鉄道車両用空調装置等の検査不正について、今年9月に調査結果と再発防止策を公表するとしていた三菱電機。なんとか10/1に調査委員会がまとめた中間報告書を公表しました。
発生原因
さすがは三菱電機。メディアでも報告書の内容をかなり具体的に取り上げてますね。なので、このブログでは詳細は書きませんが、不正が発生した原因として、「本社部門と現場との距離・断絶が原因の一つ」などと報告されています。これはほんと、不正が発生する企業のどこででも見られる現象です。
会長を辞任し、シニアアドバイザーに
取締役の責任が非常に大きい不正だと思います。報告書でも、次のように指摘しています。
「三菱電機が本件品質不正問題によって存亡にも関わる危機的な状況にあり、本件品質不正問題について取締役・執行役は真摯に反省し再出発を期すべきことを、改めて強調しておきたい。本年7月に執行役社長が辞任しているが、本件品質不正問題の重大さに鑑み、三菱電機経営陣は、その経営責任を明確化する措置を講じるべきである。」
にもかかわらず、取締役会長が辞任してシニアアドバイザーに就いたとのこと。これまでなにもできていなかったのに、このあと何をアドバイスするの?って感じです。
検査成績書を自動生成するプログラム
今回の鉄道車両用空調装置等の検査不正に関して最も驚かされたのが、検査成績書の捏造にとどまらず、乱数を用いて商用試験の嘘の検査成績書を自動生成するプログラムを作成し、品質不正が発覚するまで当該プログラムの使用を続けていたこと。
検査不正等の未然防止策としてデジタル化がよく言われますが、デジタルにもこんな使われ方があるということですね。不正そのものがデジタル化されたんではどうしょうもないです。これも一つの教訓にしないと。