サンデンホールディングス(6444) 事業再生ADR手続

6/30 東証一部上場のサンデンホールディングスは事業再生ADR手続きの申込みを決議し、事業再生実務家協会に対し正式な申請を行い、同日付けで受理されたことを公表しました。対象債権者は、金融機関およびリース会社で合計十数行。主要取引行は、群馬銀行とみずほ銀行のようです。

負債総額

サンデンは群馬県伊勢崎市に本社を置く、独立系のカーエアコン部品の大手です。グローバルに展開し、カーエアコン用のコンプレッサーは世界で高いシェアを占めています。自動販売機なども手掛けているようです。

リーマン・ショック以降、売上高を拡大してきたものの、米中貿易摩擦や環境規制の強化などから中国・インド市場向け販売が低迷。さらに、今年に入り新型コロナウイルス感染拡大で、グループの海外工場が休業に追い込まれるなど、厳しい業況が続いていたようです。帝国データバンクによると、同社の負債総額は20年3月期末で約1648億円とのこと。

事業再生ADR

事業再生ADRは、会社の経営が行き詰まった企業の事業再生を目指すにあたり、会社更生法や民事再生法、破産法などによる裁判所の法的な手続きによる紛争解決の手続きを使わずに、当事者間の話し合いで解決する手続きの事です。

手続きは金融機関などに限って行われるため、通常の私的再生整理と同様、本業を継続して続けながら、解決策を金融機関などと話し合いで見つけ出すことも可能です。サンデンの場合、法的な整理(会社更生法、民事再生法、破産法など)とは異なり上場廃止とはなりません。

それでも突然のニュースに株価は大幅な下げ。6/30の終値343円から、公表後の7/1は263円とストップ安しました。アフターコロナで自動車関連事業がどう評価されていくのかが気になるところですね。第1回債権者会議は7月14日に行われるようです。

旅工房 従業員による不正 調査報告書

東証マザーズ上場の旅工房。今年5月12日付で「法人営業部門の従業員の不正発覚」を公表していました。併せて外部調査チームによる調査を開始したんですが、6/26付で同チームによる調査報告書を受領し、公表しています。

不正の概要

不正が行われた期間は2017年6月から2020年5月までで、売上げへ与える影響は当初予想の数千万円から、3億8200万円へと拡大(利益への影響は7600万円)しています。

不正の手口は売上の架空計上と、同社においてこれまた架空の仕入れで金券を取得・換金し、そのお金を架空の売上の代金として顧客名義で同社へ振り込むという形がメインのようです。旅行業者、それも法人営業ということで、kuniとしては商流というか、ビジネスを全く理解できていません。上手く説明できなくて申し訳ないです。

この従業員、同社に入社した直後から不正を繰り返してきたようで、最初に金券を換金し、送金したのは退職した前職の会社の口座だそう。前の会社でも架空の売上があってその辻褄を合わせるために送金。これが最初の不正です。

ただ、いずれにしてもこの不正、自転車操業になるのは間違いないですよね。成績を上げるためということですが、、、。kuniも金融機関で顧客のお金に手を出して、穴埋めするためにほかの顧客の口座から、、、。みたいなのを見てきましたが、こんなの必ず破綻します。

被害額等

にもかかわらず、2年10カ月も発覚しなかったというのは、同社のコンプライアンスの態勢があまりに脆弱だったということ。調査報告書でも一通り不備が指摘されています。

この従業員が不正に領得した金券類の総額は3億6600万円。このうち顧客名義で旅工房へ入金された分を除くと約5100万円だそうです。さらに本人が自己負担で仕入先に支払った金額を除いて、約3900万円を利得したことになる。と報告書は指摘しています。

日比谷総合設備(1982) 従業員の不正行為 5億8千万円 (その2)

同社の従業員が取引先従業員と共謀し、架空発注により同社に5億8000万円を支払わせていたという事件。以前、当ブログでも取り上げました。あれから一カ月以上経ちましたが、いまだにアクセス数がかなりあります。その後続報とか聞きませんが、どんな人たちが読んでくださっているのか・・・。

取引先の皆さん

メディアが新たに取り上げてもいないようですし、会社側から新たな情報も開示されていません。にもかかわらず、当ブログではこのところ最もよく読まれている記事なんですよね。よく読まれる記事ってそのあと悪いお話が出てきたりするので気になります。

で、いろいろと妄想してみるわけです。例えば共謀したとされる取引先で実は大騒ぎになっていたりして、その会社の人たちが読んでくださっているとか。さらに例えば、その会社がNTTだったりすると、もの凄い数の従業員の皆さんの関心ごとになってしまいます。あくまで妄想ですよ。

施工管理技士

あるいは日比谷総合設備のなかでさらに新たな事件が発覚しているとかもありますかね。ホームページ覗いてましたら、会社情報の中に「資格取得者」というコーナーが。1級管工事施工管理技士405人とか、1級電気工事施工管理技士135人なんてのがあります。

空調や電気設備工事が本業の同社ですからあたりまえなんですが、最近新たな不正のトレンドとなりつつある、実務経験虚偽申請による施工管理技士資格取得が発覚して社内が大揺れ、、、なんてことになってたりして。などと、これまた妄想しております。

妄想はともかく、先の事件では法的措置を視野に入れ対応を検討ということでしたから、そろそろ何か新たな動きがあっても良さそうですが、、、。

役員報酬1億円以上 三菱UFJFGで10人

三菱UFJフィナンシャル・グループの2020年3月期通期の有価証券報告書。「役員ごとの連結報酬額等の総額等」の項目を見ると、なんと総額が1億円以上の方が10名も。1億円以上の人だけが記載されるんですね。カルロスゴーン氏が虚偽記載していた、アレです。

三菱UFJFG

三菱は皆さんたくさん貰ってるんですね。トップはもちろん社長だった(4月から副会長)三毛氏で2億1500万円。二番手は1億9000万円、三番手で1億8000万円と並びます。三菱UFJ銀行から7名、三菱UFJ信託銀行から2名、三菱UFJ証券から2名となっています(1名は証券と銀行を兼務)。いやぁ、凄いですね。

三井住友FG

気になって他のメガバンクも調べてみました。三井住友フィナンシャルグループの2020年3月期通期の有価証券報告書です。こちらも3名お名前がありますね。トップは銀行頭取の高島氏で1億5000万円。二番手が1億3800万円、三番手が1億3700万円と続きます。

2020年3月期は三井住友FGが、トップを守ってきた三菱UFJFGを純利益で逆転してメガのトップになりました。三菱が海外の銀行の減損処理で多額の損失を計上したのが原因かもしれませんが、トップになったという結果は事実です。にもかかわらず役員報酬のこの差はちょっと気の毒。

みずほFG

「提出会社の役員ごとの連結報酬等の総額等」の欄には、「連結報酬等の総額が1億円以上である者がおりませんので、記載しておりません。」と書かれてます。みずほFGにはいないんですね。ほぼ全員が9980万円頭打ちみたいな感じでしょうか。

今回はメガバンク3行の役員報酬を見てみましたが、公表の仕方に各銀行の色が出ていて面白いですね。しかし、世間の相場とは大違い。やっぱり出世しなきゃダメですね。

野村證券 レポートを巡り日経とバトル?

7/1の日経電子版で「野村コロナで大チョンボ 機関に『売り』個人に『買い』」という記事がありました。編集委員の方が書かれた記事で、個人向けにはコロナの影響は大したことないような業績見通しを示しておいて、機関投資家向けには大幅減益の見通しが示されていたという内容です。ところが、、、。

「チョンボ」にクレーム?

kuniが読んだ記事は上記の通りのタイトルだったんですね。ところが今確認してみると、記事のタイトルが「野村のリポートが示す業績予想の難しさ 機関と個人向けに違い」に変更されています。電子版なので加筆や修正が入ることは珍しくないんですけどね。かなりソフトになってます。

記事の内容はというと、、、おそらく修正されてないんじゃないかと思います。「リポートを信じて投資し、多額の損失を被った投資家が損害賠償請求訴訟を起こせば、野村の不手際が司法の場で厳しく追及されるだろう」という辛口の指摘は残ってますので。

「リポートの発表タイミングと予想の集計タイミングなどにより結果的にこういうことが起きたが、チョンボとは何事か」。野村のつけたクレームはこんなところでしょうかね。で、ソフトなタイトルに修正されたと。

野村としてもチョンボなどではないと言い切ってしまっただけに、野村ホールディングスのHPには6/9付けの「2020~2021年度の企業業績見通し」はそのまま掲載されています。と、ここまで全てkuniの想像です。

チョンボは日経だった?

結果的とはいえ、機関投資家向けの見通しと、個人を含むその他投資家向けの見通しが違うというのは問題です。日経の言いたかったことはよく理解できますし、この記事を読んだ個人投資家の中にはお怒りの方もいるでしょう。けど、ホントのチョンボは大手広告主を怒らせた日経だったかもしれませんね。