IFA(独立系金融アドバイザー)

6/4付け日本経済新聞に「独立アドバイザー 存在感 資産形成で個人に助言 金融機関に属さず中立性強み 業界団体、今夏に設立」という記事がありました。何だか記事の見出しが最近やたらと長いんですが、、、。

kuniが証券界に居たころから既に気配はありました。支店の営業員がパラパラと辞めていき、気が付くとどうやら繋がりのある営業員がセットで退職してIFAに、、、なんていうことが。まぁ、退職の理由はいろいろなんでしょうが、IFAになるというのはかなり有力な選択肢になりつつあることは確かなようです。

顧客本位の業務運営

証券会社、特に総合証券の営業員は3年に一回とかの転勤があり、顧客と長いお付き合いが難しいという問題がありました。顧客側からも担当者がころころ変わることに対する不満はよく聞きましたね。そういう面では、転勤のないIFAは生涯のパートナーになりうるというわけです。

また、もう一つ大きいのが、営業員が顧客に勧めたいと思わない商品でも、販売しなければならない場面があるということ。引受をやっている限り、引き受けた商品(株式や債券)を必ず誰かに買ってもらわなければなりません。たとえ、営業員が今この商品を買うべきではないと思っていたとしてもです。独立系ではこのようなお家の事情がありません。

一方で、引受部門があるからこそ、IPO(新規公開株)が手に入る、なんていうメリットもありますが、これもすべての顧客に渡せるわけではありません。トータルで見ると独立系の方が顧客に優しいでしょうね。記事が書いているように、まだまだこれからIFAになる証券マンは増加すると思います。

証券会社側にも組織上の問題が

このように証券会社から独立したIFAの方が、顧客にとっては頼りになりそうなんですが、証券会社側にも似たような事情があるような気がします。調査部門、引受部門、海外部門、法人部門といった部門をたくさん持つ総合証券会社では、部門間で様々な問題が発生します。

先ほどの、引受玉(引き受けた商品のことで「ギョク」と読みます)の問題もそうですね。引受部門が顧客に喜ばれるようなディールでは、それを販売した顧客には喜ばれない結果になることが少なくありません。一種の利益相反が起こるわけです。昨年のソフトバンクのIPOなんかがそうです。

また、引受部門や調査部門が非公開情報を入手した場合は、その情報が営業に使われないように、高度な情報管理が要求されます。この情報隔離という管理が破綻した事例が、今回の野村證券の東証市場区分情報の漏えいという事例であり、SMBC日興で起きたインサイダー取引等です。

システム投資も含め、相応にコストをかけて情報管理するわけですが、それでも上手く管理しきれなかった場合は、世の中の信用を失うという、さらに大きなコストを迫られることになるわけです。全国に支店を構えて営業員を配置していることも含めて、これらの膨大なコストを抱えたままでは採算が合わなくなってきているということですね。ちょっと長くなりましたので、続きは明日にでも。

横浜シーサイドライン 逆走事件

6/1 横浜の新交通システム「シーサイドライン」で、列車が進行方向とは逆に走り出して車止めに激突。14人が怪我をし、うち6人が骨折などの重傷を負うという事故が発生しました。始発駅で約25メートルを逆走、5両編成で乗客は50人ほどいたということです。

新交通システム

事故が起きた新交通システムは無人の自動運転で、専用軌道をゴムのタイヤで走る設計。車両や軌道などの建設コストや人件費が抑えられるとして、各地で導入が進んでいるとのこと。東京でも「ゆりかもめ」や「日暮里・舎人ライナー」などが、同様の自動運転方式を採用しているんだそうです。また、JR東日本も山手線で自動運転方式の導入を検討していて、既に新型車両での走行試験を始めているようです。

ここで問題なのは、この「シーサイドライン」は全国で標準化したシステムの第一号ということです。つまり、ゆりかもめをはじめとするその他の新交通システムでも、同じような事故が発生する可能性があるということですね。

AIや5Gの発展で、自動運転

自動車の自動運転が話題にならない日がないほど、最近よく報道等で取り上げられています。これほど自動運転が盛り上がっている中で、今回の逆走事故とは、、、またずいぶん皮肉なことになりました。新交通システムは電車とバスの中間に位置する乗り物ですしね。

こういう人命を預かるシステムは、「不具合が起きた時には停止してしまう」というのが基本設計になっていると思われます。というか、でないと困りますよね。にもかかわらず、逆の方向に走り出してしまった。今のところ車両側のATO(自動列車運転装置)にシステム上のトラブルがあった可能性が疑われているようです。

サイバー攻撃の可能性は?

決して話を面白くしたいわけではありませんが、サイバーテロの可能性も捨てきれません。このシーサイドライン、2012年には、開業以来22年間にわたり無事故運転ということで関東運輸局長から無事故表彰を受けているんだそうで、そう聞かされるとなおさらサイバーテロの可能性を感じてしまいます。とりあえず、昨日手動で運転再開したそうですが。

8050問題 川崎 農林水産事務次官

引きこもりの若者が時々問題になりますが、これが長期化すれば親も高齢となり、収入に関してや介護に関してなどの問題が発生するようになります。就職氷河期に就職できず、今ではその子たちは50代へ。「80代の高齢者と同居」「50代の引きこもりの男」という親子関係での問題であることから「8050問題」と呼ばれるようになりました。

川崎 登戸 殺傷事件

また、最も弱い子供たちが襲われるという悲惨な事件が発生しました。スクールバスを待っていた子供たちが、引きこもりの50代男性に次々と刺されて死亡者まで出てしまった事件です。犯人は51歳で、親は80代(実の両親ではないらしいですが)。まさに8050問題と言われる悲惨な事件でした。

この事件では犯人自身も自殺していて、動機など全容を解明できないままに終わってしまいそうな状況です。遺族の皆さんにはどんな言葉をかけてあげるべきなのか、、、まったくわかりません。小さな子供を持ったことがある人にしかわからない痛みでしょうね。ご冥福をお祈りするばかりです。

元農水次官、息子刺す

数日後、東京都練馬区で元農林水産事務次官が息子を刺して殺してしまうという事件が発生しました。刺した父親は76歳。刺された長男は無職で44歳だそうです。この事件、息子が引きこもりがちで、暴力もという報道もあるようです。同根の社会現象ですよね。あと数年すれば8050問題という世代ではあります。

このところ、麻薬の事件や元高級官僚の交通事故など、現職も含めて国家公務員の不祥事が相次いでいることから、またか、、、っていう感じで最初は受け止めたんですけどね。ちょっと違った側面もあるのかもと思ってます。44歳の長男は無職で、知る人ぞ知るゲーマーだとか。

川崎登戸事件のように、人様に迷惑をかけてしまうようなことになるくらいなら、親である自分がきちっと片を付けるべき、、、っていう、そんな殺人事件だった可能性もあるんじゃないかと思ったわけです。

というのも、昔大久保清事件というのがあって、その事件をテレビで見ていた母親から、「お前がもしこんな事件を起こしたら、私がお前を殺して自殺する」なんてことを言われた記憶があるからなんですね。50年近く前の話ですが、記憶はかなり鮮明で。世の中に迷惑をかけそうな子を持つ親の気持ち。もし本当にそんなシチュエーションだったのなら、分からないでもないかもです。昨日辺りからどうもそういったニュアンスの報道も出てき始めましたね。

アートとのはざま 鏡に映すと四角く見える円柱

6/2 日本経済新聞の記事で面白いモノを見付けました。サイエンス面の記事だったんですが、円柱の中に四角柱が入った模型が、後ろに立てた鏡に映った像を見ると、四角柱の中に円柱が入った逆の形に見えるんです。鏡には種も仕掛けもないらしく、錯覚でそう見えるんだそうな。明治大学の杉原厚吉研究特別教授が数理工学の手法で設計した「錯覚アート」というものらしいです。

見る方向によって円柱や四角柱に見える形状を細かく計算しているんだそうで、ある一定の角度から見たときだけ、円や四角の整った形が出現します。いやぁ、これ驚きなんですが、文章で表現するのって、たぶん無理。あっ、冒頭に付けた画像で分かってもらえるでしょうか。

もともとはロボットの目となる画像認識を研究していた方で、現実の世界ではあり得ないが、計算機の中で成立する立体図形が描けることを発見し、錯覚アートの作製に乗り出したんだそうでう。

数理科学する明治大学

こりゃ面白いわ、ってことで明治大学のホームページ見てきました。杉原先生の「世界を驚かせた錯視アートの魅力を大解剖」という動画があって、日経が伝えていた円柱の件も一緒に見ることができます。他にも、坂を勝手に登っていくように見えるボールだとかが見れるんですが、それ以外はkuniの表現力では上手く伝えられそうにないです。

動画の中で、「この教授は数学の力でいくらでも錯視を生み出すことが出来てしまうのです」とか、「杉原先生は国際的な錯視コンテストで数回の優勝経験があります」などと伝えています。百聞は一見に如かず。ぜひこの動画ご覧ください。

「数理科学する明治大学」というコーナーには、5つのアプローチが掲げてあり、その中の一つが今日紹介している「視覚・錯覚を解明し、錯視の予測や制御に役立てる」というもの。このほかにも、

「生命や社会の自己形成と崩壊現象の要因を読み解く」
「金融危機を解明し、経済の安定化に貢献する」
「折り紙工学を用いた産業イノベーションを実現する」
「快適な介護空間づくりのための感性モデルを構築する」

といったアプローチが並んでいました。なかなか、知的好奇心を刺激してくれるというか、、、明治大学、なんか面白そうじゃないですか。リンク張っておきます。ぜひご覧ください。動画ページはこちら

パスワード定期変更は因習

5/29付け日経産業新聞の記事。パスワードの定期変更は古臭くて時代遅れで価値が低いというお話です。ちなみに「因習」とは、古くから伝わる、とかく弊害を生むしきたりのことですね。定期的な変更を要求されると、ユーザーは覚えやすい数字等を多用したパスワードを作りがちで、かえってパスワードの強度を落としてしまう。こういう話はkuniも聞いたことありました。

米国立標準技術研究所(NIST)のガイドライン

たしかにそうなんですよね。同じパスワードの末尾に1とか2の数字を付けておき、変更のたびにその数字を順に変えていくとか、パスワードの中に入れている記号部分だけを変更していくなんていうやり方ですね。皆さんも似たようなことしてませんか?

ってなことで、米国立標準技術研究所(NIST)は、2017年に公開したガイドラインで、「サービス事業者がパスワードの定期的な変更を要求すべきではない」と明記したそうです。また、今でもたまに見る、パスワード回復のための「秘密の質問」も使うべきでないとしています。

こんなふうにパスワードに対する考え方が変わった理由として、記事では2つ以上の要素を利用した「多要素認証」が広まりつつあることをあげています。

多要素認証

複数要素を組み合わせた認証により、安全性を高めようという考え方で、ユーザーが使用している他の「モノ」で認証する方法や、ユーザー自身の特徴を使うやり方があるとのこと。

前者では、ユーザーが持っているスマホの電話番号をあらかじめ登録させておき、そのスマホにSMS(ショートメッセージ)でワンタイムパスワードを送る方法が紹介されていました。kuniも最近この手の確認求められたことあります。

また、後者はユーザーの身体的特徴を使う方法で、指紋認証や顔認証などがあります。こちらはスマホではかなりの勢いで増加してきてますよね。虹彩認証なんてのもあります。こんなふうに、入力するパスワード以外にもう一つのユーザーしか持っていない情報を認証に使うことで、安全性を高めるという考え方ですね。

まとめ

ということで、パスワードに関するトレンドを見てきたわけですが、kuniの会社ではまだ定期的な変更を要求してきます。実はまさに今がそうでして、「あなたのパスワードは残り〇日で有効期限が切れますので、それまでにパスワード変更を行ってください」とメールが来ているところです。定期的な変更要求というルールを止めたとたんに何かが起きたら、、、と心配する気持ちも分かるけど、もうやめようよこれ、って感じです。