シキボウ 子会社シキボウ江南で火災

シキボウは8/27、「当社子会社における火災について(お詫び)第1報」を公表しました。8月27日(金)午前6時頃、同社連結子会社である株式会社シキボウ江南において火災が発生したとのこと。同日のうちに第2報も公表されています。

シキボウ

シキボウは生地や原糸を製造する繊維事業を中核に、繊維の製造で培った技術を応用して産業資材や機能材料などを手掛ける企業。最近では航空機部材なんかにも展開してるようです。これらのほか、遊休土地を活用した不動産の賃貸も行っています。

1892年創業で、現社名は敷島紡績という社名から2002年に変更されたものです。kuniなんかは敷島紡績の方が馴染みがあります。

火災の概要

火災が発生したのは株式会社シキボウ江南(愛知県江南市)という会社。午前6時頃、染色工程で使用している薬剤(次亜硫酸ナトリウム)から出火したといいます。機械容器に次亜硫酸ナトリウムを入れる作業中に、水が混入して出火した、と説明されています。

第2報で人的被害はなかったことが確認されていますが、この火災によって、二酸化硫黄ガスの発生が消防により計測されているとのこと。ただ、人体へ影響を及ぼす濃度ではないということです。また、物的被害についても、出火元である薬剤の計量器が破損した程度で、建物への被害はないようです。

次亜硫酸ナトリウムってのはどうやら漂白剤のようなんですけど、水が混ざって出火したりするものなんですかね。ってことで調べてみると、「空気中で粉末の状態で少量の水と接すると、分解によって生じる熱によって引火することがある。」なんて解説が出てきました。こういうことも説明するべきだと思います。水の管理はどうなってたんだ、、、ってことですよ。

東光高岳 検査不正が発覚 三菱電機も?

株式会社東光高岳は8/27、「品質管理に係る不適切事案についてのお知らせ」を公表しました。キュービクル形ガス絶縁開閉装置およびガス絶縁開閉装置において、規格と異なる要領で試験を実施し、試験成績書へ不適切な記載を行っていたということです。

東光高岳

株式会社東光高岳は、電力流通システムを一貫してカバーする製品とサービスを提供する企業。電力網が集中する関東地方の電力インフラの大半を支える、東京電力ホールディングスの持分法適用関連会社です。

2012年、高岳製作所(1918年設立)と東光電気(1928年設立)が一緒になって誕生した会社ですね。実はkuniの知り合いが同社のボードメンバーでもあるので、ちょっとショックなニュースでした。

不正の概要

同社小山事業所で製造するキュービクル形ガス絶縁開閉装置(C-GIS)およびガス絶縁開閉装置(GIS)において、準拠規格であるJEC規格に基づく受入試験(お客様への出荷に際して行う試験)の一つである部分放電試験について、規格と異なる要領で実施し、試験成績書へ不適切な記載を行っていたことが8月23日に判明しました。

ん~、専門的過ぎて何のことやらさっぱり分かりませんな。まぁ、とにかく決められた手順での検査を怠っていたことは事実のようです。ちなみにこの製品の検査不正、どこかで見たような気がしてたんですが・・・。

ありました、8/17付け三菱電機の開示。「当社 72/84kV キュービクル形ガス絶縁開閉装置の不適切検査に関する件」です。三菱電機の件が報道されたことにより、同種の製品を製造する東光高岳でも不正が見つかったということかもしれませんね。

他社の事例に基づき自社内を点検、不正が発覚、、、ということであれば、同社のガバナンスは一定の実効性を維持していたということかもしれません。

マダニが媒介するウイルス感染症 SFTS

福岡県八女市在住の60代男性が8/22、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」で死亡したという記事を読みました。8/16に発熱や倦怠感などの症状で入院し、19日にSFTSと診断され、21日に亡くなったということです。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、主にウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染するダニ媒介感染症だそうです。感染すると、発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)がでて、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴うこともあるとのこと。

国内での年間の感染者は60~100人程度で、なんと致死率は10~30%程度だそうです(厚労省ホームページ)。新型コロナの致死率は諸説あるようですが、2~3%に満たない、みたいなこと言ってますよね。それに比べるとSFTS恐るべしです。

感染経路

上記のようにウイルスを持つマダニに咬まれることで感染するわけですが、ペットの猫や犬がマダニに咬まれ感染。そのペットから、人が咬まれたり、唾液やふんに触れたりしてうつるケースも多いようです。実はこれが一番怖いですよね。

人はマダニが居そうな草むらを避けることができますが、猫や犬には無理。飼い主さんはペットとの接し方、気を付けないと・・・。そういえば最近キャンプが流行ってるとか。これも気を付けないと、です。

2020年代は感染症の時代

なんて言われます。SFTSは主に西日本を中心に報告されてきましたが、最近では静岡でも報告されています。温暖化の影響でしょうか、東日本にも広がっている可能性がありそうです。

コニカミノルタ 辰野工場における2度の爆発事故

少し前になりますが、コニカミノルタは8/16、「コニカミノルタサプライズ辰野工場における爆発について(第2報)」を公表しました。⻑野県上伊那郡⾠野町の同工場で発生した爆発事故の第2報です。この事故の情報、たまたま見付けたんですが、なんと二度目の爆発だったんですね。

辰野工場における火災について

株式会社コニカミノルタサプライズは、「複合機」「プリンター」「デジタル印刷システム」等に使用される、「トナー」「現像剤」「有機感光体」「機能材料」など、化製品の生産を行う会社です。山梨県甲府市に本社を置く、コニカミノルタの100%子会社ですね。

1度目は、7月6日18時頃、グループ会社である株式会社コニカミノルタサプライズ辰野工場にて「火災が発生しました。」という表現で、同社ホームページで公表されました。適時開示の方には公表されていないようです。タイトルも「コニカミノルタサプライズ辰野工場における火災について(お詫び)」となっています。

しかし、公表内容まで読むと、「爆発音があり、生産ラインからの出火を確認」とあります。この時点では「爆発」という言葉を前面に出さず、「火災」としていたんですね。

⾠野⼯場における爆発について

続いては、8⽉12⽇17時15分頃、同じ株式会社コニカミノルタサプライズ⾠野⼯場にて再度爆発事故が発⽣しました。という公表。さすがに今度は「爆発」となっていて、「再度」とも書かれています。しかし、これも適時開示はなし。

一度目の爆発は生産設備内での静電気が原因としています。静電気が原因とみられる粉塵爆発で乾燥機などが焼ける火事だったようです。操業を停止し、安全を確認。火災が発生した生産設備と同タイプの生産装置全てに対策を実施。と、宣言。今月7日に再稼働させたばかりでした。

建設技術研究所 従業員の不正行為 調査報告書を公表

建設技術研究所における従業員の不正行為。特別調査委員会の調査報告書が8/12、公表されていました。kuniが見事に見逃しておりました。すみません。「特別調査委員会調査報告書の受領と当社の対応について」という開示です。

不正の概要

同社社員が同社の外注システムを利用して架空発注を行い、自らが実質的に経営する会社に還流させ、当該会社から当社に転籍した者への給与補填と当該会社の運転資金等に充当していたもので、その架空発注金額は36件、128百万円だったそうです。

この社員をXとすると、Xは自身の父親を代表者とする派遣会社A社を設立。設立の目的は、建設技術研究所で働く派遣社員たちの処遇を改善するためだったようです。彼らをA社に移したものの、派遣業の許可が取れなかったため、結果的に建設技術研究所の契約社員やアルバイトとして転籍させています。

で、彼らの処遇を改善するために架空発注で資金を確保。当該資金が彼らの給与補填に使用されていたとのこと。なにこれ?従業員X氏は不正に手に入れた資金を同僚の給与補填に使っており、なんだか人助けになっているように、、、報告書では書いています。

関与した人物

なんとも驚きの展開になっていますが、驚かされることがもう一つ。従業員Xの上司である技術部次長と技術部部長が、不正な外注が上記補填の原資になっていることを承知で認めていたということです。途中から認めないとしたようですが、その後の不正外注の内容を積極的に確認しようともしていません。

他の業者からきて、建設技術研究所に常駐で働く同僚たちの処遇が酷過ぎて、これを改善しようとX、次長、部長が行った不正行為ですかぁ。まったくもって予想できなかった展開となりました。しかし、これはこれで同社の根深い問題を晒してしまうことになりましたね。