オリジン(6513) 中国連結子会社で不正行為 キックバック(その2)

中国連結子会社で現地責任者による不正行為が発覚したオリジン。昨日の記事で書き切れなかったことなどを追記します。

発覚の経緯

当初はこの不正行為が疑義に留まっていたことから、同社は本社内に調査委員会を立上げ、日本および中国現地の弁護士と連携しつつ、万全を期して調査を進めてきたといいます。そのうえで、同社が現地法律事務所に対して監査を依頼したことが発覚の端緒となりました。

不正な捻出資金

キックバックされていた資金、というか、正確には取引先に支払われた資金も含めた不正に捻出された資金、合計約76百万円。相当部分の回収を進めているようですが、法的措置も視野に入れ損害額の回収に努めるとしています。業績への影響は軽微だと。

不正行為の発生原因

不正行為が発生した原因については、行為者が現地責任者であったことから、業務の属人化と権限の集中により牽制機能が働かず、架空契約が長期間に渡り見過ごされていたものと認識しているとのこと。一番よくみられる子会社任せのガバナンスというやつですね。

内部通報制度についても、既に導入済みであったものの、必ずしも十分機能してこなかったとしています。この「必ずしも」のところについてはこれ以上の説明がなく、詳細は不明です。親会社のガバナンスと子会社における内部通報制度の機能不全。定番です。

こうしてどこの企業でも起きている二つの機能不全。今現在何も起きていない(と思っている)企業こそ、これらの再点検が必要です。事が起きてからでは遅いんです。

オリジン(6513) 中国連結子会社で不正行為 キックバック

株式会社オリジンは7/26、「当社子会社での現地責任者による不正事案発生の件」を公表しました。同社連結子会社である中国の上海欧利生東邦塗料有限公司及び欧利生東邦塗料(東莞)有限公司で不正行為が発覚しています。

オリジン

オリジンは昔のオリジン電気。2019年に今の社名に変更しています。合成樹脂塗料、半導体デバイスと精密機構部品、電源機器、システム機器の製造販売を手掛ける東証一部上場の電気機器メーカーです。

不正の舞台となった、上海欧利生東邦塗料有限公司(上海オリジン)及び欧利生東邦塗料(東莞)有限公司(東莞オリジン)の2社はいずれも、オリジンが60%出資する連結子会社のようです。

不正の概要

各子会社と、現地コンサルタント会社との間で、架空のコンサルタント契約が締結され、各子会社が現地コンサルタント会社に対して支払ったコンサルタント費用の一部が、本件現地責任者に還流されていたことが発覚したとのこと。不正が行われていた期間は、2014年7月~2021年1月迄の間だそうです。

この不正な資金捻出額は、東莞オリジンにて4,230千人民元(約70百万円)、上海オリジンにて376千人民元(約6百万円)とのこと。両子会社の本件現地責任者というのは同一人物のようですね。社内調査により事実を確認済みで、オリジン取締役の処分まで開示されています。

本件現地責任者についても懲戒解雇処分にしたということですが、「本件現地責任者」とぼかした表現になってます。これって子会社取締役のことですよね。董事長や董事、また総経理みたいな。ちゃんとそこを開示した方が良いと思うんですが。

タカラレーベン・インフラ投資法人 電気ケーブルの盗難被害

タカラレーベン・インフラ投資法人は7/26、「LS 稲敷荒沼2発電所における電気ケーブルの盗難被害等発生に関するお知らせ」を公表しました。同発電所の電気ケーブルが切断され、盗難される被害の発生を確認したということです。

電気ケーブル

電気ケーブルが切断され盗難された。と聞いて皆さんピンとくるでしょうか。一般的なところでいうと、ケーブルの芯には銅線が使われていて、この銅線を盗んで皮膜を除去し、銅を販売して換金するわけです。銅線の盗難事件って結構あるんですよ。

タカラレーベン・インフラ投資法人での盗難電気ケーブルが銅線だったか、もっと高価な特殊電線なのかは開示資料では確認できませんが、おそらく盗む目的は一緒だと思われます。

何回目?

今回タカラレーベン・インフラ投資法人の開示資料等を遡ってみたところ、何度も同じような事件が出てきます。今年6/15には、LS水戸高田発電所における電気ケーブルの盗難被害が発生していますし、昨年3/5には、LS静岡御前崎発電所における電気ケーブルの盗難被害が発生しています。

これらの発電所はいわゆるメガソーラー、太陽光発電所のようです。人気のない山岳地等に作られている分、警備が薄いなどの特徴はありそうですし、同一犯によるものなのか、、。しかし、それにしても頻発しすぎでしょう。これもガバナンスの問題かもしれませんね。

株式会社 アイ・テック(9964) 第三者調査委員会を設置 役員の不正行為

アイテックは7/26、「第三者調査委員会の設置に関するお知らせ」を公表しました。同社役員と従業員が取引先に対して外注費を過剰に支払わせ、当該取引先からキックバックを受けていた可能性があることが判明したとのこと。

株式会社 アイ・テック

アイ・テックは鋼材の販売・加工および鉄骨工事請負を主体とする鉄鋼専門商社です。メーカー機能を持つ商社として、国内各工場で製品の製造や各種加工なども行っています。このほか、運送業、倉庫業を手掛けています。

静岡県静岡市に本社を置く、従業員数509名のJASDAQ上場会社。会長と社長の姓が一緒なので、いわゆる同族企業ですかね。

役員の不正行為

またまた役員の不正行為です。「当社役員及び従業員が」とされていますので、従業員も巻き込んで、ということのようです。同日開催の取締役会で第三者調査委員会の設置を決議し、調査を進めていきます。

発覚の端緒は、同社取引先における法人税法違反の捜査だということで、捜査当局による調査にも全面的に協力していくとしています。

取引先にはJFEスチールとか、トピー工業とかあるみたいですね。こんなデカい企業相手のキックバックとかはないだろうけど。

この記事を書いている時点で同社の株価は非表示。ストップ安売り気配かと思いきや、ただ単に売り買い食い合わないだけのようでした。税務当局の捜査が発端ということで、それなりに大きな事件になるかもしれません。

オリンピック スケートボード競技で金メダル

東京五輪の新種目、スケートボード競技で堀米雄斗選手(XFLAG)が金メダルを獲得しました。快挙ですねぇ。高校卒業後に単身渡米。世界最高峰プロツアー「ストリートリーグ」を制し、世界選手権も制した有名な選手なんだそうです。

スケートボード

kuniには全くご縁のなかった競技。今回の五輪で初めて競技そのものを観戦しました。最初は何が面白いのか全く分かりませんでしたが、結構ハマってしまいました。同選手の活躍もあって、日本でも一気に人気化しそうな気配です。

kuniくらいの世代がこの競技に興味を持てた原因の一つは、競技を放送する際の映像技術によるところが大きいと思われます。なんとなく観てる分には、「何が凄いんだろう」って感じでしたが、高精細なスロー映像を見せられると、そこには選手のすごく高い技術が見て取れます。

そしてもう一つ今回の大きなポイントは、堀米選手の人柄です。スノーボードやスケートボードというと、ドレッドヘアにダブダブの腰パンみたいな、昭和世代にはやや受け入れがたい選手像をイメージしがちです。が、堀米選手って全くそういうのがなくて、いかにも好青年ですよね。これは昭和世代を引き付けますね。

XFLAG

堀米選手。米国では大谷翔平選手並みに知名度が高いんだとか。冒頭に書いたXFLAGというのは、堀米選手の所属だそうです。ゲームやスポーツの企画運営会社のようで、同選手のスポンサーというところでしょうか。

ちなみに、XFLAGは上場企業であるミクシィ(2121)の子会社だそう。スケートボード競技の人気化で、同社株の人気化も期待できるかもしれませんね。