新型コロナ ワクチン接種でアナフィラキシー17人?

厚生労働省は9日、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けた医療従事者9人が、重いアレルギー症状のアナフィラキシーとして報告されたと発表した。国内でこの症状の報告は計17人となった。と、報道されていますが、厚労省のHPでは確認できません。なんで?

定義が違うのか

冒頭のアナフィラキシーに関する記述は、あるメディアの記事をそのまま引用したものです。3/9時点で累計17人ということですね。ところが厚労省の報道発表資料を見ても、この情報は掲載されていません。

日付を遡ってみると、3/5に「新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーとして報告された事例について(1例目)」というのが出てきます。さらに遡ってみると、3/2に「新型コロナワクチンの接種後の死亡事例の報告について(1例目)」というのがもう一回出てきます。この事例が話題になった死亡事例ですね。

さらに、さらに遡ると、2/20には「新型コロナワクチンの接種後の副反応疑い報告の事例について」という発表が。内容としては、「2件について、当初アナフィラキシーとして報告されましたが、その後報告者から症状名が訂正された事例です。」とあります。

メディアの姿勢

医療現場から厚労省へ「副反応疑い報告」が上がってきますが、ワクチン接種によるものではない偶発的な症状も含まれていて、後日訂正されることがあるということのようです。そのため厚労省の報道発表資料では今でも「1例目」となっているみたい。

しかしこれって、副反応疑い報告が何例、うち副反応ではないと判断されたものが何例。みたいな情報にして、分かりやすくするべきですね。それと、メディアについても同様で、あくまで「副反応疑い報告」の件数であることを明示すべきですし、後に訂正された(取り消された)数字を含めて恐怖心を煽るような書きぶりはやめるべきです。

ソフトバンク 代理店社長が顧客情報不正持ち出し

ソフトバンク携帯電話の顧客の銀行情報等を不正に持ち出したとして、警視庁サイバー犯罪対策課は、携帯電話販売代理店の元社長を不正競争防止法違反容疑で逮捕しました。ソフトバンク携帯を契約する際に顧客が入力した情報を、写真撮影やコピーをすることで不正に取得していたようです。

情報取得の場面

ソフトバンクの保有する情報が漏れたのではなく、あくまで代理店で顧客が契約のためにタブレットに入力した個人情報を、写真撮影やコピーといった方法で不正に取得しています。調べに対して「法に触れるとは思わなかった」と供述しているとか。

ソフトバンクのプレスリリースによると、2015年から2018年に同社と契約手続きを行った顧客の情報、6,347件が不正に取得されていたとのこと。情報の内容は住所、氏名、生年月日、連絡先電話番号、携帯電話番号から料金支払いの金融機関名と口座番号まで。

情報利用の場面

問題はこの抜かれた情報がどうなったか、ということですね。上記の顧客のうち、62件で金融口座からの不正引き出し被害が発生しているそうです。例のドコモ口座やペイペイなどに不正にチャージして商品を購入し、これを転売して金を手にしていた、例の事件ですね。

この不正引き出し事件で逮捕された容疑者の持っていたパソコンから出てきた個人情報。これを追跡して、ソフトバンク販売代理店から持ち出されたものであることが発覚したというわけです。

金融機関の口座暗証番号はどこからも不正取得されていないようですから、犯人が入手した個人情報の中に、暗証番号と同じ文字列があったりした顧客等が被害にあったということでしょうね。

なお、不正引き出しの犯人のパソコンには約9,500件の個人情報があったとのこと。同じ代理店で契約をしていた格安携帯電話などの顧客らの情報も含まれていたようです。

鹿島建設 元部長に所得税法違反で強制調査 リニア談合でも罰金2億5千万円

鹿島建設は3/1、一部の報道を追認する格好でお知らせを公表しました。昨年度の税務調査の過程で、元部長の所得税法違反容疑に関する調査が行われたことを契機に、協力会社から多額の個人的な借入と、過剰な接待等を受けていた事実も判明したといいます。

所得税法違反で強制調査

東日本大震災の復興事業を巡り、東北支店の元営業部長が下請け業者から数億円を受け取ったものの、税務申告していなかったということが、仙台国税局の強制調査で明らかになったそうです。

国税局に対し、下請け業者の1人は「元部長に少なくとも現金2億円を提供した」と説明しているようです。この調査をきっかけに鹿島建設が独自に調査を行い、協力会社から多額の個人的な借入と過剰な接待等も受けていた事実を掴んだとのこと。

で、昨年12月に懲戒解雇処分としたんだそうです。しかし、この事実は「一部報道」がされる今月まで伏せられていたということですね。これらの後追いのお知らせは同社のホームページだけ。類似案件がなかったのかといった調査も行われた感じじゃないですね。

リニア談合

上記お知らせと同じ3/1、リニア中央新幹線建設工事をめぐるゼネコン大手4社による談合事件で、鹿島建設と大成建設は罰金2億5,000万円の有罪判決を受けたことを公表しています。大成は控訴を検討するとしていますが、鹿島は今後の対応を検討するとしています。

残り2社は大林組と清水建設で、独禁法の課徴金減免制度に基づき公正取引委員会に談合を自主申告。両社は法人のみ同罪で起訴され、東京地裁は大林に罰金2億円、清水に同1億8千万円を言い渡し、確定しています。

同じ日に2件の不祥事が報道されるなんて、どうなんでしょう鹿島。報道側が判決の日に合わせて元部長の事件も報じたのかもしれませんが、、、。それでなくてもオリンピック特需後のこの業界は厳しいはず。こんな自爆をしているようじゃ、この先暗そうですね。

テラ(2191) 証券取引等監視委員会が強制調査

テラ株式会社は3/6(土曜日)、前日にテレビ朝日(テレビ朝日が配信しているニュースサイト) にて報道されたニュースを認め、金融商品取引法違反の疑いで同社取引先等が強制調査を受けている関係先として強制調査を受けたことを公表しました。関係先?なの?

新薬開発を材料に急騰

ジャスダック上場の医療ベンチャー企業「テラ」と「セネジェニックスジャパン」は昨年4月、新型コロナウイルスの重症患者を治療する薬を開発するため、メキシコで臨床試験を始めると発表。鳩山元総理やオバマ前米大統領の名前まで出てきて話題になりました。

4月中旬までは150円程度だったテラの株価は、上記新薬開発の材料でストップ高を繰り返し、6/9には2,175円まで暴騰しました。が、その後、臨床試験の信憑性が疑われはじめ、株価は下落、3/5の同社株価は255円になっています。

昨年12月、東証からは改善報告書の提出命令を受け、提出するも記載された内容が明らかに不十分であるとして再提出を求められていました。そしてとうとう、上記のような株価の動きに関して、証券取引等監視委員会が金商法違反の疑いで両社を強制調査、ということになったんですね。

監査等委員である取締役1名に対する辞任勧告

テラは今年2/15、「監査等委員である取締役1名に対する辞任勧告の決議について」を公表しました。同社取締役会の審議内容がインターネット上で公表されるなど、極めて不適切な事態を引き起こしたため、というのが辞任勧告の理由です。

この取締役(社外取締役)はセネジェニックスジャパンの代表取締役だった人で、昨年12月には同社代表取締役を辞任しているようです。どうやらこの人が新薬臨床試験等の情報発信源のようですね。強制調査の結果が公表されるのはまだまだ先になりますが、かなり大きな事件になりそうです。

ひらまつ 創業者との和解による訴訟の解決

創業者との係争に対応してきたひらまつは3/2、ひらまつ総研から受けていた損害賠償等請求訴訟について、3/1に和解が成立し、円満に当事者間の全ての紛争が解決したと公表しました。昨年9月に訴訟が提起されていますので、ちょうど半年で決着したことになります。

訴訟のおさらい

この損害賠償等請求訴訟は総額12億4,524万円の請求でした。概要と請求金額は以下の通り。
① 業務委託契約に基づく業務委託報酬として、3億3,707万円
② 事業譲渡契約の解除に基づく原状回復として、2億4,416万円
③ ひらまつ株式の譲渡代金として、6億6,400万円

和解の内容(かなりザックリ)

① ひらまつ総研はひらまつに対して、京都高台寺の2店舗に関する事業を返還
② ひらまつはひらまつ総研に対し、1億7,000万円を支払う
③ ひらまつ総研はその余の請求を放棄する

これ以外に、こんなのも。「互いに相手方の名誉もしくは信用を棄損し、又は相手方の業務の妨害となるような一切の言動及び行為をせず、自己の役員及び従業員にも行わせないことを確約する。」 どんだけ揉めてきたかって感じですね。

東京地方裁判所からの和解勧告を受けての今回の解決ということだそうです。ひらまつの新経営陣が設置した、外部調査委員会による調査結果も、裁判所の判断に影響を与えたんでしょうね。

まぁ、さらなる泥沼にはまることなく、和解できてよかったです。和解のニュースを受け、翌日のひらまつ株式は23円高。しょぼく見えますが前日比12.6%高ですからね。市場はしっかり評価したようです。3/5には四半期報告書の提出完了も公表されました。が、しかし、何というか、これでホントに全て収まるのか。は、分かりません。