東レ 有識者調査委員会の調査報告書を公表

東レは4/12、「有識者調査委員会による調査報告書の受領および今後の対応について」を公表しました。ABS 樹脂やエンプラにおける米国UL認証登録に関する不正行為を公表し、ここまで有識者調査委員会で調査を行ってきました。その調査結果ですね。

結果の概要

家電や車部品などに使う樹脂製品の一部について、燃えにくさを示す「難燃性」の認証を米国の第三者機関「アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)」から受ける際に、指定された品質等級と異なるサンプルをつくって提出するなどの不正行為がありました。

東レ製品の462品種がUL認証を受けていましたが、そのうち122品種で不正行為が認められたようです。不正行為があった樹脂の1つであるABS樹脂では、30年以上前から現場が不正を認識していたと指摘しています。

2017年8月頃に当時の経営層の一部にUL認証において不正行為があるとの報告がなされたものの、見過ごされてきたそうです。報告書では経営による隠蔽行為も否定できるものではないと指摘しています。

再発防止

同委員会の再発防止に向けた提言の中に、「経営陣が本気度を示す行動を強化・継続すること」というのがあります。これ、かなり重要だと思います。改善のための施策を従業員に強いるだけでは会社は良くなりません。

同委員会の提言を引用しておきます。「経営陣は常にコンプライアンスの重要性について発信するとともに、自己のコンプライアンスにおける責任・使命を宣言。」これがガバナンスの一丁目一番地、というヤツです。ちなみに、「一丁目一番地」って、おじさんビジネス用語らしいっす。

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