キックバック 丸井グループ部長 6500万円着服

マルイは良い会社だ、なんて書いたのもつかの間、グループ会社のメンテナンス部長が下請け業者に水増し請求させてキックバック、6500万円を着服して逮捕されるという事件が発生しました。着服した資金は株取引に充てたとみられているとのこと。

事件の概要を整理

逮捕されたのは丸井グループの施設管理会社「マルイファシリティーズ」のメンテナンス部長。逮捕容疑は、店舗の照明をLEDに変更する工事をめぐり、下請けの工事会社に水増しした見積書を作成させ、マルイファシリティーズに提出。同社から過大な工事費を支出させ、7700万円を詐取したというもの。

日経の記事などはやや錯綜した報道になっていましたが、この事件3つの金額が出てきています。1億3000万円、7700万円、6500万円。少し整理しておきましょう。水増しすることにより、マルイファシリティーズが余分に払わされた金額が、2013年10月から2014年6月の間で7700万円。この期間以外にも同様の手口で詐取されていて、合計で1億3000万円ということのようです。

そのうちの6500万円を容疑者が着服しているといいますから、あともう6500万円の行方が分かりません。報道によっては、1億3000万円を詐取した金額としてるところもあれば、業者に発注した金額と伝えているところ(日経)もあります。まだ混乱してますね。

一番わかりやすいのは、容疑者に協力した下請け業者側の担当者が、山分けで6500万円を手にしているというシナリオですね。もう少し捜査、報道が進むのを待ちましょう。

発覚の端緒

この件、どのようにして発覚に至ったんでしょう。この手の業者との癒着みたいな関係は、内部通報により発覚というパターンが多いんですね。丸井グループは「丸井グループホットライン」という、取引先にも開放された内部通報制度を設けていて、社内に加えて社外の弁護士事務所にも窓口を設けているようです。WCMS(内部通報制度認証)はまだみたいですが。

今回の事件、メンテナンス部長は背任罪(刑法247条)の対象になり得るとして、社内的には懲戒解雇ということでしょうね。残るはやはり、下請け業者側へ損害賠償請求・・・といった展開になっていくのかが注目されます。

内臓脂肪面積 なぜ体積や重さじゃないのか?

以前から気になってたんですが、内臓脂肪の付き具合を表現する際、内臓脂肪面積という言い方をするんですね。普通、身体に付いている脂肪の量を示すなら、体積だとか、重さで示した方が良さそうなもんですが、なぜかよく見るのは内臓脂肪「面積」なんです。不思議。

内臓脂肪とは

ということで調べてみました。内臓脂肪とは、腹腔内の腸間膜などに蓄積している脂肪のことだそうです。最近では、内臓脂肪の蓄積を防ぐことが、心臓病をはじめとする生活習慣病の予防につながると考えられていて、内臓脂肪の過剰な蓄積、つまりお腹周りが大きくなってくると要警戒ということになります。これがいわゆるメタボリックシンドロームの概念です。メタボですね。

お腹周りの断面で判断

メタボリックシンドロームの診断基準では、内臓脂肪の蓄積を必須の基準としているそうです。この場合の内臓脂肪蓄積とは、CTスキャンでおへその位置で体を輪切りにしたときの内臓脂肪面積が100cm2を超えているものを指します。そう、CTスキャンで輪切りにした時の面積を基準にしているから、内臓脂肪面積という言葉が使われるんですね。

これに相当する簡便な目安として、ウェスト周囲径(男性85cm以上、女性90cm以上)が採用されているんだそうです。CTスキャンを使って計測するなんて、たしかに日常的にはできませんが、かといってこれほどいい加減な目安を振り回すのも困りものです。身長180cmの人も160cmの人も、同じ85cmとはね。kuniは先日の健康診断で76cmでした。

皆さんのお腹。おへその辺りで輪切りにした絵を想像してみてください。内臓の周りについている脂肪の面積が、折り紙の大きさよりも多いようだと、「ヤバい」ってことですね。ちなみに、内臓脂肪面積が100cm2の状態=「重さに換算すると3kg程度の内臓脂肪が蓄積していると考えればわかりやすいでしょう」という説明をされている先生がいらっしゃいました。

マルイの売らない店 体験型店舗

週刊東洋経済で「売らない店の挑戦と勝算」という記事を読みました。ECに押されて、衰退してきた百貨店。先月も大手老舗百貨店の店舗閉鎖のニュースを見たような気がします。マルイもその類だとばかり思ってましたが、とんでもない。10期連続増益だそうです。

売らない店

マルイが言う「売らない店」とは、「消費者がブランドと出合い、体験する場所」のことを指します。つまり、商品を売るための場所ではなく、顧客と、マルイにとっての店子であるEC業者等が出合って、体験する場所。そんな意味ですね。

売ることを最終目的としている旧来の店舗では、顧客は「買わされている感」を抱いてしまう。売らない店では、顧客は最終的に買わなくてもいいため、気兼ねなく体験を楽しめるということのようです。

で、顧客はリアル店舗でしか実現できない体験をしたのち、気に入ればスマホからネット経由で買う。こういうビジネスモデルが成功してきているというんですね。確かに店舗で店員に話しかけられると、話を聞くだけ聞いて買わないのって気が引けるじゃないですか。最初から売らない店であれば、気兼ねなく相談できそうです。

SC型(ショッピングモール型)

マルイも従来はモノを仕入れて販売する百貨店型のビジネスモデルだったようですが、今ではテナントの賃料収入をベースとするSC型へ移行したとのこと。冒頭で書いた体験型店舗や飲食店を「売らない店」と再定義し、今では全売り場面積の30%を占めていて、5年後には60%まで引き上げるようです。

特に力を入れているのが、D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)と言われる、SNSなどを活用した消費者との強い関係を強みとするEC事業者だといいます。インスタグラムとかを駆使してユーザーをつかむ新興EC事業者とのコラボなわけですね。このビジネスモデル、イケてます。マルイを傘下に持つ丸井グループ(8252)の株式にも注目しましょう。

しかし、、、マルイにはkuniも時々行くんですが、こうした変化、、、残念ながら全く気づきませんでした。イケてません。

大和ハウス ガバナンス強化策 取締役に定年制

大和ハウスが同グループのガバナンス強化策を公表しました。建築基準不適合への改修等の対応が概ね一段落したこともあり、打ち出してきたものと思われます。で、その目玉が社内取締役の定年制(代表取締役は69歳、取締役、執行役員、監査役は67歳)導入です。が、しかし、、、いきなり例外ありで、81歳の樋口会長は続投。なんだこれ。

4つの基本方針

ガバナンス強化策は4つの基本方針からなっており、以下の通りです。
① 経営体制及び管理・監督のあり方の再検討
② 業務執行の機動性及びリスク対応体制の強化
③ リスク情報の収集と共有の強化
④ 持続性・実行性を支える環境の強化

これまでの不祥事への対応として、「事業部門ごとの責任体制の明確化」や「コンプライアンス推進部の新設」、「コンプライアンス研修の継続的実施」などを掲げています。また、内部通報を1年半も放置してしまったことを受け、「内部通報の外部窓口(外部法律事務所)の設置」や「経営への報告基準や報告のフロー整備」なども盛り込まれています。

さらに、アクティビストらからの要請に応える形で、社外取締役の充実や、海外での事業経験のある取締役候補者を選定、、、といった対策も。プレスリリースや添付されているプレゼン資料を読むと、一通り必要なものは揃えたぞ、っていう感じですね。

いきなり例外かぃ

今年6月、建築基準不適合が発覚した直後、樋口氏はCEOを退き、代表権のない会長になりました。そのときも引責辞任ではないことが強調されていましたが、今回もせっかく作った新ルールの例外適用第1号。なんでここまで忖度する必要があるんでしょうね。

ルールを定めても例外はある。これがこの会社のカルチャーのようです。改善すべきはこのカルチャーでは??? ガバナンスの強化策をいくら作っても、いざという時に例外運用してたんじゃ、会社は変わりません。

ラック株急落(3857) トレンドマイクロ(4704)は大幅高

先週末の株式市場でラック株が急落してましたね。前週末の株価が1305円で、先週末は1127円。おまけにこの日はほぼ安値引け。この会社、日本貿易保険におけるシステムの入札妨害事件で逮捕者が出た際、同社社員も書類送検されたことから、当ブログでも取り上げたことのある会社です。

ラック急落の謎

その後、会社自体は悪くない会社だなと思いながら、株価と事件の進展状況を両睨みしてきましたが、ここで急落となったわけです。11/5に第2四半期の決算を発表していて、売上高6.0%増ながら、営業利益90.0%減益という内容。ただし、減益の理由は「社内システムの刷新や事業拠点新設」とのことですから、それほど後ろ向きに捉える必要はなさそうです。

決算短信もサクッと眺めてみましたが、システムの刷新や新オフィスの開設で、全社共通費用が3億円弱上昇してますので、利益が出にくくはなっています。が、それにしても、株価の下げ方がきつすぎる感じがします。日本貿易保険の事件の続きがあって、同社に関する不正等の情報が近々公表されるのでは、、、などと勘ぐってしまいます。

調べてみると、いちよし証券のアナリストがレーティングを「A」→「B」へ引き下げ、フェアバリューは2000円→1500円に引き下げた。。。という話はあるようです。詳細はいちよし経済研究所まで。

トレンドマイクロは大幅高

一方で、同業(と言っていいのかな)のトレンドマイクロ株は、週末金曜日、大幅高しています。11/6に、同社元社員が12万人分の個人情報を第三者に売却していたという事件を公表したにもかかわらず、、、です。公表後2連騰で、このところの高値を更新してるんですね。

トレンドマイクロの大幅高、投資家の反応がいまいち読めません。悪材料を公表した日が底になって、即反発し始める。この情報漏えいの事件に関する情報も、社外に漏れていたかのような動きなのはちょっと気になりますね。