役員及び従業員の不正行為(キックバック)を調査していたアイ・テックは9/8、「第三者調査委員会の中間調査報告書(要約版)の公表に関するお知らせ」を公表しました。この件、検察による捜査が進行中のため、物証のほとんどが押収されており、ヒアリング調査が中心のようです。
調査の結果
物証やデータ保全の対象となる機器のほとんどが検察に押収されているため、デジタルフォレンジック調査もできず、同社の役職員及び関係者へのヒアリングに依拠した調査結果だとしています。
行為者は取締役1名と従業員2名(うち1名は退職済み)。行為の期間は2008年ごろから2021年6月までの間で、舞台は東京支社です。2008年から2013年までの間は、どうやら別の役員も絡んでいたようですが、この役員が2014年に死去しており、この間の不正行為については、今回開示された調査報告書では触れられていません。
ということで、2014年以降の行為にフォーカス。取締役と従業員は共謀のうえ、鉄骨工事請負の下請け先である現場施工業者をしてアイ・テックに工事費用を過剰に請求させ、当該現場施工業者が支払いを受けた工事費用からキックバックを受けていました。
当該従業員へのヒアリングによると、現場施工業者に対する工事費用の過剰支払総額は、680,800千円。現場施工業者より受領したキックバックの総額は278,300千円だそうです。キックバックとして受領した金銭はゼネコンへの接待にも使われていましたが、当然私的に流用もされています。
結構な金額ですね。これに2008年からの数年間、別の役員が絡んだキックバックも上乗せされると凄いことになりそうです。2014年に亡くなったのは専務取締役東京支社長みたい。東京支社が舞台ということで、もう一人の取締役も大体分かってきますね。