実務経験の虚偽による施工管理技士等の不正取得を公表したパナソニック。グループで500人以上が不正取得していました。今日は8/31に公表された同社グループの再発防止策についてです。
資格取得を過度に重視しない適切な人事制度の構築
施⼯管理技⼠を昇任要件とし、役職上の優遇措置や経済的なメリットを与えるような人事制度を設けていたことが不適切な資格取得の背景となっていた。ということで、こういう再発防止策が出てきたようです。
しかし、この国家資格が突然価値がなくなってしまったかのように映ってしまう制度変更ってどうなんでしょうね。この資格が求める経験や知識、スキルには何の変化もなく、引き続き重要な資格なんじゃないでしょうか。社内で自己矛盾起こしてしまわないですかね。
資格を取る意味を浸透させ、資格という形だけにとどまらない技術者の成長を促していく態勢が必要だと思います。
コンプライアンス意識の向上と教育の徹底
再発防止策には必ず入っている項目ですね。ところがこの中に、「外部有識者を講師として招く等の方法により、定期的にコンプライアンス意識を向上させるための研修・教育を行ってまいります。」というのがあります。
コンプラが破綻するとき、会社や事業所が持つ独特の伝統やしきたりのような要素が強く働いてるものです。そうした会社独特のカルチャーみたいなものを知らない外部講師を呼んでもしょうがないんです。最大公約数的な退屈な話を聞かされるだけ。
外部講師を呼ぶ企業は多いですが、これこそコンプラやガバナンスにおける「現実逃避」でしかありません。パナソニックの再発防止策、以上2点が気になりました。