた場面全てでインサイダー取引で儲けていた役員。ということですね。課徴金の額は402万円と大したことはありませんが、行為そのものの悪質性はメチャデカいです。