北川工業株式 TOBに関するインサイダー取引で課徴金納付命令の勧告

証券取引等監視委員会は9/11、北川工業に対するTOBに関してインサイダー取引が行われたとして、2人に対して課徴金納付命令を発出するよう金融庁に対して勧告を行いました。日東工業という会社が北川工業に対して実施した公開買付(TOB)を巡る取引です。

役員はセーフ

公開買付が公表されると多くの場合、株価は上昇します。そのため、公開買付を実施することを決定し、その旨を公表するまでの間にその情報を手に入れ、対象銘柄を買い付けることが出来れば、かなりの高確率で儲かるわけですね。今回は二人がお縄になりそうというお話。

一人は公開買付者である日東工業の役員から情報の伝達を受けた者(ある報道では愛知県の30代女性となっている)が235万円の課徴金。もう一人は日東工業と文書開示に係る契約を締結していた企業に勤める者から情報の伝達を受けた者、こちらも238万円の課徴金。

気になるのは、公開買付に関する情報の受領者がインサイダー取引を問われているにもかかわらず、公開買付者の役員が情報を伝達したことについては、法令違反に問われていないことです。

「重要事実の公表前に売買をさせることにより他人に利益を得させる」等の目的を有していなければ、日常会話の中で重要事実を話したとしても、基本的に規制対象とはならないものと考えられます。。。というのが金融庁の「情報伝達・取引推奨規制」に関する見解です。

当該役員が30代の女性に利益を得させることを目的に伝達・取引推奨した、、、かどうかについては立証しきれない。そういう判断なんでしょうね。それにしてもどういうご関係だったのか、気になります。

なぜかメディアが揃って間違えている件

あと一点気になるのが、多くのメディア(新聞)が日東工業株式でインサイダー取引、と伝えていることです。どこぞの間違えた記事を使いまわしてるだけでしょうが。30代女性、、、まで調べるんだったら、対象銘柄くらいは正しく伝えないと。