クラレ 活性炭談合で課徴金 7,147万円

クラレは公正取引委員会より、東日本地区および近畿地区の浄水施設、ごみ焼却施設等の一部で使用される特定活性炭の製造販売に関して、独占禁止法に違反する行為があったとして、 7,147万円の課徴金納付命令を受けました。

課徴金納付命令は11社

課徴金納付命令を受けたのは11社。このうち上場企業はクラレだけのようです。談合の調整役は本町化学工業株式会社という企業で、入札等に先立ち、クラレを含むその他の企業に対し、落札者を決めたり、落札者に協力するよう調整をしていたというものです。メディアでは調整役と書かれてましたが、まさに元締めって感じですね。

公取委の命令書では、「遅くとも平成25年10月24日以降」、こうした談合行為が行われていたと書かれています。また、「東日本地区と近畿地区で」ほぼ同じ企業が談合に加わっていて、かなり昔から慣習のごとく続いてきた行為のようです。

公取委としては、公共の利益に反して、活性炭の取引分野における競争を、実質的に制限していたことに対して法令違反を認め、課徴金を科したわけです。一方で、公正な競争が行われなかった結果として、自治体等は高い支払いをしてきたわけですから、当然損害賠償請求なんてことになるんでしょうね。

クラレは平成29年1月に参入

さきほど「遅くとも平成25年10月24日以降」と書きましたが、クラレについては「平成29年1月1日以降」となっていました。ガバナンスやコンプライアンスがまだまだ緩かった時代ではなく、一昨年にこの談合に加わったという事実。

クラレではこの年、コンプライアンス体制を整備・運用していくため、「リスク・コンプライアンス委員会」が設置されています。皮肉な結果ですね。ちなみに、クラレでは取締役への業績連動型報酬や、ストックオプション制度が設けられているようですが、クローバック条項※は見つかりませんでした。

※ クローバック条項は、何らかの経営判断の誤りで損失が出た場合に、経営陣から在任中の報酬を取り戻す条項のことです。

スミッシング詐欺被害(SMSフィッシング詐欺) 9月急増

フィッシング詐欺のうち、SMS(ショートメッセージサービス)を使用するものをスミッシング詐欺と言いますが、これが9月激増しているそうです。10月のデータはまだ公開されてないようですが、注意が必要です。SMS、皆さんもご注意ください。

9月急増

インターネットバンキングに係る不正送金被害については、2016年以降、発生件数・被害額ともに減少傾向が続いており、今年も月間数十件程度、被害金額も3千万円以下という状況でした。ところが8月(105件、7400万円)、9月(436件、4億2600万円)と急増し、2012年以降の最多件数を記録しています。

最近の手口

メールにあるリンクをタップすることによりフィッシングサイトに誘導され、インターネットバンキングのパスワード等を入力させ、これを盗み取るという手口です。特に最近の手口としては、フィッシングメールにSMSが使用されていること。リンク先サイトでは、正規サイトのURLと誤認させるため、HTTPSが使用されていたり、.jpドメインが使用されているようです。

さらに、アカウントやパスワードの情報のみならず、ワンタイムパスワードや秘密の合言葉等を入力させるなど、巧妙な手口になっているようです。

以下は実際に送られてきたSMSの一例です。

お客様の〇〇銀行口座がセキュリティ強化のため、一時利用停止しております。再開手続きをお願いします。https;//www.・・・・

被害に遭わないために

被害に遭わないために、心当たりのないメールは放置すること。取引のある銀行からであっても、メールに記載されたリンクに安易にアクセスしないことですね。これだけSMSが悪用されていることは、金融機関も承知しています。SMSからリンクをたどるのではなく、正規のサイトを訪れて対処するようにしましょう。

日本人の読解力低下 日本語が読めない人3割

少し前の日経ビジネスの記事が伝えていた話です。「今の中高生の1/3は、日本語の簡単な文章が理解できない」という話。正直なところ「マジか」って感じです。簡単な読解テストを2問載せていましたが、そのうちの一つを以下に掲載しましょう。

問1 次の文を読みなさい

Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

この文脈において、以下の文中の空欄に当てはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。

Alexandraの愛称は(   )である。

1.Alex  2.Alexander  3.男性  4.女性

正解は 1.Alex

そもそも質問を読みながら皆さんはきっとどこかに引っ掛けがあるんじゃないか、、、なんて警戒しませんでしたか。引っ掛けも何もありません。誰が読んでも答えは1.Alex になるはず。が、しかし、中学生の62%が、高校生の35%が不正解なんですと。ちなみに4.女性と回答して間違えた人が多かったとか。

日本語の文章の「係り受け」を問う問題だそうですが、文法の話はともかく、この程度の読解力がないというのは大問題です。日経ビジネスではこうした事実を例にあげて、日本の人材力低下に警鐘を鳴らしていました。

素人なりの考察

例文の中に「女性の名Alexandraの愛称である」という記述があります。ここだけに目をやると、「女性」と回答した人の感覚も分からないでもないような気もします。文章全体での主語述語、修飾語との関係を理解できてないのか、理解しようとしないのか。SNSなんかでも、とにかく短文ですべてを伝えようとする習慣の弊害でしょうか。

スルガ銀行 貸出債権放棄へ 見切り千両

スルガ銀行が、シェアハウス所有者向けの貸出債権を事実上、放棄する方向を打ち出してきました。土地・建物の返却を条件に借金を帳消しにするという異例の対応です。この約1か月間で、シェアハウスの問題と創業家の問題、一気に解決したことになります。

見事な決断

創業家がファミリー企業経由で保有している同行の全株式を、ノジマが取得すると発表したのが10/26でした。そして11/20にはシェアハウス問題にメスを入れ、一連の不祥事に伴う「負の遺産」の処理にメドをつけることになります。これはなかなかできない決断だと思いますね。特に銀行にはできない判断のように思います。

わずか1か月間で見切りをつけたこの判断。相場の世界では「見切り千両」などと言いますが、お見事だと思います。今年6月、外部から副社長に就任した嵯峨行介氏(元はリクルートコスモスでしたか)の手腕によるものでしょうか。創業家排除に協力した、野島廣司社長の力もあったかもしれません。

損得勘定

借り手の借金を帳消しにして、シェアハウスという資産を抱えることになりますが、これがかなり傷んでしまった資産なわけです。そのため、速やかにシェアハウス向けの債権を第三者に売却するための入札手続きを始めたと伝えられています。

19年3月期に多額の貸倒引当金を計上していますので、おそらくこれ以上の損失が追加されることはないんでしょう。現時点での評価損を引きずることなく、すべて処理してしまうわけですね。

投資や事業に失敗した場面、当事者たちはついつい判断を先送りしてしまいます。そのことが命取りになる事例を何度も見てきました。今回のスルガ銀行の決断、棄損したブランドや信用をここで一回リセットできるという意味で、同行の将来にとって非常に大きなメリットがあると思われます。

SBI砲炸裂 福島銀行 地銀が動き出した

11/11 この週の株式市場が開く直前に「SBIと福島銀行が資本・業務提携」というニュースが。前週末の終値243円の福島銀行株はこの日310円まで買われました。翌日も値を飛ばし、3日目には470円まで付けています。凄いですね、SBI砲の威力。

地銀の地殻変動が

9月上旬には、SBIと島根銀行が、資本・業務提携するというニュースがあり、当ブログでも取り上げました。SBIは全国の地方銀行と資本提携する「連合構想」を掲げていて、地銀再編の呼び水となる可能性がありそう。なんてことも書いておきました。

第二弾に選ばれたのが福島銀行。島根銀行同様、金融庁が最も気にしている地銀の一つですし、当局的にも好感度抜群ですね、SBIの施策。株式市場で銀行株を空売りしてる投資家にとっては、恐怖のSBI砲です。おちおち売ってられません。当然、多くの地銀株で買戻しが進みました。

前にも書いたように、東海東京証券や野村證券も地銀との提携等を進めています。地銀の地殻変動を主導するのが証券会社とはねぇ。数年前までは想像もできませんでした。

次のターゲットは

収益力(ROA)の低い地銀で、現在金融商品仲介でSBIに委託を行っている地銀。という流れで調べてみると、福井銀行、高知銀行、長野銀行、青森銀行、宮崎太陽銀行、、、なんかが出てきますね。これらの地銀、いずれも証券子会社を持っていません。

証券各社による地銀の奪い合いが熾烈化する一方で、地銀自身の新たな動きも出てきたようです。東日本銀行が横浜銀行から頭取を受け入れ。南都銀行が郵便局との共同窓口設置。山形銀行が銀行初の全額出資で地域商社設立。。。なんていうニュースも、ほぼ同じタイミングで伝えられています。