山王(3441) 中国からの撤退 水素透過膜

株式会社山王は12/4、「連結子会社の異動(持分譲渡)に関するお知らせ」を公表しました。同社は7/14に、連結子会社である山王電子(無錫)有限公司の持分を譲渡することを決議した旨公表していましたが、11/30、中華人民共和国江蘇省無錫市より、譲渡に関する許認可を受けたとのこと。

中国との関係

この開示があった翌営業日、同社株は1,500円から、1,800円台まで買われ大きく上昇しました。もちろん買われた材料は他にあり、「電界メッキによる水素透過膜とその製造方法」に関する特許を持っているというもの。この技術がコストを抑えた水素精製装置を製造するための有力技術として注目されているとか。

ただ、中国からの撤退というニュースも、同社に対する高評価につながったという面も見逃せないのではないかと思います。当ブログでもお伝えしてきましたが、巨大な成長市場という魅力の一方で、様々なリスクが表面化しつつあります。もうこのリスクに目をつぶってはならない時代です。

中国公認ソフトで窃取か

12/10付け日本経済新聞に、「中国公認ソフトで窃取か ドイツ情報機関が警鐘 外資企業、情報漏洩リスク」という記事が。中国で活動する企業に導入が義務づけられている税務ソフトをインストールすると、スパイウエアが知らぬ間に入り込み、第三者にシステムを操られてしまう恐れがある。という内容です。

昔から、中国に進出した日本企業の機密は明らかに漏れてきました。現地従業員(共産党員)を介して漏れた技術情報が、今の中国企業の躍進につながったのは間違いありません。今ではファーウェイでも言われてたように、スパイウエアにより裏口(バックドア)が作られ、情報を抜き取られるわけです。

今後、大統領選が終わった米国が中国との関係に対して規制を強化してくるリスクもあり、、、。そんな場面で山王は、中国100%子会社を譲渡して中国から撤退。で、350百万円の譲渡益を得るそうです。見事です。