株式会社アクアライン (その2) 集団訴訟?

特定商取引法に基づき、来年5月までの9カ月間、訪問販売の一部業務(勧誘、申込受付及び契約締結)の停止を命じられたアクアライン。その後もメディア等で水回り修理の過剰請求の話題をよく目にします。中には集団訴訟に進むものも。

アクアラインの株価

この業務停止命令を受ける前日、8月末日の同社株価は786円でした。その翌日は636円(-150円のストップ安)。その後もじわじわと下げ続け、9/22には一時532円まで付けています。約33%の下落ですね。

不正・不祥事が表面化した企業の中でも、これだけインパクトが強かったケースは珍しいかもしれません。まぁ、一部業務とはいえ9カ月間の業務停止ですからねぇ。

集団訴訟

今月に入ってからでしょうかね。アクアライン同様、水回り修理で高額請求トラブルが相次いでいる、みたいな報道をよく目にします。例えば、京都府と大阪府に住む男女12人が、業者らを相手取り、損害賠償を求めて8月、地裁に集団提訴した、というお話。

また、愛知県ではトラブル急増を受け、弁護士有志が「悪質!『トイレのつまり』ぼったくり被害対策弁護団」を結成。注意を呼びかけるとともに、損害賠償を求める訴訟の準備を進めている。なんてのもありました。

この弁護団、問合せ先の電話番号をメディア等で露出して、他にもいるはずの被害者を集めようとしていました。この集団訴訟、意外に大きな訴訟になるかもしれません。今のところ、これらの集団訴訟の被告側がどういう企業かという情報がないのですが、アクアラインが含まれている可能性も否定はできません。

NTTドコモ フィッシング詐欺で総額1億円の被害発生

NTTドコモは10/2、「『NTTセキュリティ』などを装ったフィッシングSMSや不正なアプリによるドコモオンラインショップでのApp Store & iTunesギフトカード等の不正購入発生について」を公表しました。

フィッシング詐欺の概要

悪意のある第三者が、「ドコモお客様センターです。ご利用料金のお支払い確認が取れておりません。ご確認が必要です」、などと記したフィッシングSMSを顧客へ発信。

SMSに記載されたURLのリンク先から、「NTTセキュリティ」、「NTT DOCOMOセキュリティセンター」を装った不正なアプリのインストールおよびネットワーク暗証番号の入力を促すことで、顧客の意図せぬ決済が発生する事案が確認されたとのこと。

ドコモオンラインショップにおいてApp Store & iTunesギフトカード等が不正に購入され、身に覚えのない決済による被害が確認されています。10/1時点で被害に遭った顧客は約1,200人。被害金額は約1億円だそうです。

悪意のある第三者

なんだかよく分からない事件ですね。顧客はドコモオンラインショップで必要のない買物されたので被害は被害ですが。悪意のある第三者はどうやって利益を得たんでしょう。不正に購入されたギフトカード等をどうやって手に入れるのか。

ギフトカードの受け取りには、指定の住所まで配送するパターンとEメールで贈るという方法があるのかな。不正なアプリが作動して受取先を悪意のある第三者宛に変更してしまうんでしょうか。この事件、kuniにはよく分かりませんでした。もちろん暗証番号がほかで使われる可能性はあるでしょうが。

ドコモからの上記のようなSMSに関して、身に覚えのある方はいらっしゃいますか?「0120-613-360(24時間・年中無休)」で相談を受け付けてるみたいです。なお、ドコモは顧客の被害額全額を補償するとしています。

三菱電機 品質不正で中間報告書を公表

鉄道車両用空調装置等の検査不正について、今年9月に調査結果と再発防止策を公表するとしていた三菱電機。なんとか10/1に調査委員会がまとめた中間報告書を公表しました。

発生原因

さすがは三菱電機。メディアでも報告書の内容をかなり具体的に取り上げてますね。なので、このブログでは詳細は書きませんが、不正が発生した原因として、「本社部門と現場との距離・断絶が原因の一つ」などと報告されています。これはほんと、不正が発生する企業のどこででも見られる現象です。

会長を辞任し、シニアアドバイザーに

取締役の責任が非常に大きい不正だと思います。報告書でも、次のように指摘しています。

「三菱電機が本件品質不正問題によって存亡にも関わる危機的な状況にあり、本件品質不正問題について取締役・執行役は真摯に反省し再出発を期すべきことを、改めて強調しておきたい。本年7月に執行役社長が辞任しているが、本件品質不正問題の重大さに鑑み、三菱電機経営陣は、その経営責任を明確化する措置を講じるべきである。」

にもかかわらず、取締役会長が辞任してシニアアドバイザーに就いたとのこと。これまでなにもできていなかったのに、このあと何をアドバイスするの?って感じです。

検査成績書を自動生成するプログラム

今回の鉄道車両用空調装置等の検査不正に関して最も驚かされたのが、検査成績書の捏造にとどまらず、乱数を用いて商用試験の嘘の検査成績書を自動生成するプログラムを作成し、品質不正が発覚するまで当該プログラムの使用を続けていたこと。

検査不正等の未然防止策としてデジタル化がよく言われますが、デジタルにもこんな使われ方があるということですね。不正そのものがデジタル化されたんではどうしょうもないです。これも一つの教訓にしないと。

レジャー白書2021 日本生産性本部の余暇創研

9/29付け日本経済新聞で「レジャー白書2021」が紹介されていました。2020年の余暇活動状況について、個別の意識や参加実態に関するアンケート調査および各業界の市場分析から検証して取りまとめたもので、10月4日に発行する予定だそうです。

新型コロナの影響で

わが国における余暇の実態を需給双方の視点から総合的・時系列的に分析・記録している唯一のものだそうで、今回公表分は昨年のものです。新型コロナの影響を受け、余暇関連市場規模は前年比23.7%減の55兆2,040億円と大幅に減少しています。

種目別に見て参加人口が大きく減少し、順位を落としたのは、「国内観光・旅行」や「外食(日常的なもの除く)」、「カラオケ」といった余暇の過ごし方。まぁ、想像通りの結果です。

一方で、参加人口が増加し、かつ順位を上げた種目は5つ。第1位になったのが「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」でした。第7位に入ったのが「ウォーキング」、12位に「体操(器具を使わないもの)」、14位に「ジョギング、マラソン」、20位に「トレーニング」と並んでいます。

ウォーキング ジョギング、マラソン

kuniも毎朝、ウォーキングやジョギングしてます。もう10年以上ですかね。昨年、確かに早朝ウォーキングやジョギングする人は増加しました。上記のデータは昨年分ですが、今年に入ってなお一層増加しています。

犬の散歩をさせる人もメチャ増えてます。どうせ連れて出るなら、人が少ない時間帯に。ということなんですかね。そんなこんなで、近所のウォーキングコースを備えた公園、人ごみ避けられるところだったんですが、今では逆に老人の密が発生しているような状況だったりします。

株式会社レッグス 執行役員の不正行為(その2)

執行役員による不正行為があり、当該執行役員を6月に解任していたレッグス。特別調査委員会の調査結果を踏まえて、不正の概要、取締役の処分、今後の対応についてなどを公表しています。昨日に続き本日は第2弾ということで。

増加傾向にある転職時の情報持ち出し

最近増えてきましたね、従業員による転職時の情報持ち出し。最近だとソフトバンクを退職して楽天モバイルへ転職し、5Gに関する技術情報を不正に持ち出したってのがありました。当該従業員は不正競争防止法違反の容疑で逮捕されています。

最近増えてきたと書きましたが、正確には表面化する事例が増加してきた。でしょうね。従来はほとんど持ち出された企業側が泣き寝入りだったと思われます。上記ソフトバンクの事例などが先例となり、しっかり責任を追及していく。このレッグスの件についても似たような展開になりそうです。

従業員等が退職に際して顧客情報や技術情報を持ち出し、転職先に持ち込むパターン。特にこのケースでは執行役員(取締役ではない)も絡んでいる(というか主導している)ため、今後の展開は非常に気になるところです。この事件の結末は要注目ですね。

関係者の処分と再発防止策

今回の開示で、「代表取締役社長 月額役員報酬の30%を減額」、「専務取締役 同20%減額」、「取締役 同10%減額」(3名とも10月から3ヶ月)という処分が公表されています。

取締役の管理監督責任を問うているわけですが、しかし、再発防止策の方には、取締役や取締役会の業務遂行能力向上策みたいなのが見られません。そもそも執行役員を監視し、適正な業務執行を行わせていくのは取締役の重要な役割ですよね。