理研ビタミン 特別調査委員会の調査報告書受領

7/27、2020年3月期連結決算発表の延期と特別調査委員会の設置を公表した理研ビタミン株式会社。9/23、同委員会の調査報告書を受領し、開示しました。連結子会社の青島福生食品有限公司におけるエビ加工品の取引に係る事実関係の調査でしたね。

結論から言うと

新型コロナの影響で現地へ足を運べない。青島福生食品には調査への協力が得られない。みたいな結果で、要するに取引の実在性を確認するに至りませんでした。というもの。何ともキレの悪い報告書でした。

決算の修正についても、取引の全容や実在性が確認できなかった特定の顧客向けの売上と売上原価を取り消し、売上原価相当分である120億円ほどを営業損益以外の項目とみなして、特別損失に計上するそうです。赤字転落ですね。しかしこれ、誰も妥当性を検証できません。

青島福生食品の対応

調査に対する青島福生食品側の対応が笑えます。同社の設立以来の総経理であり、調査対象についても一番よく知っているはずのA氏は、調査開始後まもなく体調悪化による入院を理由に出社しなくなる。

ほかにも財務部長のC氏は体調不良を理由に、出納担当者D氏は家庭内の事情を理由に出社しなくなる。他の財務部スタッフは調査期間中に一部の資料提出を拒む姿勢を継続する。。。などで、調査忌避を断行。

デジタルフォレンジック調査に関しては、PCに国家機密が存在する可能性、社内の共産党委員会に関係する情報の存在などの問題があるため、拒否られたと。国家機密に共産党、、、エビの加工販売じゃなかったっけ?

とまぁ、いかにも中国らしいというか。やはりこの国に生産拠点なんか置いちゃだめですよ。っていうのが理研ビタミンにとっての貴重な教訓ですね。

海帆(3133) 臨時株主総会の開催日延期に関するお知らせ

臨時株主総会招集のお知らせを7/23に開示し、9月中旬に開催予定としていましたが、9/17、開催日の延期を発表しています。この臨時株主総会に関わる付議議案の確定に時間を要するため、、、だそうです。かなり厳しい事情になっているようです。

なつかし処昭和食堂

海帆(かいはん)は、居酒屋(「なつかし処昭和食堂」など)を中心とした、飲食店舗の企画開発及び運営を事業とする東証マザーズ上場会社です。他の事業はなく純粋な外食産業ですね。今回のお知らせは臨時株主総会開催延期の件ですが、ほかにもいろいろ、、、このところの同社の足取りを見てみました。

2019年12月23日 ノロウイルスによる食中毒事故発生に関するお詫び
2020年03月31日 第三者割当による普通株式の発行
2020年05月11日 役員報酬の減額に関するお知らせ
2020年05月15日 継続企業の前提に関する事項の注記についてのお知らせ
2020年06月30日 第三者割当増資に係る資金使途変更に関するお知らせ
2020年07月09日 債務超過の猶予期間入りに関するお知らせ

昨年12月の食中毒事故発生からどうもおかしくなってきています。第三者割当による2億円の増資は、代表取締役個人に割り当てたものです。業態変更のための改装資金やM&A資金を使途とした資金調達のはずでした。

ところが新型コロナウイルスの感染拡大で資金繰りが苦しくなり、6月には資金使途の変更を公表します。この2億円、ほとんどが人件費と地代家賃に充当されてしまいました。そして20年3月期末をもって314百万円の債務超過に。東証からも上場廃止に係る猶予期間入り銘柄に指定されます。

よく見ると新型コロナ以前、少なくとも2018年3月期から赤字を拡大させてきており、同期間の売上高も大きく減少してきています。そこへ今期はコロナも、、、相当ヤバい状況ですね。

ユニバーサルエンターテインメント 元会長の控訴棄却

9/17付けで、ユニバーサルエンターテインメント(以下、ユニバ社)は、同社の創業者である元会長の岡田氏による控訴が、東京高等裁判所にて棄却されたことを公表しました。2017年6月に経営陣と自身の息子らにより突然会長の座を下ろされた方ですね。

昔のアルゼ

この会社も2009年に社名変更してユニバ社となっていますが、それ以前はアルゼという商号でした。アルゼなら知ってます。パチンコやパチスロなどの遊技機を作る会社ですね。他にもフィリピンで統合型リゾート(IR)事業も手掛けており、OKADA MANILAという施設が2016年末に開業しています。

特別調査委員会を設置

2017年6月に特別調査委員会を設置し、元会長の岡田氏が行ってきた不正行為の調査を開始。その結果3件の不正が報告されています。いずれもユニバ社の海外の連結子会社の資金を不正に流用したというもの。

しかし、実際には最終的に調査結果報告書を受領する前の同年6/29、定時株主総会で取締役としての再任はされず、会社を追われてしまってますね。妻と長男、長女が経営陣と手を組み、この解任劇を起こしています(後に長女は岡田氏と和解しているようですが)。

3件の不正は20億円強という金額ですが、長者番付にも載り、「カジノ王」とも呼ばれるような人がなんでこんな金額で不正を、、、って感じです。

控訴棄却

岡田氏に対する責任追及は、2017年11月のユニバ社による損害賠償請求と、同年12月の同社子会社 Tiger Resort Asia Limited による損害賠償請求(香港特別行政区高等法院)の2本で争っており、今回の判決は前者のものです。

資金の不正流用に関する訴訟は香港の方で争っていて、今回の訴訟は特別調査委員会の調査費用相当額の請求ですね。岡田氏が同社に2129万円を支払うよう命じた判決(今年2月)を不服とした控訴の結果でした。やっぱり調査委員会の設置ってこれくらい掛かるんですね。

「アラ還」ってか

ネットでニュース読んでたら、「アラ還」なる言葉が。アラ還主婦、、、みたいな使い方されてた。アラサーとかアラフォーって言葉は聞いたことありましたが、アラウンド還暦でアラ還って言いかたもあるんですね。kuniはまさにアラ還なので、ドキッとしました。

アラ還の意味

さっそく辞書で調べてみました、

Weblio辞書では、「「アラウンド還暦」の略で、還暦(60歳)前後であること。「アラサー」「アラフォー」から派生した俗語。「鞍馬天狗」シリーズで知られる役者・嵐寛寿郎の愛称「あらかん」を知っている世代、という意味合いも含まれているとされる。」だそうです。

goo辞書では「《「アラウンド還暦」の略》還暦前後の女性。アラサー、アラフォーをもじったもので、平成21年(2009)ごろ、団塊の世代に当たる女性を指す語として注目された。」とあります。

鞍馬天狗の嵐寛寿郎とはまたずいぶんと深いですね。 gooは「還暦前後の女性」と定義してますが、男性の場合は使わないんだだろうか。まぁ、俗語、流行語の類ですから、意味もまだ明確に定まってないんでしょうね。

還暦

ついでに還暦も。

本卦 (ほんけ) がえりともいい、数え年 61歳(満60歳)のこと。十干十二支による生れ年の干支 (えと) に戻る年で、古くから 61歳を隠居の年齢とし、社会人としての生活からの隠退を意味した。また、年祝いの一つで、満60歳の誕生日を祝う長寿の賀をいう。

上代に 40歳以降、10年ごとに行われた算賀の祝いを引継いだ行事で、近世に入ってから一般化された。お祝いに赤い袖なし羽織、赤い頭巾などが贈られるが、これも本卦がえりの意から、生れ変りを意味するものである。、、、だそうです。

kuniも60歳になる来年で今の会社を卒業する予定です。35年間も会社勤め、よく続いたもんです。人生100年時代、あっさり引退ともいきません。ただ、さすがにもう通勤地獄と雇用地獄は味わいたくないなぁと考えさせられる4連休でした。

SPAC(Special Purpose Acquisition Company:特別買収目的会社)

9/18付け日本経済新聞で、SPACを使って資金を調達し、社会的な課題の解決に取り組もうとする動きを紹介していました。SPACは日本では特別買収目的会社と呼ばれます。ただし、日本ではまだ解禁されていませんので、もっぱら米国や英国の話題です。

とりあえず理解

SPACとは、それ自体は特定の事業を持たず、主に未公開会社を買収することのみを目的として取引所に上場する株式会社です。つまり、箱だけの会社に投資家たちは資金を投資し、集まったお金で有望な会社を買収するというスキームです。

投資家にとっては将来どんな会社を買収するのか分からないわけですから、SPACの買収の選別眼だけが頼りです。例えば、ソフトバンクの孫さんがSPACを上場させる、、、と聞いたら投資してみたくなりますよね。孫さんの先見性にすべてを賭けるわけです。

やや古い資料からですが、SPACは上場して買収企業のアナウンスまでに平均約12カ月、買収の完了までに20カ月ほどかかっているそうです。少しイメージ沸いてきたでしょうか。

そして、企業の買収後は多くの場合、SPACは社名を被買収企業の社名に変更して、取引所での上場を維持します。被買収企業からみると、多くの時間やコストのかかる伝統的なIPOよりも、SPACに買収してもらい、同時に上場というステータスも手に入れる方が効率が良いわけですね。

投資家にしても、投資から回収まで数年以上を必要とするプライベートエクイティよりも、短期間で資金回収できるところが受けているようです。

米国で上場ラッシュ

SPACのメリットを書いてきましたが、デメリットももちろんあります。冒頭に書いたようにすべてを任せてしまうわけですし、買収企業も1社ですから、分散投資にはなりません。箱だけ上場しておいて、後から買収した企業に化ける、、、なんてのもなんとなく腹落ちしないというか。。。

米国では今年7月末までで50社を超えるSPACが上場。2兆円の資金を集めているそうで。基本的にバブルの感触があるんですよね。何かに浮かれて、そのほかのリスクが目に入らないような、、、そんな仕組みじゃなかろうかと。