経営者と株式投資

先週末でしたでしょうか、「『投資家CEO』は悪者か」という記事が日本経済新聞に掲載されていました。Deep Insight というコラムです。日経本社コメンテーターの方が、上場企業の経営者が株式投資を悪と考えていることについて、問題提起していました。

経営者の「投資リテラシー」

記事では、信越化学の金川会長を例にあげ、株式投資を経験することで投資リテラシーを高める必要があるのではないかと書いています。経営者の投資リテラシーとは、自らが率いる会社を投資家の視点で客観視する力だ、とも言ってますね。ごもっともなご意見だと思います。投資リテラシーが低いがために、1億円以上の金品をもらっていても、平気な顔してられるわけです。

M&Aにしても同じ

また、日本電産の永守CEOも例にあげ、有望分野や有望企業を見付け、買収等の資金を投じる決断はまさに株式投資そのものだ、とも。不採算事業分野等を売却する行動にしても、株式投資の売りそのものだとも書いています。なかなか良いこと書いてくれてますね。

例にあがった金川氏、永守氏、いずれも若いころから株式投資に慣れ親しんでいたということです。そうした経験から経営を株主の視点で捉え、事業や企業の買収や撤退の判断力を磨いてきたということですね。

上場企業の経営者に株式投資は必須

この記事の筆者が言ってるように、kuniも経営者は投資をするべきだと思います。株式を上場した経営者は、上場時に一定の自社株式を手放して、売り出しという形で一般投資家に買ってもらいます。それで大金を得るわけですね。証券会社もその巨額の資産に対して様々な資産運用を持ち掛けるわけですが、意外に他社株式への投資を嫌う経営者が多いんです。

保有する自社株式を公開時に売り出し、巨額の資産を手に入れておいて、株式投資は悪だ、、、はシャレにならんでしょ。とよく思ったものです。創業者に限らずサラリーマン経営者も含めて、経営者はもっと株式投資、、、するべきだと思いますね。

ビーガン、ベジタリアンに配慮した食品

今年の夏、崎陽軒がビーガン(完全菜食主義者)に対応した弁当の受注販売を始めるというニュースがありました。kuniがビーガンという言葉を覚えたのは、たぶんこの時が最初だったんじゃないかと。その後、代替肉の話題など、このところやたらと目にするようになってきました。

世界の常識

世界では、食品に「グルテンフリー」や「ラクトースフリー」、そして「ビーガン」といった表示がされるのが、もはや当たり前だとか。ネットで調べたんですけどね。ところが、どれもこれも知ってるようで知らない言葉ばかり。日本でもこんなのは当たり前なんだろうかと思いつつ、調査結果を。

グルテンフリー(gluten-free)とは、小麦粉に代えてジャガイモ粉、米粉、トウモロコシ粉などを原材料とする、グルテンを含まない食品を指しているそうです。もともとは小麦粉アレルギー対策だったようですが、最近では健康・美容効果が見込める食品としても注目されているとか。

ラクトースフリー(lactose-free)とは、牛乳に代えて豆乳やライスミルク、オートミルクなどを原材料とする、乳糖を含まない食品のことだそうです。乳糖不耐症といって、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする人向けのようです。kuniはちょっと該当してるかも。

そしてビーガン(vegan)というのが、ベジタリアンの中でも、卵や乳製品を含む動物性食品を一切口にしない人達(完全菜食主義者)のことを指していて、この表示がされている食品はまさにビーガン御用達であることを示してるということです。ビーガン食品の認定団体みたいなのもありますね。

訪日外国人への食品提供

訪日外国人がここまで増加し、インバウンドという一大産業となったいま、和食をはじめとした食品全般において、ビーガンやベジタリアンへの配慮は欠かせません。2018年の訪日外国人3192万人のうち、4.8%にあたる150万人がベジタリアンという推計を載せてるブログがありました。訪日ベジタリアンの市場規模は468億円だとも。

あれこれ調べてみて、日本はまだまだベジタリアンやビーガンに対する配慮が欠けているように感じますね。もともと和食や精進料理など、彼らと相性の良い食文化を誇る国なんですから、食品提供に際しての世界標準レベルの食品表示、速やかに導入すべきですよね。

レオパレス21、ホテル3棟160億円で売却 新たに2816棟に不備

10/4 レオパレス21は財務体質の強化を目的に、ホテル3棟を160億円で売却することを発表しました。売却益は約78億円とのこと。あわせて、新たに2,816棟の物件で不備が見つかったことも公表しています。このところ全然チェックしていませんでしたので、久し振りに整理しておきましょう。

3/31時点で公表したデータ

 レオパレス全棟合計  39,085棟
 調査判定済み合計  20,285棟(判定済み率51.9%)
 不備あり    合計  7,085棟(不備率34.9%)
 軽微な不備を加えると 14,599棟(不備率72.0%)

9/30時点で公表したデータ

 レオパレス全棟合計  39,085棟
 調査判定済み合計  35,178棟(判定済み率90.0%)
 不備あり    合計  11,618棟(不備率33.0%)
 軽微な不備を加えると 26,299棟(不備率74.8%)

こんな感じです。調査判定作業、やっと90%まで来ました。しかし、不備が見つかった物件の改修工事を終えたのは、まだ900棟とのこと。なかなか進んでないようです。

ホテル3棟の売却

有価証券報告書で見ると、ホテルレオパレス札幌他3棟となってますので、今回売却する札幌、仙台、博多の3ホテル以外にもう一つ所有しているようです。プレスリリースではホテルレオパレス名古屋の株主優待に触れているので、これで合計4棟ですか。名古屋やグアムのリゾートホテルは残したみたいです。

入居率の推移

80%を下回ると支払いが収入を上回る逆ザヤに陥ると言われている入居率は、9月末で80.07%。3月末の84.33%から確実に下げてきています。これまで毎月0.5%程度下げていましたが、9月は0.14%の下げ。下げ止まりの気配とみるべきなのでしょうか。とはいえ、来月には割れてきそうですね。ちなみに、レオパレス21のホームページで入居率等の月次データは公表されています。

関西電力の会長、社長 他企業の社外取締役や社外監査役を辞任

週末の日本経済新聞のニュースです。関西電力の会長、社長が他企業の社外取締役や社外監査役を辞任するとのこと。また、別の面では、同社監査役が金品授受の実態を把握していたにもかかわらず、取締役会への報告を怠っていたことも判明したと伝えています。

社外取締役や社外監査役を辞任

前回、会長、社長とも速やかに辞任すべきと書きましたが、その前に社外取締役等の社外職を辞任するようで。しかし、笑っちゃいますね。一億円以上金品受け取ってた人達が社外では取締役会の御意見番やってたってことですからねぇ。社外取締役や社外監査役を続けていると、その企業に迷惑をかける、、、と考えたんでしょうか。だったら、関西電力に対しても同じことです。

関与したことが判明している会長、社長ほか関与していた役員の辞任は速やかに行い、第三者委員会による公正な調査を実施してほしいですね。そして何より重要なのは、過去の不正・不祥事に対する是正対応と、今後の原発再稼働の是非という問題をしっかり切り離して議論することです。当事者たちに限らず、我々国民としてもその点を意識して見守る必要があると思います。

監査役の報告義務違反

前回、金品を授受した取締役について、会社法の「会社取締役の収賄罪」の適用もあるかもしれないことを書きました。こちらは、会社取締役の贈収賄罪を規定した会社法第967条第1項です。

そして今度は、会社法第382条。監査役の取締役会への報告義務違反が発覚しました。もう、何のための監査役なんだか、、、って感じです。不適切だが不正とまでは言えない、、、って解釈なんですかね。382条の条文を載せておきます。

第382条(取締役への報告義務)
監査役は、取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令若しくは定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を取締役(取締役会設置会社にあっては、取締役会)に報告しなければならない。

株式委託手数料 無料化

先週末の日本経済新聞に「米証券、売買手数料ゼロへ ネット大手、新興の攻勢に対抗 体力勝負、再編観測も」という記事がありました。先行していた米国の最大手チャールズ・シュワブに追随し、ネット証券2社が株式の売買手数料をゼロにするというニュースです。

ロビンフッド

手数料無料を先導したのが、新興勢力のロビンフッドという会社。この新興勢力に対抗する形で、その他のネット証券が競って手数料をゼロにし始めたということのようです。これらに加えて、記事ではJPモルガン・チェース(こちらはネット系ではない)がリテール銀行の顧客向けに、売買手数料を一定回数まで無料とするサービスを始めたとも伝えています。

日本でも無料化へ

日本も将来的には売買手数料ゼロに進んでいくんでしょうね。ここで、この記事を理解するためにいくつか足もとの実態を見ておきましょう。記事で売買手数料と言っているのは、株式委託手数料のことです。株式(ETF含む)を取引所で買う注文、売る注文を出すときに、証券会社に支払う手数料ですね。

1,000万円のA株式を買うケースを考えてみましょう。野村證券では支店に電話して買う場合、81,928円の手数料が掛かります。同じ野村證券でもインターネット取引の契約をしている人がネットから発注する場合は、同じ注文でも10,476円しか掛かりません。

次にネット証券のSBI証券を見てみます。同じ注文をネットで発注する際の手数料はスタンダードコースで、1,013円です。PTSへの発注ですとさらに安く、963円です。PTSというのは取引所に出すのではなく、SBIジャパンネクスト証券の中で値付けするもので、同社の私設取引システムのことです(機会があればいずれまた詳しく書きます)。

どうでしょう。最大手証券の営業マンとの取引からネット証券での取引まで、株式委託手数料もこれだけ違いがあるんですね。ちなみに野村証券の19年3月期の株式委託手数料収入は915億円。総収益が5,750億円ですから、今でも全体収益の16%を占めています。これがゼロに、、、。

さぁて、1999年10月に始まった株式委託手数料の完全自由化。あれから20年、株式委託手数料の無料化バトルがl始まりそうな気配です。